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緊急パリへの旅 最終回(日本人から見たフランス) [旅'13]

 1週間予定がぎっちりの中、パリを中心に回った今回の書道日本代表団。会ってすぐにフランスに関する色々な「不思議」や「驚き」のコメントをもらい、面白かったです。その一部を紹介していきたいと思います。

1. 運転テクニックにびっくり
 これは、誰もが多分フランスに来て驚くことだと思います。運転がすごい!駐車するのに、ぶつけて駐車スペースを確保するのは当たり前、という感じです。小中高と、交通安全の教室で「内輪差に注意」ということを勉強しました。前輪2つが描く半径より、後輪2つの半径が短くなるため(=内輪差)、歩行者として後輪に注意するという内容だったと思います。フランス人の運転を見ていると、この「内輪差」という言葉がフランス語には存在しないかのような印象です。大きなバスで曲がる時も、本当にギリギリ。ギリギリでも車体に傷がつかない時もあるため、それは運転手さんの腕のおかげと言えるのか、それともまぐれか、という感じです。またパリは道路の幅も狭いので、運転するのには相当なテクニックが必要だと思います。私も何度かフランス人が運転する車にパリで乗ったことがありますが、ヒヤヒヤしました。

2.トイレのシンプルさにびっくり
 一般的にヨーロッパで、公衆トイレというものがほとんどありません。あっても有料の場合がほとんど。パリには少しずつ無料の公衆トイレが出てきましたが、とてもシンプルな場合が多いです。ただ、高速道路にある休憩エリアは別。無料のトイレがあります。そしてこれも、かなりシンプルな作りです。ヨーロッパでは何度もバスに乗って旅行したことがあるので、私はこのシンプルさに慣れましたが、トイレ先進国の日本から来たばかりだと結構驚くようです。

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 まず便座がありません。写真のように、小さな便器がついているだけです。これはフランスの新聞サイトからの写真ですが、内容は「トイレの破壊行為」でした。多分、このシンプルな作りは破壊/盗難対策だと思います。便座を付けると、誰かが盗んでいってしまうということだと思います(私は掃除のしやすさだと思っていましたが)。もちろん、暖かい便座なども付いていないため、便器はとても冷たいです。これはかなりの日本人が戸惑っていました。「どうやって座るの?」とまで聞かれてしまいました。彼らによると、今、日本のほとんどの高速道路休憩エリアにも、ウォシュレットがついているそうです。それほどウォシュレットが広まっているとは知りませんでした。蛇足になりますが、残念ながらヨーロッパで、この高性能トイレは見たことがありません。が、日本が高性能トイレを作っているということは有名らしく、色々質問されます。が、ウォシュレットの説明が詳しくされていないせいか、機能全体を理解していないことが多く、変わった質問をされます。「なぜトイレから水が噴射するのか?」(ウォシュレットではなく、噴水のようなイメージをしているのだと思う)、「なぜトイレから風が出るのか?」(「乾燥」というキーワードではなく、クーラーのような「風」をイメージしているのだと思う)などなどです。

3.建物の高さが同じ
 ジュネーブでもある程度そうですが、建設できる建物の高さというのが厳しく定められています。村で一番高い建物(=教会)の高さを超えてはいけない、景観のため、やたら建物自体を改築は出来ない、などです。パリはかなり徹底していて、どこを見てもずらっと似たような建物が並んでいます(電信柱もありません)。高い建物がボコボコ並ぶ東京とは大違いで、初めて来た時はとても新鮮でした。文句を言うのが得意、そしてなんとか法の抜け穴を探すフランス人ですが、この建物に関する法律に関しては、文句を言いつつ、皆結構従っています。その成果が、この均一に並んだ規律のある風景だと思います。
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緊急パリへの旅 その4 [旅'13]

 弾丸ツアー、まだ続きます。Reimsでは、最後にノートルダム(Notre Dame)大聖堂を訪れました。もちろん、一番有名なものはパリですが、フランスの各地にこの「ノートルダム大聖堂」があります(マリアに捧げられた教会/大聖堂、だそうです)。
 
