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初めての税関 その1 [2023年ドイツ]

 前回の記事にあった税務署からの手紙ではないですが、国や公的機関からの手紙は(大抵灰色の封筒)、受け取るとドキッとします。今回は税関からの手紙でした。「荷物が税関でとまっているので引き取りに来て下さい」とのことでした。税関、というと、どうしても空港のイメージです。が、人が持つ荷物だけではなく、郵送、船便の荷物をチェックする場所が必要でもあるので、空港外にも税関はあります。今回は、初めてデュッセルドルフにある税関へ行ってきました。

 税関から来た手紙には、荷物の差出人が書かれていないのですが、思い当たるのは、日本から自分で送った2箱の船便。今まで送ってきた荷物を税関で止められていたことはないのだけれど、税関がここ数年なかなか厳しくなってきているので、もしかして追加関税かなあ、と思っていました。というのも、ドイツ在住の方のブログで、「日本から自分で送った荷物に関税がかかって、追加で支払った」とか、「税関まで荷物を取りに行って追加関税があった」という話をここ数年よく読むようになりました。コロナ中に荷物や交易が滞って、税収が減るので、入ってきている荷物を厳しくチェックするようになった、という嘘か本当か分からないような話も聞きます(法律も若干変わったよう)。自分から自分(通販の買い物や引っ越し)でも一定金額相当以上のものが入っていると、追加徴収されるようです。

 更に、その手紙には、「荷物を引き取る場合は、身分証明書と現金またはデビットカード持参で来て下さい」と書かれていました。どれだけ追加徴収されるのか値段ははっきりと書かれておらず、更に不気味というか、ドキドキするような手紙でした。そこで、デュッセルドルフのちょっと郊外にある税関へ行ってきました。
(建物内は写真撮影禁止、なので、門の前で撮影)
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BDにハマる [2023年ドイツ]

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(デュッセルドルフのアリアンス・フランセーズ図書室)
 私のアパートから自転車で10分のところに、アリアンス・フランセーズというフランス政府公認のフランス語語学学校があります。日本に居た頃はフランス語の授業や試験で何度も通ったことのある場所で、個人的に思い入れのある機関でもあります。通常、この学校にはフランス語の本や雑誌を置く図書室/館が併設されていて、デュッセルドルフにあるアリアンス・フランセーズにも図書室が設けられていました。デュッセルドルフに引っ越してきてから、ずっとこの図書室が気になっていて、早速先日利用登録をしてきました。

 本の数はあまり多くないけれど、私が読んだことのない本や雑誌も数多くありました。気分転換というか、普段は手を伸ばさない、BD(バンド・デシネ)、フランス語の漫画を読んでみることに。日本の漫画もそこまで読んできたわけではないけれど、やっぱり日本の漫画のタッチ(絵で、動きを表現する感じ)とBDのタッチはかなり違うので、読む時にかなり戸惑います。日本の漫画はコマを贅沢に、上手く使って時間経過や気持ちを表現し、映画っぽい部分がある気がします。フランス語のBDは、小説と絵本の間の位置づけの様で、絵も文章表現もこだわっている感じがします。そのせいか、日本の漫画のコマ割りに、慣れている私がBDを読むと、「ごちゃごちゃしている」感じがどうしてもしてしまいます。ただ、これも「慣れ」なので、ある程度読み進めていくと、あまり気にならなくなってきます。漫画だけど、読むのに時間かかるなあと思う気持ちは決して消えませんが。

 これは、多分システムの違いだと思うけれど、フランス語のBDは分業というか、役割がはっきりしている気がします。もちろん一人で、シナリオ、イラストをこなす人も居るけれど、シナリオを書く人、イラストというか、絵の「線」を書く人(作画)、色を付ける人(彩色)、と、3人の「専門家」が関わっているBDの作品もありました。このシナリオを有名小説家が担当することも多いらしく、セリフも結構文学的だったりする場合もあります。

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 私が今読み進めている「L'Arabe du futur(未来のアラブ人)」は、著者がシナリオ、作画、色づけを全て担当している作品。シリア人の父親(研究者)とフランス人の母親から産まれた著者(1970年代生まれ)の自伝的なBDだから、一人で全て描いているということでしょうか。昨年最終巻の6巻目が出て、人気シリーズのため巻が進んでいくごとに、借りるのが難しくなってきています。私は3巻まで読んだのですが、当時のフランス、シリア、リビア等々(父親が研究者なので、移動が多い様)各国の事情が子ども目線で描かれています。私の視点からすると、「なんていう父親だ!」という感じなのですが、決して悪人としては描かれず、時には(時代、国、の事情も相まって)ちょっと可哀想な、複雑な人物として描かれていて、うまいなあ、と思います。子ども目線で当時の様子が表現されているので、(各国の事情をよく知らないと)分からない部分も多いのですが、宗教や政治の不条理や矛盾が上手く描き出されていて面白いです。私が読み終えた巻は1980年代後半、なので、90年、2000年、2010年代と、この地域がどの方向に向かっているのかなんとなく理解しながら読み進めていますが、果たして最後はどう終わるのか(主人公とその家族の最終居住地はどこになるのか)とても気になります。次の4巻の貸し出し順番待ち中なのですが、週刊、月刊連載の漫画を待ちながら読み進める人の気持ちが初めて分かった気がします。
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文房具のファン [2023年ドイツ]

