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講演会巡り [インターンシップ/仕事]

 今インターンシップをしているNGOでの業務の一環として、よく講演会や記者会見へ行きます。勉強という形であったり、NGO共催という形であったり。NGOが扱うテーマが食、なので、農業や食糧問題に関する講演会へ行くことが多いです。行った数は少ないですが、環境問題の講演会へも行きました。毎回講演会に来る客層やスピーカーも異なるので、色々行くのは面白いです。また顔なじみも少しずつ出てくるので、「こんなところで繋がっているのか!」と意外な関係性を見つけたりもします。

 講演会の種類も色々です。スピーカーが一人で話し、会場からの質疑応答というものもありますが、一番多いのはパネリストを何人か呼び、各自10分ほど話して、パネリスト達がディスカッションという形です。皆話が長いので、たいてい各講演の間にある休みが短くなります。パネリスト形式だと、時間も長くなるので、一日講演に費やされます。話す方も準備で大変だとは思いますが、聞いている方も聞く体力というものが試されます。個人的に、私はパネリスト形式の方が好きです。色々な人が出てくるので、聞いていても単調な感じがしないからです。また、各スピーカーのプレゼンテーション力のようなものも見ることが出来、「発表の仕方」のような勉強にもなります。個人的な意見ですが、NGOなどの人は話が(長くても)上手です。やはり国際協力関係のNGOだと、現地の声をどれだけ届けるか、日本の世間でどれだけ認知されるかがなんぼ、というところがあるからでしょうか。話す内容もしっかりしているし、話し方も上手です。もちろん、その対極の人も居て、「なんでこんなに話し方がつまらないんだ」と聞きながら思ってしまいます。また、内容が興味深いものだと更にがっかりしてしまいます。講演に資料に使うパワーポイントももちろん大切だけれど、やっぱり話し方が左右するなあと、最近は感じます。

 また、講演開催の準備する側に回っても色々発見があります。同じトピックを扱っているNGOと一括りにいっても、幅広い立場があります。そのため、講演者一人を呼ぶにしても、各NGOの立場や見識を考えなくてはなりません。共催の講演会となると、各団体の思惑や力関係もチラホラ見えてくるので、対応を色々考えます。その講演会に投入できる資金と人材、そして講演会を開く場所。誰が何を持っているのか、ということも重要です。国際関係学によく登場するpower politics(パワー・ポリティックス、権力政治)という言葉は、国外だけでなく、国内の小さなことにも当てはまると実感させられます。

 さて、このNGOでのインターンシップも残りわずか。今月もまだいくつかの講演会に参加することとなります。たとえ、話があまり面白くなくても、毎回行けば勉強になることがあるので、行くのが楽しみです。

議員リスト [インターンシップ/仕事]

 インターンの仕事の一環として、議員リスト(データ)を作ることになりました。戦略上、重要になってきそうな議員をデータベース化(Excel)して、探しやすくしようというものです。名前や所属している委員会、興味のあるテーマなどを入力していきます。各議員、独自のホームページを持っているので見ていきます。インターネットという便利なものがあるとはいえ、地道な作業です。最終的にリストに載ったのは200人弱の国会議員ですが、多分 400人近い国会議員のホームページを見たのではないでしょうか。

 重点政策、政治活動という項目だけでなく、略歴も見ていきました。結構色々な発見があって、この作業は面白かったです。

 まず、政治家は第一印象が大切、ということでしょうか。どの政治家もホームページに使われている写真はプロが撮影した、という感じでした。当たり前ですが、やはりイメージが大切な職業ということでしょうか。そのため、ホームページに書かれていることがどこまで本当か分かりませんが、それを前提にこのリストを作っていきました。

 そして、略歴を見ていて面白かったのが各国会議員の好きな本。趣味が読書、という政治家が多かったのですが、その中でも好きな作家としてダントツで名前が挙がっていたのは司馬遼太郎!かなりの作品を読んでいる、と書いている人が多かったのですが、その中でも好きなのは「竜馬がゆく」と「坂の上の雲」を挙げている人が大半。そしてちょっと不思議だったのが、尊敬している人で多かった名前です。「竜馬がゆく」を愛読書としている人が多いため、尊敬している人でも坂本龍馬の名前が挙がると思いきや、高杉晋作と書いている人が結構いました。2人とも同時代の天才ですが、高杉晋作のような政治的感性が優れていると思われているのでしょうか。