 Reimsのものは、雨の中、見に行きました。Reims市内は交通規制が厳しく、大型バスは市内を横断できません。一度、一般道路で市外に出て、教会がある方向に向かわなくてはならないため、移動にかなり時間がかかりました。もちろん、大人数、天候も良くなかったため、バスでの移動がこの時は一番でした。が、昨年は全て徒歩で歩き回ったため、移動時間の長さにはびっくりしました。

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(去年行った時に撮影した教会)
 去年来た時は、この教会に入ることが出来ませんでした。 1962年にド・ゴール大統領とアデナウアー首相がこの教会で共にミサに参加。その50周年記念で、2012年に両国トップが訪れるということで、その式典準備で確か閉まっていたような気がします。その代わり、夜のライトアップは十分に堪能しました。ライトアップの時の印象が強烈に残っているせいか、夜の大聖堂の方が好きです。

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 こういった教会は、どこも似たような形をしています。が、何度教会内に入っても「すごい」という印象を持ちます。多分、高い天井のせいでしょうか。そしてこのステンドグラスを見ても、同様の印象を持ちました。デザイン(実際制作したのではなく、あくまでもデザイン)をしたのは、シャガールです。雲の中に居るような、ぼやけた感じが、いかにも彼のデザインっぽいと思います。

 そして、かなり駆け足でパリへ。案の定渋滞にはまり、到着予定時刻を大幅に過ぎてしまいました。やはり日帰りでのReimsも結構キツイのだ、と感じた旅でした。

緊急パリへの旅 その3 [旅'13]

 Reimsへ行って避けて通れないのが、シャンパン試飲。中心街から5分も歩くと、シャンパンの蔵が並ぶ地区に到着します。シャンパンの畑は郊外に持っていることが多いのですが、見学と保存を兼ねて大手はReims市内にも蔵を持っています。今回行ったTaittanger社もそのケースでした。

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 偶然にもこのTaittanger、去年Reimsへ来た時にも一度訪れたことがあります。案の定、というか自分が予約した蔵の場所(G.H.Martel)が見つからず、大きなTaitanger社の受付へ行ったことがあります。他社の蔵の場所を聞くのもどうかと思ったのですが、見学時間が迫っていたので、選択の余地はなし。幸運にも場所を親切に教えてもらい、どうにか見学時間には間に合った、ということがありました。この道を教えてくれた会社名までは覚えていなかったのですが、大きな建物は記憶に残っていました。そして今回、この場所に改めて行ってみて「あっ、あのとき道を教えてくれたメーカーだ!」とこの巡り合わせにびっくりしました。

 夏行った時にもヒンヤリしていた蔵(保存のため湿気ている)、今回は雨が降っていたこともあって、更に寒かったです。ドイツ語圏の人達と同じツアーに参加し、英語で色々説明してもらいました。ブドウの話から始まり、保存方法なども説明していきます。これはどこのメーカーでも同じだと思いますが、各メーカー使うブドウ、作っている種類も異なるため、何度異なる蔵へ行っても勉強になります。このワインという世界が深いことは分かっていましたが、毎回蔵で説明を受ける度「深いなあ」と感じさせられます。

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(このサイズの瓶が出てきたわけではありません。単にラベルが同じということで)
 今回はPrestige(威信)というこの会社のシャンパンを試飲しました。名前からして、高級そうなシャンパンだと思いました。これは、40%Chardonnay(シャルドネ)、60%Pinots(ピノー)を混ぜて作っています。Brut(辛口)なので、お気に入り、とはなりませんでした。が、シャンパンは他のワインより甘いので好きです(残念ながら年中飲むお酒ではないのですが)。

 この蔵訪問で勉強したこと、自分の好みの味、そういったことを帰ってきてまた更に調べてみると、面白かったです。次回はそういったシャンパン豆知識に関することを少し書いていきたいと思います。

緊急パリへの旅 その2 [旅'13]

