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引退した人達(備忘録) [勉強]

 本日、フランスでは新大統領が就任します。オランド大統領は引退、というわけです。先週、同じく引退を発表したのが、フランスの俳優、アラン・ドロンでした。日本ではフランスの「美男子」として人気が高いですが、フランスでは現在そこまで人気がある感じはしません。私の周りに居るフランス人は、「かっこいいんだけどね・・・」という表現をする人が多いです。

 そして昨日(日本の)ラジオを聞いていたら、この引退ニュースを受けて、番組でフランス語に関するトークを繰り広げていました。このパーソナリティー曰く、「この頃(=1970年代)に若者だった人がみんな知っていたフランス語が、アラン・ドロンが出ていたCMのキャッチコピーだった」そうです。それが、「D’urban, c’est l’élégance de l’homme moderne(ダーバン、それはモダンな男のエレガンス/優雅さ)」という表現。数年前、父に聞かれたのは、このことだったのか、と思いました。このフレーズを父が送ってきて、「フランス語で、なんて言っているの?」と聞かれたことがありました。「エレガンス」とか「モダン」という、イメージに関する単語が多く使われていたので、勝手に香水のCMだと思っていました。また、アラン・ドロンが出ているということも知らずにいました。これを期に調べてみたところ、香水ではなく、スーツの会社ということも分かり、勉強になりました。

2016年の世界 [勉強]

 ヨーロッパに居る間、出来るだけ購入している雑誌の号外があります。それは、私のよく読む雑誌であるCourrier International(世界各国の新聞記事をフランス語に訳したものをまとめた雑誌)とThe Economistが共同で年始に毎年発行する「Le Monde en 20XX(英語版はThe World in 20XX)」です。「20XX年の世界」と訳すことが出来るでしょうか。2012年頃から毎年購入していますが、今年はネットで購入しました。クリスマスを過ごしたジュネーブでも簡単に手に入ると思ったら、フランス語版は出回っていなかったからです。

 昨年(2015年)の表紙はこちら。(少し見づらいですが)日本は浮世絵で表現されていたのが印象的です。
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 そして今年の表紙がこちら。昨年に比べると、テーマが分かりやすい気がします。若干気になるのが、イギリスの首相とフランスの大統領の位置。昨年もフランスの大統領は最前列ではありませんでした。Courrier Internationalはフランスの雑誌、The Economistはイギリスの雑誌。何か深い意味があるのかなあと思ってしまいました。
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 まだ読み終えていないので、全ての記事の詳しい内容は分かりません。記事のほとんどは地域ごとに分けられ、2016年の展望を説明しています。政治、経済ネタが多いので、やはり選挙がある国の記事が長く、多くなる傾向があります。今年でいえばアメリカ大統領選挙、ヨーロッパで言えばイギリスのEU離脱に関する国民投票がメインでしょうか。そしてアジアの目次を見てびっくり、今年は日本に関する記事が一つもありませんでした。昨年は、アベノミクスに関する記事が一つあったのですが、今年はゼロ。と、色々な見方が出来るこの号外。私の年始に欠かせない雑誌になりました。

 さて、私の2016年はどんな年になるのでしょうか。既に新年が明けてから1週間以上経っていますが、「おみくじ」のようなものを先日引いてきました。フォーチュンクッキーです。久しぶりに食べました。私の「おみくじ」はこちら。
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大豆の話 最終回 [勉強]

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(最近はまっている味噌汁に欠かせない味噌です)
 そもそも、なぜここまで大豆の話を、と思うかもしれませんが、単純にNGOでのインターンシップでの業務が大豆に関連した物だからでした。大豆一つだけを考えると、確かに食べ物の一つと思うかもしれません。日本人の食生活に欠かせない発酵食品を担っている食品でもあります。しかし、世界規模でこの大豆を考えると食品には留まらないものだということがよく分かります。

 大豆は私達の食べ物以外の用途にも使われています。例えば、今話題のバイオ燃料、これにも大豆が使われています。バイオ燃料というと、まずトウモロコシを思い浮かべますが、大豆も燃料の原料として注目されているようです。石油に代わる燃料を、ということで、次の燃料としてバイオ燃料にも注目が集まり、大豆の値段もかなり上下しているようです。また、トウモロコシのように、大豆も家畜の飼料に使われています。これも大豆の値段乱高下に繋がっているみたいです。