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(鹿児島市内にある自動販売機)
 また、尊敬している人に西郷隆盛を挙げている人は、鹿児島出身!選挙区が変わっている人も居ましたが、よくよく出身地を見てみると鹿児島県。好きな言葉に、西郷隆盛のセリフを書いている議員も居ました。鹿児島県民の西郷隆盛に対する愛着は本当にすごいです。鹿児島には一度しか行ったことがありませんが、とても印象に残っているのは鹿児島県民の西郷隆盛に対する愛着です。どこを見ても、西郷隆盛だらけでした。さすが、薩摩藩と思ってしまいました。彼のすごさは司馬遼太郎の「翔ぶが如く」を読んだら分かるのでしょうか。10巻とかなりの長編なので、まだ挑戦出来ていませんが、今度の長期休暇中に読んでみようと思っています(「坂の上の雲」が読めていないのも同様の理由)。

 国会議員のリスト作成という仕事でしたが、司馬遼太郎作品を色々考えてしまいました。時間はかかったけれど、無事このリストも完成し、必要な人達に渡すことが出来ました。

インド寄付金集め [インターンシップ/仕事]

 10月に起きたインド洪水への寄付金を募ろうと、私がインターンシップをやっているNGOが資金集めパーティーを開催することになりました。手が空いていたら手伝ってほしい、と言われていたので、興味本位で行ってきました。資金集めパーティーと言うと、アメリカ大統領選のものを私は想像してしまいます。ハリウッドの大スターが、選挙の資金を集めるために開くパーティーというイメージです。そのため、華やかなものなのかなあと想像していました。もちろん、規模が違うので、華やかさも相当異なることは分かっていましたが。

 準備期間も無いまま、洪水発生から1ヶ月後にこのパーティーは開催していました。準備した人は色々走り回っていて、とても大変そうでした。参加者からは3000円(当日券で3500円)を徴収し、その範囲で、寄付金はもちろん、場所代・食事代などを賄わなくてはなりません。この実情はよく分からないままですが、私は当日の助っ人ということで参加してきました。

 場所は原宿、私の中では結構華やかな場所です。東京の人からしたら、「若者の街」という印象が強いのかもしれませんが、私にとってはおしゃれなイメージもあるので、華やかな感じがします。原宿にある、小さなコンサートが行われるようなバーを貸し切って、このパーティーが行われることになりました。

 24歳にもかかわらず、「未成年じゃないよね?」と確認されながら、この日はワイン販売を任されました。販売と言っても、ワインを注いで500円で売るというものです。どれも赤で、カリフォルニア2本、トスカーナのものが1本でした。私の好きではない赤だったので、味もよく分からず、お客さんから「お勧めは?」と聞かれた時は本当に困ってしまいました。

 私のすぐ横では、グルジア(正式名称はジョージア)のワインが売られていました。これも1杯500円。グルジアのワインというのは聞いたことがないので、「グルジアでワイン?」と聞き返してしまいました。グルジアというと、ロシアともめている国、というイメージしか持っていなかったので、意外でした。が、聞いてみると、グルジアはなんとワイン発祥の場所だそうです。知らなかった!

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 そして、グルジアワインの販売も手伝ってほしい、ということなので、試飲させてくれました。ここでは、赤2本と白1本を売っていました。「赤は苦手なのだけれど」と言ったのですが、「グルジアの赤は、赤ワインと思えないほど飲みやすいから、だまされたと思って飲んでみてください」と言われてしまいました。半信半疑で飲んでみると、本当に飲みやすい!

 いつも私にとって、赤ワインとは苦く、どのワインを飲んでも、味がよく分からないのですが、この赤ワインは本当にすっきり飲めました。もう一つの 赤も少し甘くて、「本当に赤?」と思えるほどでした。逆に甘いものが多いと言われる白ワインですが、グルジアの白ワインはちょっと苦かったです。これらのグルジアワインは、どれも同じブドウを使っていて、作り方を変えることで、味に違いを出しているようです。同じ赤でも、種の異なるブドウで作っているのではないか、というぐらい味が違ったのに。

 このパーティー、最初の1時間は飲み放題だったので、ワインをわざわざ買いに来る人は居ませんでした。しかし、その飲み放題が終わると、興味本位でやってくる人がたくさん居ました。英語だけを話す人もやってきたので、私は通訳としてお手伝いしました。試飲しただけあって、自信を持って、味を説明することが出来ました。