 父の友人、旅(1週間弱ですが)の間滞在していたのはパリ。この短期間で色々パリを回ったようです。更に滞在の1日はモンサンミッシェルへ日帰りという過密日程でした。そして、私が会った日は、シャンパーニュ地方のReimsへ行くことになっていました。ラッキーなことにこの日帰り旅行に私も同行することが出来ました。

 去年の夏、一度Reimsへ行きましたが(もちろんシャンパンの試飲のため)、もう一度行くことが出来ると思っていませんでした。同じ場所に行っても、新しい発見があるので、そういった意味で行くのは楽しみでした。

 大きな観光バスに乗って、揺られること2時間(パリ市内で渋滞に遭った)、お昼頃に到着しました。バスに乗っている間、父の友人とずっと話をしていました。5日ほどの滞在といえども、フランス/パリに関する疑問が色々浮かんだようです。私が答えられる疑問もあったのですが、答えがよく分からないものもありました。これについては、後日の記事に書いていきたいと思います。

 渋滞に遭ったため、遅れての到着になりましたが、Fossierというビスケット工場に無事着きました。ここを訪れるのは初めてです。ビスケット工場と言うと、札幌にある「白い恋人」の工場をイメージします。が、イメージとは全く異なりました。本当に「工場」の製造ラインを見るだけ、また休みだったせいか、製造過程は掃除中、包装部分を見ただけとなりました。

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(写真奥がピンクのビスケット)
 マカロンやビスケットなど、色々なお菓子を製造しているこのメーカーですが、主力商品はピンクが印象のビスケット、Biscuit Roseです。自然の「着色料」(化学調味料ではなく)で、こういったピンクになるみたいです。このビスケット、とにかく甘いです。それには理由があります。Reimsという都市で作られるビスケットだけあって、シャンパンに浸して食べるお菓子です。私も試してみましたが、とってもおいしかったです。シャンパンに浸してビスケットがボロボロにならないように、2度焼きしているほどです。蛇足になりますが、biscuitという単語はbis(2つ、両方)+cuit(焼く)という組み合わせで成り立っている単語だそうです。

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 このビスケットを食べたのは初めてですが、シャンパンを飲む時に添えられるビスケットBoudoirに似ていました(イタリアのクッキーです)。このクッキーも結構甘いですが、シャンパンに浸すと、とてもおいしいです。さすが、Biscuit Rose、甘い物とお酒(ワイン)をたしなむフランス人が作るビスケットだと思いました。

緊急パリへの旅 その1 [旅'13]

 父の友人が、パリのギメ美術館で行われる書道展に日本代表団として作品出品が決まり、パリに1週間滞在することになりました。ジュネーブから新幹線で3時間ということもあって、先日会いに行ってきました。

 ジュネーブで授業を終えてすぐ駅に向かうことが出来るよう、旅行用の荷物を持って大学へ向かいました。大学から駅まではそれほど遠くないため、授業へ終わってから1時間後の電車を予約しました(皮肉にも、その授業はキャンセルされたのですが)。隣国といえども、「外国」へ行くのにリュックサック1つで向かうというのも、ちょっと不思議な感覚です。日本から韓国へ行くのでさえ、ボストンバックを持って行ったのに、と思います。

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 私がパリに到着し、翌日の朝、会うことになっていました。8時30分にセーヌ川沿いのホテルで待ち合わせをしていました。自分の友人宅からホテルまで、乗り換え無しといえども、30分ほどかかりました。ジュネーブよりパリははるかに大きい街である、と実感させられる瞬間です。また、今週末(10月27日より)サマータイムが終了するので、朝でも空は真っ暗でした。この写真を撮影したのは午前8時4分なのですが、まだ暗いです。