 NGOでインターンシップを始めたころは、食料としての大豆争奪戦、のようなものを見ることが出来ました。「同じように大豆は、エネルギー供給にも影響している」という話をチラッと聞いたのですが、あまりイメージは湧きませんでした。しかし、バイオ燃料にも使われている、ということを知り、この繋がりが分かってきました。

 そして最近見た番組でも、大豆の広がりを実感しました。「世界“牛肉”争奪戦」という番組タイトルだったのですが、番組の3分の1は大豆の話でした。もちろん、メインは牛肉の話でした。しかし、番組全体の構成で言うと、3分の1が牛肉について、3分の1が金融、3分の1が大豆、という感じでした。牛肉をとっかかりに、食品流通の全体を捉えようとする番組でした。例えば、牛肉の消費が増えると、家畜の飼料需要も高まります。人間の食料としての大豆、更に家畜の食料ということで、更に需要に高まります。大豆も金のように、先物取引として扱われるので、投機あり、ということで金融にも影響、という番組でした。「全体図を捉える/捉えようとすること」の重要性を、番組からだけでなく、NGOでのインターンシップでも感じました。確かに、活動の一つの目的を知ることは大切です。しかし、その活動がさらに広い全体図ではどんな影響を及ぼしているのか、と考えることも重要です。活動一つに囚われてしまうと、全体が見えなくなってしまうので、全体の関係図を常に頭に入れておく必要があると感じました。食品としての大豆を考えることも大切だけれど、それがどう温暖化、エネルギー、政治、など他の分野に繋がっていくのかと考えることも欠かせません。私にとって、大豆=食べ物というミクロな視点から、大豆がエネルギー供給の原料となり、食料以外としての大豆へも影響が出ているというマクロな視点へ移動する、「物の見方のスライド」となった、大豆の話でした。

新聞の中の手紙 [勉強]

 Boris Vianの作品の中で、J’irai cracher sur vos tombes以上にセンセーショナルな話題となったのが、「Le déserteur(脱走兵)」という歌です。「大統領閣下様(Monsieur le Président)」という言葉から始まり、「兵役証明書をもらいましたが、戦争へは行きません(Mes papiers militaires pour partir à la guerre…je ne veux pas la faire)」と続いていきます。そして最後は、「あなたの憲兵に伝えてください、私は武器を持っておらず、彼らは(引き金を)引くことが出来ます(Prévenez vos gendarmes/Que je n’aurai pas d’armes/Et qu’ils pourront tirer)」となっています。詩なので韻も踏んでいて、聞いていると、とても心地よくなります。音楽ものんびり、のどかな感じです。が、歌詞を読んでみると、ずしんと気持ちが重くなるような内容です。この歌は1954年、インドシナ戦争中に発表されたものです。特にこの戦争へ対する歌だと思いますが、戦いが進行している中で、こういった歌を発表するのはとても勇気があると思います。この歌のように、「手紙形式」の文章がフランス語には多くあると思います。特にフランス人は手紙好きなのかな、と思います。
 
 歌だけでなく、社説でも「大統領閣下様、どうしますか?」と皮肉を込めて、手紙形式にしている時もあります。La Libérationというフランスの新聞でもたまに使われます。La Libérationは1973年に創刊(サルトルが創刊者の一人)。他のフランス全国紙、Le Figaro(1826年)、 Le Monde(1944年)、Les Échos(1908年)に比べると、歴史の短い新聞です。そしてこの新聞、社説が面白くて、私の好きな新聞です。社説を読んでいると「ペンは剣よりも強し」と意識が伝わってきます。何か大きな出来事があると社説に結構はっきりと意見(皮肉も上手に使って)を書くので、読んでいても面白いです。前回、新聞のインターネット購読を決めた時、このLa LibérationとLe Mondeの間で迷ったのですが、最終的に国際面が充実しているLe Mondeにしました。そのため、La Libérationはネットの無料閲覧のみになりました。が、旅行で電車に乗る時は、キオスクでLa Libérationを買うようにしています。

 La Libérationも他の新聞社同様、経営が厳しいようでインターネット上では有料の記事が多くなってきました。先日も、経営方針において役員と記者の交渉が上手く行かず、編集者が自主退社する騒ぎになりました。この交渉は今でも続いていて、La Libérationが経営を続けていくことが出来るのかどうか、という問題にまでなっています。