 無事、グルジアワインも結構販売出来、パーティーも終わりが近づいてきました。最後はくじ引き!NGO、石けん会社などが提供した商品がプレゼントとなり、くじ引き大会が行われました。事前にくじを買い(これをインドへの支援金とする)、自分の持っているくじの番号が呼ばれると、晴れてプレゼントがもらえるというわけです。私はくじを買わなかったのですが、NGOの職員から、くじを何枚かもらいました。その内の1枚が当たり、何と景品はグルジアワイン!試飲した赤ワインではなく、スパークリングワインでした。これには一緒にワインを販売していた販売員の人たちも驚いていました。どんな味なのか、飲むのが楽しみです。
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バタバタ報告会 [インターンシップ/仕事]

 私がインターンシップをしているNGOでは、10月上旬に報告会を計画していました。そのため、私がインターンシップを始めた9月上旬からその準備が色々と進行していました。最初は、訳が分からずに、準備を手伝っていました。そして、私の上司のような人に質問をすると、丁寧に答えてくれるので、少しずつ全体像が見えてくるようになりました。

 この報告会、10月上旬に開催される予定だったのですが、台風が来たため、10月下旬に延期となりました。報告する内容など、核になる部分に、私は関わることが出来ませんでした(いつかはそういうことをやってみたいと思いました)。その報告会の開催準備には色々関わりました。会議の議事録、議員会館でのビラ配りなど、報告会に人を集めるためには色々やるべきことが多いなあと実感した準備でした。中でも、私にとって一番大きな仕事だったのは映像の字幕入れ。アフリカの、とある村で行われた会議と実際現地で流れたニュース映像に字幕を入れる作業を担当しました。ポルトガル語だったので、理解出来ず、ほとんど字幕を入れるだけの作業でした。入れるタイミングや、他の人と協力してやる部分もあり、結構時間がかかりました。それでも、報告会前に完成した時は、大きな達成感を感じることが出来ました。

 報告会に間に合うよう字幕を完成させたので、当日割り当てられた仕事は受付とスタッフの連絡、そして質疑応答時のマイク渡しでした。少しは慣れた議員会館へ行き、会場設営の準備を手伝うことになっていました。自分が発表するわけではないので、あまり緊張もせず。強いて言えば、機器トラブルが起きて映像が見られなくなることでしょうか。

 (議員会館という立派な建物にもかかわらず)インターネットが無いことが判明!ニュース映像はインターネットが無いと見ることが出来ないので、泣く泣く公開を中止。現地で行われた会議のみを上映することになりました。

 準備も大体終わり、会場をうろうろしていると、「使用資料が会場の大画面に映らないのだけど」と話しかけられてしまいました。時間が無いので、断ることが出来ず、色々試してみました。私もよく分からない部分があったのですが、コンピュータをいじっていると、何とか大画面に資料であるスライドが映るようになりました!

 また一息ついていると、「若くて機械が強そうだから、発表中のスライドめくりをコンピュータでやって」と頼まれてしまいました。結局、発表中は一番前に座って、コンピュータを作業することになりました。話を最前列で聞くことが出来たため、結果的には良かったのですが、かなり緊張していました。私が字幕を担当した映像も無事流れたのですが、緊張していて、自分のやった仕事を見ている暇もありませんでした。

 予想外の仕事が多かったため、あっという間の発表会でした。 ずっと緊張しっぱなしでしたが、発表者は喜んでいたようなので私も嬉しかったです。予期せぬトラブルは確かに大変だったけれど、それをやりきった時はホッとすると同時に、達成感も少しありました。

字幕付け挑戦 [インターンシップ/仕事]

 インターンをやっている団体が、報告会を10月上旬に行うことになっていました。NGOや大学の教授が現地調査を行ったので、それを発表ということになっていました。モザンビークで、その調査が行われたので、映像で使われている言語はポルトガル語。現地に行った教授がそれを訳してくれました。

 洋画が好きでよく見るため、字幕は私にとって、重要なものになっています。フランスやスイスでは、英語の映画をフランス語字幕で見る、ということもしていましたが、やはり文章が長い(アルファベット表記の言語なので)ということもあって、最後まで慣れませんでした。やはり、漢字がある日本語の方が字幕には向いているなあと思いました。そして、普段何気なく見ている字幕を自分が作るようになるとは思っていませんでした。