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 一通りホテルの周りを散歩して(方向音痴なので、余裕を持って出発したら、意外と迷うことなく早く着いてしまいました)、ホテルのロビーへ向かいました。現在、ホテル名は変更されていますが、元日航ホテルだけあって、スチュワーデスがいっぱいいました。また、ロビーに展示してあるのはUNIQLOのジャケットでした。数日前(10月23日)、このホテルの近くにUNIQLOがオープンし、その宣伝を兼ねての展示だと思います。パリで既に4店目のUNIQLO、私の友達にもこのメーカーが好きだ、という人が多いです。ヨーロッパでは、パリ以外、ロンドンに1店あるのみで、どれだけフランスでこのブランドが人気なのかが分かります。スイス人の友人はいつジュネーブに出店するのか、心待ちにしているようですが。

 少し待つと、父の友人がロビーに来てくれました。自分の記憶が正しければ6年近く会っていないため、覚えている印象と少し違いました。それでも無事に会えたため、良かったです。

パラグライダー体験 後半 [旅'13]

 この申し込みをした時は、「もし空から落ちたらどうしよう」と思っていたのですが、いざやるとなると、それ意外のことが頭を占めていて、心配は頭から飛んでしまいました。

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 いきなり高いところから飛ぶのではなく、電動ケーブルを使います。写真手前に見えるのがケーブルを引っ張る機械。手動でコントロールしています。見づらいですが、写真の地面に見える白い線がケーブルです。この電動ケーブルで引っ張ってもらい、ある程度まで自動で宙にその後、ケーブルから切り離してもらって、風を使いながら飛行する、というわけです。

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(オレンジのジャンパーが私) 
 パラシュートなど安全装置がついたリュックのようなものを背負い、パラグライダーにつけます。自分のすぐ後ろに経験者がついて、彼/彼女がパラグライダーのコントロールを行うようになっています。このケーブルに引っ張ってもらう時に必要なのが、勢い。引っ張られるのと平行して、自分でも走って勢いをつける必要があります。自分のすぐ後ろに経験者が居て、彼も走ってくるので、走らないわけにはいかないのですが、へっぴり腰になると、上手く飛べない時があるみたいです。そして、飛行を終えて降りる時に必要なのも、走ること。地上に降りたからと言って、すぐに止まってしまうと、飛行の勢いで、前のめりの転ぶことになります。ねんざでもしそうな勢いです。その勢いを軽減するため、地上に降り立つ時も走る。飛んでいる間は座っている姿勢なので、一度空中で立って、走る体勢を取らなくてはなりません。こうやって書くとあまり大変そうな作業ではありません。が、どんくさい自分がそういった作業を出来るのかどうか心配になってしまいました。必要な道具を付けて、ケーブルで引っ張ってもらうのを待ちます。走ることを意識していたのですが、ケーブルの引っ張り具合と風が上手い具合に合って、2歩走るか走らないかで、すぐ宙に浮いてしまいました。

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 他人がやっているのを見ている時は、結構ゆっくり上昇しているように見えました。が、自分がいざやってみると、一気に上へ。見ている感覚とやる感覚の大きな違いでした。ケーブルがピンと張ったところで、ケーブルを切り離し、風とパラグライダーのみで浮かびます。風があまりないので、実際浮いていたのは2分以内。それでも、自分が車で通ってきた道などがはっきり見えてびっくりでした。畑しか無いけれど、それでさえ感動的でした。人生で畑だけを見て感動したのは初めてだと思います。そんなことを考えている内に一気に降りるだけ。怖いという感覚もないまま、気づいたら陸に到着という感じです。予想していた通り、着陸は相当な衝撃でした。「走る」ということだけを考えて降りましたが、やはり前につんのめって転びそうになりました。飛行機が着陸する時に感じる「ガツン」という衝撃にとても似ていました。

 あっという間の体験でしたが、あの空に浮かんだ時に感じる自由な感覚は忘れられません。経験者(本格的にやっている人)は、20分、1時間という単位で浮かんでいることが出来るそうです。それに比べると本当に「あっという間」の体験飛行でした。海でパラグライダーをやった場合どんな感覚なのか、気になるところです。

パラグライダー体験 前半 [旅'13]