 この新聞社説だけでなく、一面のみを見ていくのも面白いです。一面にドーンと大きな写真やイメージを載せています。大きな出来事があると、ニュースでたまに「La Libérationはどの写真を使うか?」と話題になっています。ちなみに、オランド大統領当選翌日はこちらの写真。
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 また、2月9日に行われたスイスの国民投票の結果を受けた翌日の新聞がこちら。「スイスのウィルス」というタイトルになっています。このタイトル通り、あっという間にこの話題がEU内に広まりました。
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新聞の購読 [勉強]

 これまではいくつかの新聞のホームページで記事を確認するという日が続いてきました。が、タブレットの広がり、新聞紙の購読者減少などで、各社購読者のみの記事が増えてきました。無料会員に登録していたのですが、それも各月(週)読むことが出来る記事が限られ、すぐにその上限に達してしまうようになってしまいました。

 ついに、自分が読む新聞のいくつの社説も購読者のみ、となる日が多くなってきました。社説は毎日読むようにしているので、そろそろ購読をしようか、と重い腰を上げました。自分が読む新聞3社を比べて、1社に絞り込みました。ネット購読のみか、紙の新聞も購読か、週末分(フランスやスイスの週末版は分厚く、料金も2倍近い)も含むか、など様々な選択肢がありました。一口に新聞と言っても、これほど幅が広いのだ、と驚いてしまいました。

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(無料閲覧版の画面。画面のほとんどが広告)
 色々迷って、フランスの新聞を選びました。配達は希望しない、ネット購読のみにしました。Le Mondeという、一番長く読んでいるフランスの新聞です。さすがフランスの新聞、学生に優しい学生料金というのまで設定していくれました。インターネット版6ヶ月間契約でたった39€(5432円)。学生証明書と身分証明書をスキャンし、クレジットカードで支払いを済ませると、契約完了。あっという間でした。

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(購読者ページ)
 さっそく購読者用ページに行ってみると、さすが、無料閲覧版とは雰囲気が異なりました。

 まだ契約したばかりで、使い方を探っている途中です。記事を保存したり、検索したり出来るようです。紙面版もPDFで読めるみたいなので、便利です。小さな機能ですが気に入ったのは、天気予報。最大3ヶ所の天気を表示出来るのですが、日本の都市も数多く入っていました。妹たちの住む鹿屋市まで登録されていてびっくりしました。

CERNの研究 最終回 [勉強]

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 100m降りて私たちを待っていたのが、この大きな機械。内部まで見えるように、少し「分解」してある形でした。稼働している時は、この部分が別の機械と繋げてあるため、中は見えないようになっています。安全性の理由で、滅多にこの場所は一般公開しない、という話を聞いて、なんだか得したような気分になりました。

 この見学が行われたのは、2013年のノーベル賞発表前。どれだけすごい発見かということもよく分からないままでした。が、ガイドの研究者の話を聞いていると、どれだけ彼が情熱を注いでいるのか、というのがよく分かりました。この研究の魅力、として、ガイドの人が「半世紀近くも前に、研究者がその存在を予言し、それが近年になってようやく証明された。これがこの研究のすごいところだと思う」と言っていました。半世紀近く、たくさんの研究者を魅了したであろうヒッグス粒子の説。その粒子が2010年に発見された時、こういった研究者はどれほど嬉しかったのかなあと思ってしまいました。見学中、大きな機械ももちろんすごいと思ったけれど、それ以上にすごいと思ったのは、こういった研究に捧げる研究者の情熱でした。自分には全く理解の出来ない世界だけれど、情熱は強く感じた見学でした。

CERNの研究 その2 [勉強]

 さて、2013年秋にCERN見学が行われることになりました。この公開見学、毎年行われるわけでもないようで、事前予約も大変でした。予約は大変だったものの、当日は雨がかなり降っていて、予約者の半分近くが来なかったようです。

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(CMS外側)
 CERN内に様々な研究施設があるため、自分の行きたい研究施設1つを選んで行くことになりました。ホストファミリーと相談して、CMSという研究施設(道具)へ行きました。このCMS、ヒッグス粒子発見に貢献したLHC(大型ハドロン衝突型加速器)の研究部分の一部だったというのは、後に知ることになるのですが。

 行く前にホームページなどで、このCMSやLHCが何なのか、というのを調べていきました。が、色々読んでみてもよく分かりませんでした。案内をしてくれたCERN研究者にも聞いてみましたが、「一言では説明出来ない」と言われてしまいました。