 台詞1秒につき4文字、1度に表示される字幕は20字、というルールのようなものが、映画の字幕にはあるようです。最初はそれを目指していたのですが、最後はそんな悠長なことを言ってられなくなりました。やはり報告会ということもあり、正確に彼らが何を言っているのか伝えたい、という意向があり、それを優先する形になりました。

 さて、画面に入れる訳が決まったところで、作業開始です。訳が出来たので、とりあえず画面に入れていけば後は簡単だろう、と思っていました。それが大間違いだった、ということがすぐに分かります。例えば、字幕を入れるタイミングです。しゃべり始めるのと同時に字幕を入れるのはもちろん、次の字幕をどこから入れるか、何秒間字幕を画面に残すかなど、色々なタイミングを考えて、入れていかなくてはなりません。ポルトガル語と日本語では言葉の構造が全く異なります。ポルトガル語と日本語を比較すると、日本語の文章が断然短くなります。一見長く話しているように見えて、1文しか日本語がなかったりします。また、当たり前ですが、映像の中の人は字幕を作られることなど全く想像していません。そのため、文と文開始のタイミングはかなりバラバラです。その人のリズムに合わせて、1文を入れ、タイミングよく次の文章に移っていく、という作業はかなり時間がかかるものだと思いました。

 そして、自分が知らない言葉の字幕を入れていく、というのも結構難しかったです。どこからどこまでが文章、または節なのか分からない時が多いからです。何とか固有名詞とラテン語系の言葉でフランス語と似た単語を拾って、その言葉に上手く字幕がかぶるようにもしたりしました。しかし、慣れない言葉なので、何度も何度も聞き直しました。10分足らずの映像でしたが、半日がかりの作業となりました。

 嬉しいことに、字幕の出来上がりは喜んでもらえました。私が作った字幕が報告会で流れる、というのも楽しみでした。が、報告会当日は、悪天候で延期となりました。自然にはやっぱり勝てません。すると、その日の内に、報告する人からメールが来ました。「延期となって時間が出来たので、今回紹介する予定のなかった映像も使うことになりました。もう一つの映像の字幕入れもよろしくお願いします。」

大学でのイベント [インターンシップ/仕事]

 先日、私がインターンをやっているところが主催するイベントの手伝いをしてきました。イベントの手伝いというのは、インターン典型の仕事かもしれません。簡単な仕事が多いのですが、イベントにやって来る人たちを見るのは、なかなか面白いです。このイベントは大学で会場を借りて行いました。

 途上国の女性がインドで技術を身につけて、自国へ戻って技術者となるというドキュメンタリーがメインのイベントでした。女性が多いかなあと思ったのですが、男性も結構来ていました。ドキュメンタリーの後は、パネリストのディスカッションでした。様々な分野から専門家がやってきていたのですが、どうも話が膨らみすぎて、ちょっと話の幅を広げすぎだなあと感じました。確かに、このイベントの主催者、会場を用意する大学、など様々な団体が関わっています。そのため、各自が得意分野を喋ろうとするので、話が広がってしまうのも無理ないのですが。

 イベントも興味深かったのですが、更に面白いと思ったのは、その後の研究室見学です。イベント準備を手伝ってくれたから、とその大学の教授が研究室を案内してくれました。工学部で、私には全く馴染みない分野の研究でした。難しいことを説明されても分からないだろうなあと思っていました。また、大学院の研究室、というものに入ったことがないので、どんなところだろうと思っていました。私が卒業した大学院には研究室というところが無くて、未だに「大学の研究室」というと未知の世界です。

 工学部の研究室だったので、理系の実験室(色々な機械が置いてありそうな)を想像していましたが、普通の部屋でした。しいて言えば、コンピュータがたくさんあったことぐらいでしょうか。

 工学、というと、私が思い浮かぶのはロボット工学です。といっても、それがどんなものであるかはよく分かりません。6人ぐらいの院生が、どんな研究をしているのか、色々説明してくれました。ここの研究室は「感性」の研究を工学的にやっているところでした。感性というと、感覚であり、数量化する理系とは全く反対側にあるような分野だと思っていました。しかしここでは、感性をなるべき数値化して、分かりやすくしよう、という研究を行っていました。数値化の方法も説明してくれたのですが、それはちょっと専門的過ぎて、よく分かりませんでした。