 パラグライダー体験を先日やってきました。「体験」だったので(25€)、本当に序の口だけでしたが、とても楽しかったです。

 数年前から、「人生でやりたいことリスト」というものを作っています。現実に実現可能のものから(資金さえあれば)、ほとんど不可能なものなど色々なものがあります。自分の性格上、旅行関係が多いのですが、リストをたまに見返すと面白いものもあります。ほとんどの項目にチェックマークを入れることが出来ていません。が、パラグライダーを体験したことで、新たにチェックマークを入れることが出来ました。

 6月にもこのパラグライダーイベントがあったのですが、雨で中止。実施2日前に中止かどうかのお知らせが来るのですが、6月のその週はフランスどこも雨で早々キャンセルになってしまいました。1に天気、2に天気、3に天気、と天気に大きく左右されるのがパラグライダー。実施する場所も2日前まで知らされない(天気コンディションが良い場所を体験場所として選ぶので)という、未知のことが多いイベントでもあります。9月21日にこのイベントがあったのですが、以前からこの週は晴天の予報。フランス全体、(ジュネーブまでも)最後の夏、というほど天気が良かったです。気温も21℃と上々。ある程度風があるノルマンディー地方(海も近いため、風が多い)が理想みたいですが、21日、残念ながらノルマンディー地方は雨。結局パリ郊外(車で1時間15分)のBassevelle(Seine-et-Marne県)という田舎で行われることになりました。

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(パラグライダーを行った場所/畑)
 当日、友達が運転する車でBassevelleへ。パリ中心地から20分車を走らせることで、どんどん田舎になってきています。本当に何もないです。車以外でのアクセスは不可能です。パリと同じîle-de-Franceという地方に属している町(村?)ですが、パリのイメージとはほど遠い風景でした。もちろん、こんな田舎風景嫌いではありません。

 そして集合場所はなんと、畑のど真ん中。安全などを考慮して、森林などがない場所を選んでくれています。 そして車が通らない場所と言ったら、畑ほど良い場所はないと思います。畑と言っても、現在耕している場所でもないので、本当に何もない真っ平らな場所です。

 今回は体験だったので、経験者(パラグライダーの免許と、同伴飛行の免許2つを持っている人)との飛行です。そういった経験者に話を聞いてみるといくつか面白ことが分かりました。

 まず天気。飛ぶためには風がある程度必要、と素人ながら思ってしまうのですが、風は必ずしも最重要事項ではないようです。最も欠かせないのは太陽。太陽が地面を暖め、暖まった空気で上昇気流を作り、パラグライダーを「押し上げる」ことが必要なのだとか。 マグマの出ている山の上でパラグライダーをやると一番上昇できる、なんて冗談を言っていましたが、理論上間違っているとは言えない考えです。そういった上でも何もない畑は理想のコンディションが望める場所でもあるらしいです。森林が多いと、木が太陽の熱を吸収してしまう恐れがありますが、土だとその心配はありません。そういった意味で、畑の近くでやるのは戦略的です。

 そして海でやるのもまた理想的。暖まる場所は無いけれど、まず北の方に吹く風というものが海岸(ノルマンディー地方など北フランス)にはあります。また水蒸気というのも上に上がる力があるので、パラグライダーを押し上げる力にもなります。必然的に暖まる土がなくても、海はまた別の意味で好条件の場所なようです。そして海の方が条件は良いので、出来ることならノルマンディー地方でやりたかった、と経験者の人たちは言っていました。

 結局、この日は太陽もあまり出なくて、風も少なく、最も理想的なコンディションではありませんでした。それでも飛ぶことが出来たので、それについては次回。

Lyonへの旅 最終回 [旅'13]

 眠れない夜を過ごしたユースホステルを離れて、ジュネーブへ戻る時間までの短い時間、また市内を回りました。この「Lyonへの旅」特集も最終回ということで、自分が感じたこの街の印象を今回は書いていきたいと思います。