 数週間前、駅のデジタル広告/ニュース掲示板を見ていたら、「新学期にもインフレの影響」という見出しが出ていました。数週間前から、ドイツの小中高は新学期(新年度)。新しい学年が始まるということで、ノートやら鉛筆やら、学校の授業で使う道具を揃えるのでしょう。本屋やスーパーに行くと、そういった文房具コーナーが展開されてくる時期になりました。

 私は小さい頃から、文房具を見たり触ったりするのが好きなので、文房具を支給してもらえる仕事が出来ているのは嬉しいです。今はほとんどがスクリーン上で文章を読んだり、書いたりしていますが、難しい論文を読む時や文章の構成を考える際は、実際に手を動かす、つまり紙に文字を書いていく方が自分には合っています。(意外と)文房具大国のドイツ、こちらに来てから知ったブランド/メーカーも多くあります。

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 色が付いたペン、私はStabilo一択です(写真の右2本)。Stabiloは蛍光ペンも出しています。Stabiloの赤ペンは滲みすぎず、裏移りもしないので、自分が書いた文章が上手く頭で整理出来ない時に、印刷したものに校正を入れる時に使います。構成を色々考えたりブレインストーミングする時は、フランスブランドのBicをよく使います(写真一番左)。何本ももらって、色々な鞄に入れておいていますが、色々なところで何本も落として無くしています。ちなみに写真真ん中のPelikanは、初めて使うブランド。ドイツの老舗ブランドだけれど、万年筆やペンのイメージが強いので、色ペンを扱っているとは知りませんでした。
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遅ればせながらDeutschland Ticket [2023年ドイツ]

 今年入ってからずっと話題になっていたのが、「Deutschland Ticket」という全国の公共交通乗り放題のチケット。昨年は環境、インフレ対策等の政策で、夏の間3ヶ月間、9ユーロチケットというのが登場しました。月9ユーロで、ドイツ全国どこでも公共交通機関利用可、という破格のチケットです。私の通勤区域で、月80ユーロぐらい払っていたので、月9ユーロ(しかもドイツ国内全て)というのはかなり魅力的なチケットでした。コロナ規制後ということも相まって、相当数の売れたようです。安いチケットを販売しても、路線数を増やしたわけではないので、私が利用している線は毎回遅延、混雑、で通勤が若干大変でした。それでも、チケットの枚数も売れたし、車利用も減ったらしい、とのことで、好評の声もありました。ただ、この9ユーロ、3ヶ月とは言え、相当な税収が必要だろうなあ、とも同時に思っていました。夏の3ヶ月が終わり、普段の定期に切り替えたら、予想通り自分の月額定期が10ユーロほど上がっていました。

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(4月撮影。5月からの販売開始に向けて事前購入を即す広告)
 昨年の9ユーロチケットが割と好評だったということで、国も似たような施策を再検討。ただ、昨年のものとは、少し違う形のチケットを今年5月から販売開始。「Deutschland Ticket(ドイツチケット)」と名を変えて、今回は無期限で開始。月49ユーロで、全国の公共交通機関利用可、というこれまた、普段の定期と比べると、またまた魅力的なチケットが販売となりました。ただ、肝は、「Deutschland Ticket」と値段がチケットの名前に入っていないこと。去年は、「9 Euro Ticket」と、名前に料金が入っていて、値上げは出来ないチケット名でした。それもあって、3ヶ月と制限したようですが、今回は(いつ終わるのか今のところ明言はされていない)値段がチケット名に入っていないので、値上げは割と簡単にできる、と言われています。5月から始まって、9月まで今のところ具体的な値上げの話は出ていません。が、いつ終わるのか、値上げはあるのか、という話題は頻繁にニュースに出ています。
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夏といえばアイス [2023年ドイツ]

 今年は30度ほとんど超えずに、ドイツの夏が終わるのかなあと思いながら8月が終了。8月は一時期、最低気温10度、最高15度、という、「本当に夏?」という様な天気が続く不思議な月でした。

 そして9月に入ると、一気に「夏らしく」なって、30度超えが一週間続くという不思議な「夏」の2023年。昨年の様に35度近くなることはなかったけれど、30度以上が1週間続くので、ずっと暑かったです(クーラーも無いので)。

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(左側のビニール袋/チューブに、ジュースを入れて、冷凍庫で冷やす)
 そして今年は、Twitterで見つけた、「(自家製)アイス」をやってみました。自家製、と言っても、スーパーでジュースを買ってきて、ビニールチューブに入れるだけですが。私は小さい頃、パキッと割る氷アイス(今思えば甘い汁が入っているだけなんだけれど)が好きでよく食べていましたが、そのイメージです。パキッと割る訳ではないけれど、ビニールチューブに入っている感じが、氷アイスの感覚に似ています。