 色々見せてもらって面白かったのは、色の感覚を数値化、見えるようにする、という研究でした。確かに、赤といえば、皆想像する色は同じだと思いますが、「熱い色」とか「クールな色」というと、人によって想像する色は異なります。それをコンピュータで視覚化する(事前に各自が、自分のイメージする色をいくつか選び、その特徴をコンピュータが把握する)という研究をやっている人が居ました。最初はこの研究によってどんなことが出来るのか、と思いましたが(そして実際直接聞いてしまいました)、広告業界からは結構期待があるようです。確かに、広告はイメージが重要なので、顧客や企業がイメージする色をこの研究によって少しでも分かりやすくすることで、やりとりがスムーズにいく、ということでした。例えば、香水なんかは、イメージを売っているので、このような機能が流通すれば、仕事がやりやすくなるのかもしれません。

 と、工学という言葉から私がイメージしていないような研究を見せてもらいました。色々面白そうなものがありましたが、実現化に向けてやはりネックになるのは、資金面だそうです。この研究は特別な装置を使ったりしませんが、やはり特別な実験などを行う理系になると、資金をまかなうのが大変だろうなあと思います。

 そのような話を聞いた後だったせいか、少子化の今、大学は本当に色々なことをやっているなあと思います。国際化は定番、スポーツ、系列の中学・高校など。話には聞いていましたが、こうやって大学を見せてもらって、強くこの傾向を感じました。生き残りに必死なのだなあと思いました。様々な分野に関わる大学と、1つに特化する大学、色々あるので、見ていると面白いです。

講演会に参加する [インターンシップ/仕事]

 無給でインターンをしていても、得をするな、と思うのは、様々な講演会に参加出来ることでしょうか。NGOのインターンで、先日は講演会の会場設営手伝いを頼まれました。手伝い、と言っても、資料を配付したりするだけで、講演会中は特に何かやることがあるわけではありません。そのため、講演会を集中して聞くことが出来ます。2014年は国連の定める家族農業年、らしいです。家族農業とは、その名の通り、家族が小さな畑を持って農業をやっていくことです。大きな機械を使用する大規模な農業より、原点回帰して、小規模で元々のシステムであった家族農業に重点を置いていく、という試みのようです。家族農業がどんなものであるのか、という説明に、FAO(国連食糧農業機関)の駐日連絡事務所所長が来て講演してくれました。家族農業に関連したもの、というより、FAOの話もしていて、広く浅くという感じでした。

 講演会も面白かったのですが、会の直前にこの所長と直接話を出来たのも良かったです。コンゴ共和国出身の彼、母国語はフランス語です。英語も達者なのですが、フランス語で話しかけると、とても喜んでいました。そこで、フランス語についてもこの講演会中に少し考えてしまいました。

 私はフランス語圏であるアフリカの国にはまだ一度も行ったことがありません。そのため、現地の人がどんなフランス語を話すのかはよく分かりません。しかし、ヨーロッパや日本へやってくるフランス語圏アフリカ出身の人たちは皆、とても上手なフランス語を話します。もしかしたら、「上手にフランス語を話す」という言い方がかなり失礼かもしれません。確かに、フランス語が母国語という人も多いと思うので、当たり前と言えば当たり前なのですが。また、かつて植民地ということもあって、母国語は異なっても、フランス語で教育を受けてきた人も多いのかもしれません。それでも、ヨーロッパのフランス語圏以外の人に会って、フランス語で話すと、フランス語は広く使われているのだなあということを痛感します。

 確かに、英語はフランス語以上に、世界中で使われています。しかし、個人的に英語は、アメリカの言葉、イギリスの言葉、というより、共通語という意識が強いです。そのため、世界中で使えるのは「当たり前」のような感じです。しかし、フランス語に関しては共通語という感じがあまりしません。例えば、フランス語圏であるはずのジュネーブ中心地では、英語の方が通じる場所、というのが存在します(国際都市のため、少し例外的なケースなのかもしれませんが)。そのため、フランス語が広く使われているアフリカ諸国の人と話をする機会があると、「やっぱりフランス語がかつて、広く使われていた時期があったんだなあ」と実感させられます。英語最重要視の日本でそのような経験をすると、とても不思議な気分になります。