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 ユースホステルを出て見つけたのはこの車。路駐の車です。車内を見る限り子供が居る家族の車だと思いますが、後方の窓が割られていました。朝の8時30分頃この車の前を通ったのですが、まだ警察も来ていなくて一体どうしたのだろう、と思ってしまいました。が、前日の騒ぎ具合を見る限りこういったことは「当たり前」なのかもしれません。他にも色々な破壊行為を土曜の朝に目にしました。窓やガラスが割られている数は日本と比べると断然、ヨーロッパの方が多いです。市民も慣れているせいか、しばらく壊されたまま放置されている、ということもよくあります。いつの間にか直っていて、またしばらくすると壊されているという感じです。

 滞在中、生粋のLyon人には出会うことは出来ませんでした。が、道行く人たち(観光客ではない)やパン屋に行く人たちを見る限り、自分の街を誇りに思っていることがよく分かります。日曜の朝、ユースホステルの近くにあるパン屋へ行ってみました。長い列が出来ていて、英語を喋っている人が誰もおらず、またパン屋の女将さんを長々話している人が居るのを見ると、地元の人が通うパン屋のようでした。

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 長い列を待っていると、私の前に居る人のT-シャツが目に入ってきました。「Fiers d’être Lyonnais(リヨン人であることを誇りに思っている)」と書いてあります。フランス人は誇り高いという話をよく聞きますが、このようなT-シャツを着ている人を今までに見たことはありませんでした。それとも誇り高いことをしっかり認知していて、こういったT-シャツを着るまでもないということなのでしょうか。

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 また歴史地区の中心には、このモニュメントが。「Only Lyon」となっています。Lyonの発音とライオン(lion)がフランス語では同じなので、それにかけています。「リヨンだけ」という宣伝文句も結構強気だなあと思います。ちなみに、Lyonにあるスイミングクラブのマークにもライオンが使われています。

 パリ、マルセイユについで、フランスで第三の都市と言われているLyon。サッカーのリーグでもパリと常にトップ争いをしているLyonのサッカーチーム。とにかくライバル意識というか、「自分たちの都市も負けてはいない」という意識がかなり強い、という印象を抱きました。実際、パリに負けない素晴らしい歴史的建造物や地区があるし、食文化も発展しています。そういった意味でも、パリとは互角の勝負のような気がします。個人的に、パリはパリで、リヨンはリヨンの良さがあって、比較するのは無意味のような気がします。が、そこは負けず嫌いのフランス人。何がなんでも自分たちの街がトップでなければならないようです。

 様々な意味で強烈な印象を残したLyon、天気にも恵まれて、道中はほとんど雨が降りませんでした。あっという間の2泊3日を過ごしてジュネーブに戻ることになりました。行きたくても行けなかった美術館、レストランがいくつかあるので、また行ってみたいと思える旅でした。「夏休み」と言えるほど、長い滞在ではありませんでしたが、濃い週末でした。

 と旅を振り返りながら、Lyon-Part-Dieu駅に向かいました。14時30分頃出発の電車をホームで待っていました。が、期待通りというか、定番通りSNCFの「点検遅れ」により、ジュネーブへ向かう電車は40分遅れ。いつものように、この駅でまた待ち時間を過ごすことになったのでした。今回の旅で、Lyon-Part-Dieu駅は自分にとって「待ち時間を過ごす」駅だと確信を得ました。

Lyonへの旅 その14 [旅'13]

 2日目の夜はユースホステルに泊まりました。あのオレンジマークがついた、本物のユースホステルです。最近ではこのマークがついていない宿泊所でも「ユースホステル」を名乗ることが出来、私も何度か利用したことがあります。あまり大きな違いはなく(洗面所共用、キッチン設置etc)、詳しいところは分かりません。強いて言えば、認定を受けているユースホステルはユース会員のカードが必要だったり、カードで割引を受けたり出来る点でしょうか。

 2011/2012年はユースのカードを持っていて、昨年の夏新潟へ行ったときに利用しました。が、その時は更新をせず、期限は切れてしまいました。そしてLyonではあのマークがついたユースホステル、カードを持っていないと泊まることが出来ません。インターネットでユースホステルのカードを購入出来たので、迷うことなく購入。住んでいる場所のユースカードを購入することになるので、スイスのユースカード。ドイツ語で「Schweizer Jugendherbergen」と書かれたカードを手に、ユースへ。