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 普通の100%ジュースよりかは、色々な果物野菜が入ったミックスジュースの方が美味しい気がします。写真では分かりづらいですが、オレンジのミックスジュース(オレンジやレモン等が入っている様な)、にんじんミックスジュース(にんじん、キウィ等が入っている)が今年の個人的なヒットでした。
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一番もらいたくない手紙?おまけ [2023年ドイツ]

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(ドイツ、ハンブルグの日本庭園)
 ドイツに来るまで、フランスがなんとなく税金が高い、というイメージでした。ただ、フランスとドイツで働いたことのある知り合い曰く、フランスよりドイツの方の税金が高いとのことでした。前日の記事を書くにあたって、収入に対する税収の割合に関するOECDのデータを見てみると、なかなか興味深かったです。

 ドイツの(独身)従業員の平均的収入に対する税の割合は、47.8%で、OECD加盟国内で2位(1位はベルギー)、私が高いと思っていたフランスは47%でほぼ変わらず3位。ちなみに日本は32.6%。確かに、日本で働く友人の話を聞いていると、所得税等の引かれている分が(ドイツと比べると)低いなあと感じます。

 このOECDデータ、面白いのが、様々な家族の形でも割合を出しているところ。例えば、「家族(4人)」世帯は(伝統的な意味で、になるのかな)稼ぎ手一人と扶養家族(配偶者と子ども2人)で算出されているのですが、税率がドイツは32.9%(日本は27.4%)。そして、共働き家族世帯(夫婦+子ども2人)の場合、ドイツは40.8%(日本は29.6%)。ドイツと日本、稼ぎ手一人の場合より、共働きの方が税率高くなります。こういうデータを見ると、国が「家族」や「世帯」をどう捉えているというのがよく分かるので興味深いです。
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一番もらいたくない手紙? [2023年ドイツ]

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(ドイツの北、ハンブルグの港近く)
 呪いの手紙ほどではないけれど、ドイツへ戻ってきて一番もらいたくない手紙の一つが、税務署からの手紙でしょうか。7月中旬、ドイツへ戻ってきて、3日後ぐらいに届きました。普段税務署から手紙が来ることなんて無いので、「何の追加手続きだろう?」と「私なにかしたかな?」と色々クエスチョンが頭に浮かびます。簡単に言うと、確定申告でもらった税の払い戻しの返金請求でした。払い戻しの返金、というと複雑で、私も、なぜそもそも確定申告で戻ってきた分が決定じゃないんだろうと疑問でした。分かりやすく説明すると、一度確定申告で税務署が私に払い戻してくれたけれど、再計算してやっぱり、納税してください、という所得税再納税のお知らせでした。

 前年の納税合計金額が書かれた紙が、税務署から3月か4月頃に送られてくるので、その書類をもらってようやく確定申告が始まります。私は、4月中旬から日本へ行く予定だったので、出発前に申告を終わらせておきたかったです(確定申告の締め切りが確か7月下旬)。今年は結構申告分が早く、5月頃(多めに)戻ってきたので、喜んでいたところだったのでした。

 が、6月頃税理士さんからメールが来て、「申告分が認められないという税務署の連絡がありました」という連絡が来ました。とりあえず、税理士さんがこの情報について対応(異議申し立て)するという連絡があったのが6月中旬。そんなこともすっかり忘れて、7月ドイツへ戻ると税務署からの手紙が来たのでした。

 確定申告で戻ってくる場合は、いつ頃戻ってくるのか、税務署から連絡があるわけではありません。自分の銀行口座を確認して、分かる、という感じです。ただ、申告側に支払い義務が生じた場合は態度が一変。「○○日まで、昨年分の所得税XXユーロを振り込んで下さい。振り込まないと、1日遅れごとに50ユーロの罰金を請求します」という文章が書かれていました。詐欺かなあともちょっと思ったけれど、給料から徴収、確定申告で払い戻し、後に再徴収、ということもあるようです。一応支払い締め切りがあったので、とりあえず支払いを済ませました。異議申し立ての時間もかかるだろうし、その結果が出るまでは、(締め切りまでに支払わないと)未払い、という状態になりそうだからです。たとえ結果的に払わなくても良かった場合、その「未払い」の記録を訂正するのにも時間がかかりそうだし、というのが私の予想なので、「追加で」払いました。厳密に言うと、一度納税し、戻ってきて、その戻ってきた分から払うので、追加ではありませんが。私達に振り込む(税務署に払い戻す)場合は結構気まぐれなのに、国(税務署側)が振り込まれる立場になったら、かなり強気になるのだなあと思いました。フランス映画ではよく、税務署の人間が嫌われている描写がありますが、その気持ちが今回初めて分かった気がします。

 この税務署への払い戻し分、税理士さんへの費用を含めても、結果的に600ユーロ(現レートで9万5000円)ぐらい私の手元に戻ってきた/残ったことにはなりました。元々納税した分だし、私の手元に来るはずではなかったお金だけれど、日本から戻ってきて数日での1600ユーロ(25万ぐらい)の請求はなかなかの出費でした。(自称)高額納税者なので、これにめげず今年もしっかり税金を払っていこうと思います。
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