 そしてフランス語圏アフリカ諸国出身の人たちと話をして、必ず落ち着く結論が「フランス語ってきれいだよね」というものです。植民地になったけれども、なんだかんだフランス語はきれいだ、と言っています。もちろん、これは現地で聞いた言葉ではなく、あくまでもヨーロッパなどにやってくる、いわゆるエリート層の人たちのコメントではあるのですが。そして私は同時に、フランス語を知っていて本当に良かった、と思うのです。日本人としては少し悔しいけれど、私が今までに勉強してきた言語の中で一番きれいな言葉だと思います。

 家族農業という講演会だったけれど、フランス語について考える機会になった夜でした。

メディア取材に参加 [インターンシップ/仕事]

 少し話が前後してしまいますが、インターンシップの一環で先日はホテルオークラへ行ってきました。もちろん、行くのは初めてです。泊まるのではありません。

 ホテルオークラに私が行った理由は、メディア取材の同行のためでした。UN Womenの関係者が来ていて、このホテルで彼女へのインタビューが行われることになったのです。インターンは会場設営を手伝う、ということで行ってきました。私たちが取材に対して何かする、というわけではなかったので、メディア取材の流れを一通り見ることが出来て面白かったです。

 テレビは録画のものなので、椅子の位置やデコレーションなど、様々なところに気を遣って、会場設営に時間がかかっていました。生放送だと、出演者はもちろん、スタッフもかなり緊張しているのだなあと思いました。

 取材は、新聞、テレビ両方ともインタビューという形式でした。私は他のインターンと一緒にメモを取っているだけだったので、写りはしませんでした。それでも、雰囲気が緊張するものでした。その後の新聞取材は、テレビに比べると、楽な物でした。視覚の媒体を使わないので、記者とインタビューされる人の一対一で、私はまたメモ取り。

 新聞、テレビと異なる媒体が取材に来ていたのですが、質問内容がとても興味深かったです。(日本)女性の社会進出というテーマだったのですが、質問の多くが「日本がモデルにするべき国/政策」というものでした。古くは唐の時代から、明治維新、戦後、と日本は他国を真似して(取捨選択して)、国が発展させていくという経験を多く持っています。そのためなのか、他国の政策をモデルとする意識が強いのかなあと思いました。

 特に新聞やテレビでは、そういう傾向が強いと思います。スイスから帰ってきて日本のテレビを見て、「やたら外国を紹介する番組が多いなあ」と私は感じました。もちろん、ヨーロッパにも旅行番組はありますが、ここまで紹介・解説する番組はとても少ないです。

 そしてフランスでも、新聞に他国を紹介する記事は載っています。私が読んでいるフランスの新聞ではよく、EUの問題に絡めて、「ドイツの経済成長」という言葉も頻繁に出てきます。成功の例として紹介されていますが、「それをモデルとしてフランスも見習うべきだ」という論調にはなりません。あくまでも、一例、という感じです。スイスでも同様です(スイスはそもそも、EUとはかなり異なる政治システムを持っているので、真似したいと思っても真似できない状況なのかもしれません)。外国の状況が、日本とフランス(スイス)で大きく異なるので、面白いなあ、とこのメディア取材を通じて思いました。

夏のインターンシップ その2 [インターンシップ/仕事]

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 7月中旬から続けているインターンシップについて、この数ヶ月全く触れていませんでしたが、契約が10月中旬までとなっているので、今でも続いています。それについて今回は少し書いていきたいと思います。

 私がインターンシップを行っている場所について、以前書きました。リサーチプロジェクト(調査)で成り立っているNGOです。社員も少なからず居るので、「収入」がないと成り立ちません。どこからその稼ぎを持ってくるのか、それがこのNGOの中心であると言っても過言ではありません。

 リサーチプロジェクトのproposal(提案)を書き、それを財団や国際機関、政府などに送って、資金を得て、その資金で調査を行うというのが一連の流れです。その資金が社員の収入にもなっているというわけです。そのため、このproposalが命。日本でも有名なものだと、マイクロソフト創設者のビル・ゲイツが奥さんと一緒に立ち上げたビル・ゲイツ財団がありますが、そういった財団各自ポリシーを持っています。「エイズを減らす」とか、「貧困を減らす」とか、「先進国と発展途上国のパートナーシップを広げる」などです。実際のポリシーはもう少し明確ですが、先ほど挙げたのはあくまでも例です。そのポリシーに従って、主に健康、移民、発展のテーマでプロジェクト書いて、その調査プロジェクトを進めていくというのが、私が今インターンシップを行っているNGOの仕事です。