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 幸運にも分かりやすい場所にユースホステルはありました。写真右の赤っぽい建物がユースホステルです。宣伝文句は「世界遺産内にあるユースホステル」でした。結構期待して行ったのですが、地区全体が世界遺産に登録されているためあまり実感は湧きませんでした。

 ユースホステルに着いた時、結構重たい昼食兼夕食を食べた後だったので、シャワーを浴びてそのまま寝てしまいたい気分でした。部屋の鍵を渡され、自分の泊まる部屋へ。ハイキングをするドイツ人/ドイツ語圏スイス人の多い6人部屋でした。荷物を置いて、そのままシャワーへ。

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 「シャワー室」と書かれた部屋へ入ってみてびっくり、公共プールより小規模なシャワーでした。写真の上にある小さな穴から水が出てくるだけ。水の方向は元より水温も調節出来ない、とても簡単な作りのシャワーでした。今は夏だから多少水が冷たくても我慢できますが、冬はどうやって調節するのだろう、と思ってしまいました。

 本当に寝るだけの滞在でした。が、その睡眠も上手く取れない滞在になりました。クーラーが部屋にないため、窓を開けて寝ることに。金曜の夜だからなのか、遅くまで外で騒いでいる人が居たり、車の騒音(クラクソン、音楽)がすごかったりして、あまり眠ることが出来ませんでした。また不運なことに私が泊まった部屋はシャワー室の隣で、午前1時にシャワーを浴びる人が居て、困りました。あまり快適とは言えない世界遺産での滞在でした。

Lyonへの旅 その13 [旅'13]

 旅をする上で交通費の次に、予算を左右するのが滞在費。通常はユースホステルなど安い宿を利用しています。今回はキャンプという手も考えたのですが、Lyonという都会からは少し遠く、また天気も不安定なため断念。そこで、友人から教えてもらったCouchsurfingというシステムを利用してみることにしました。

 Couch、英語でソファ、直訳すると「ソファーサーフィング」となります。他人のソファに寝かせてもらう/泊めさせてもらう、という意味になります。バックパッカーのように世界を旅する人のために作られたサイトです。Give and Takeのシステム。旅行中、自分が宿を提供してもらう代わり、自分が住む街に他のバックパッカーが来た時出来る限り宿を提供する、というシステムです。このサイトに(無料)登録して、ソファ(宿)を提供してくれる人を探す、というシステムになっています。最初は結構危なそうだ、と思っていました。このサイトに登録している人はお互いプロフィールを見ることが出来て、またその人に対する他人の評価も見ることが出来ます。この他人の評価が結構大事というか、このサイトの鍵になっていると思います。何度か人を泊めたことがあっても、コメントが無かったりネガティブなコメントがあったりする場合は、宿提供を頼むのは避けた方が良い、というわけです。

 このサイトを教えてくれた友達から宿提供を頼む(=リクエスト)のテクニックを少し教えてもらって、何人かの人に頼みました。が、時期が夏休みということもあって、なかなか見つけることが出来ませんでした。

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(Lyonの学生アパート)
 が、ラッキーなことにLyon大学の学生がOKをくれました。一晩だけという条件でしたが、それでも嬉しかったです。Lyonから路面電車に乗ること20分で郊外に着きました。市内まで乗り換えなしで20分という好条件のため、建築途中のアパートがたくさんありました。Lyon大学の学生なので、学生アパートに彼女は住んでいました。

 彼女自身、バックパッカーというか自転車が好きで、ヨーロッパの色々な場所を自転車で回ったことがあるようです。私もいつか自転車でヨーロッパを回ってみたいと思っているので、彼女の話を聞くのはとても面白かったです。このCouch Surfingが上手くいくか最初は少し心配でした。が、そんな心配は杞憂に終わりました。