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The Trial of the Chicago 7 (2020) [映画’21-]

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 その土地/国で育った人が、場所の名前を聞いて思い浮かべる事件/出来事、というのが各国であると思います。私は知らなかったけれど、(多分)アメリカで育ってきた人は、「Chicago 7」と聞いたら、いつの時代の、誰を指しているのか、そしてなぜ「7」なのかということが分かるのだと思います。アメリカの人達にとって、歴史的に割と重要な話なのかな、ということがよく伝わる作品でした。実話が元になっている作品、でも私のあまりよく知らない話、だったので単純に映画としても楽しめたし、勉強にもなりました。

 1968年、反戦デモ/グループとシカゴ警察が衝突して、Chicago 7達が暴動を扇動した(共謀罪)罪に問われた裁判を追った映画です。当時の映像も使いながら、ストーリーの80%が法廷でのやりとりとなっています。脚本と監督が、「ザ・ホワイトハウス」のアーロン・ソーキンだったので、彼の作品で定番のスピーディーなやりとりがこの映画でも展開されていました。2時間あっという間に見終わってしまいました。一応、映画内にクライマックスはあるけれど、正直、特に予想外の出来事が起きたりする話ではありません。それでも、1968年当時のアメリカ(人)が経験していたこと、というのが少しだけ見えてくるし、その軌跡で現在(2024年)のアメリカになっているのかなあと考えながら見ると面白いです。

 映画内でも上手く説明されているけれど、ニクソン新大統領就任後にこの裁判が始まります。新聞社ワシントン・ポストが政府の機密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」を大々的に報道する前、そして「ウォーターゲート事件」前に行われた裁判と考えると、革命前夜、というか、大いに揺れる前のアメリカの歴史を感じる作品でした。この作品、撮影が遅れに遅れて、アメリカでは2020年公開になったらしいけど、アメリカ大統領選直前に公開され始めた様。2020年の大統領選前のアメリカ、というのを考えて、1968年の出来事を扱った作品、として見ると、興味深い作品です。
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tommy88

「The whole world's watching」
このシュプレヒコールに血沸き肉踊りましたよ。
大阪の高校時代、シカゴに傾倒しました。
ビートルズだけでなく、政治的に洗練されてね。
『Someday (August 29, 1968)』
たしか「流血の日」と題したかもしれません。
シカゴの曲です。
YouTubeで聞くことが出来ます。
この映画『The Trial of the Chicago 7 』と同じ時代背景だと思います。
1960年代の末路はもう、かなり狂っていましたよ。
党大会の翌々年の『イージー・ライダー』は私をも狂わせました。
反戦の雰囲気は遅ればせながら日本の高校生にも伝播してきました。
実話を乗り越えて、しかし、今は「トランプ」リスクを抱えています。
おそらく、11月には欧州もトランプの火の粉を被るかもしれません。
混乱に備えておきましょう。

by tommy88 (2024-02-17 18:01) 

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