 なんとか資金を得て、調査が始まる直前(2013年9月26日現在)のプロジェクトがあります。それは、「母国に残された移民の子供の影響」プロジェクトです。タイ、フィリピン、スリランカで調査を行うことになっていて、そのプロジェクトを夏の間進めていました。準備と言っても、ミーティング、下書き、ミーティングの繰り返しです。このプロジェクト、各分野の人を集めて懇談会を開き、彼らの意見を聞き、それを分析するというものになっています。子供への影響を調べるため、教育関係者、医療関係者、警察、政治家(町長など)に対して懇談会を開くことになっています。その懇談会で聞く質問表を作るのに一苦労でした。私たちが直接現地へ行ってこの懇談会を行うのではありません。現地の学者にお願いすることになっているので、はっきりとした、でも型にはまりすぎない質問表を作るのに大苦労でした。誘導尋問のような質問も出来ず、かつテーマが広すぎる質問も出来ません。私たちはプロジェクトの原稿を何度も見ているし、情報収集もしているので、ある程度の知識があります。逆に、現地の人たちは私たちが行ったミーティングを把握していません。プロジェクトについて知らない人たちを想定して、私たちの知りたいことを知れる、かつ誘導尋問にならない質問の作り方という点において、一番苦労しました。ミーティングばかりで、本当に質問表を現地へ送ることが出来るのかどうか不安になったこともありましたが、先日チームリーダーが無事現地に質問表などを送りました。

 これはまだまだ始まり、現地で実際この調査が進められているのかどうか、など問題は山積みです。私もプロジェクトの一部にしか関わっていませんが、少しでもそのプロジェクトを組み立て、実際に行うというプロセスを見ることが出来たのは面白かったです。

夏のインターンシップ その1 [インターンシップ/仕事]

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 1ヶ月近いアルバイトを終えて、すぐにインターンシップが始まりました。ジュネーブのInternational Centre for Migration, Health and DevelopmentというNGOでインターンシップをすることになりました。健康、移民の問題についてリサーチをするNGOです。小さな団体なので、働いている人も少ないです。ポルトガル人の所長、社員(給料をもらっている人)が4人、インターンが3人となっています。

 今メインでやっているプロジェクトはスリランカ、フィリピンなどの国に残された移民の子供の健康状態を調べる、というものです。私は直接関わっていませんが、8月中旬から調査を始められるように質問表などを作ったり準備しているようです。

 インターンは皆、所長から何をインターンシップでやりたいのか聞かれます。自分は移民の問題について勉強したい、と最初に言ったのでその調査を任されました。この所長、健康問題についての専門家なので、移民と健康をリンクさせなくてはなりません。看護師流出が色々(特にアフリカ)問題になっていますが、そういったことも踏まえて、移民と健康の関係についてなぜ調査していかなくてはならないのか、を主に調べることになりました。今はまだ、ジャーナルを読んで情報を集めるという作業を地道に繰り返しています。

  オフィスは普通の一軒家に構えているので、オフィスという言葉からイメージするにはほど遠い感じです。屋根裏のようなところで、インターン3人と社員2人がコンピュータを使って作業しているので、日中は相当暑いです。クーラーもないので、扇風機を使っていますが、それでもあまり涼しくはなりません。

 他のインターンシップ同様、基本は無給です。が、お昼は出してもらっています。所長が食料を買ってきてくれるので、それを誰かが調理し、みんなで食べるというスタイルです。料理と食器洗いは一応当番制となっています。私も何度か作りました。が、野菜嫌いの人が多いので、料理にちょっと苦労します(ホストファミリー宅ではよく野菜を食べるのでその料理法になれてしまっているため)。

 色々な国からきている人が集まっているので(スイス人は一人も居ません)、基本皆英語を使っています。訛りが強いため、理解するのに苦労することがあります。が、意外にも自分が一番苦労しているのはネイティブの英語でした。スコットランド人が働いているのですが、Scottish(スコットランド英語)に慣れていないせいか、時々何を言っているのかよく分からないことがあります。そういえば、スコットランドの映画を見た時も最初は「英語?」と思ってしまったことがあります。
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