 色々読んで、説明を受け、自分なりに理解したのは、小さな粒子をトンネルや機械内(CMSやLHC) でぶつけ合って、その粒子を見つける実験をやっているみたいです。なぜこの実験が重要なのかというと、ビックバンに欠かせない粒子であったからだそうです。この粒子が存在すると予言したヒッグス氏の説を証明したのが、LHCという機械のようです。

 LHC同様、私が見に行ったCMSも地下にありました。地下100m、エレベーターに乗って降りていきました。長水路のプール2つ分の長さ、というイメージしか出来ませんでしたが、体がその長さを感じていました。エレベーターでゆっくり下に降りていっても、体が圧力を感じているようで、膝がどんどん痛くなっていきました。

 そして気になるのが、なぜ地下100mという長さなのか(150mでもなく、1kmでもなく、という意味で)。原子力という危険な物質を扱うため、人体の影響が出ない、そして地殻変動の影響を受けない深さ(最低限)が100mだから、だそうです。この100mの深さに掘る技術も結構画期的だと思いました。一気にドライアイスで地面を凍らせて100mの深さに掘った、そうです。実験機材が大きいだけあって、その建設もかなり大がかりだったようです。このドライアイス、かなり重要な要素だったせいか、CERNの至るところでドライアイスの実験が行われていました(身近な物質で、変化などが分かりやすいというのも理由の一つであるとは思いますが)。

CERNの研究 その1 [勉強]

 スイスの新聞(フランス語圏)Le Tempsを読んでいると、ある記事が掲載されていました。今月12日からジュネーブで「ヒッグス粒子に並ぶ次の粒子発見のための新たなる加速器」に関する勉強会が開かれるようです。ヒッグス粒子は、2013年にノーベル物理学賞を受賞した元CERN(欧州原子核研究機構)の研究者ピーター・ヒッグス氏の発見です。私は物理に疎いのでよく分かりませんが、ビッグバン解明の鍵となる粒子、ヒッグス粒子の存在を予測した研究者、らしいです。1964年にその存在を予想し、CERNが実際にその存在を確認したのが2010年。研究は本当に時間がかかるものだ、と改めて思いましたが、まだ確認できていない物の存在を予測する研究者も単純にすごいと思いました。

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(LHCトンネル内。Le TempsのHPより)
 この発見に貢献したのが、LHC(大型ハドロン衝突型加速器)という大きなトンネル。この実験ポイント、フランスとジュネーブをまたいで大きな円を描いています。これほど大きなものがジュネーブとフランスに渡って設置してある、と言っても、ほとんどの部分は地下にあるので、日常生活ではほとんど目にすることはありません。 このLHCという道具は、大きなトンネル内で起こる原子の衝突を見るのが目的。原子の衝突と言っても、ヒッグス粒子を発見するためだけに作られた道具です。2010年にその目的を達成した今、次なる加速器を作り、どんな研究をしていくかの方向性を話し合う会議が、今週からジュネーブで始まるというわけです。今27㎞のトンネルが100kmまでに延びるであろう、次の研究、一体何を見つけるのでしょうか。
 
 さて、物理が得意ではない私がなぜ、この記事を書こうと思ったのか。そもそもヒッグス粒子という言葉自体、つい最近まで知りませんでした。きっかけは2013年秋に言ったCERN見学でした。新聞にこの記事が載ったのを機に、CERN見学について書いていきたいと思います。

緊急パリへの旅 シャンパン休憩 [勉強]

 まず、ワインには色々な種類がありますが、主に赤、白、ロゼがあります。赤は辛口が多く、毎回異なる赤ワインを味見しますが、なかなか好きになりません。ヨーロッパ人曰く「たしなむ練習をしないと、おいしさが分からないワイン」だそうです。今のところたしなむ練習が出来ていないので、好きではありません。

 ロゼは、赤と白の中間でしょうか。でも、まだ白ほどは甘くないので、好きにはなりません。ヨーロッパ人の中でもロゼは好き嫌いがはっきりと分かれます。

 そして白。これはとても甘いものもあり、自分好みです。この白ワインの中にシャンパンなどの発泡ワイン(vin mousseux)が含まれています。日本語では、発泡ワイン全てを含めてシャンパンと呼んだりしますが、フランス語でchampagneという時は、シャンパーニュ地方で獲れたブドウを使った発泡ワインのみを指します。

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 (Comtes de Champagne6本入り)
 天気が生産量に直結する飲み物であるため、「安定生産」のため、どの会社もたいていいくつかのブドウを混ぜて作っています。ただ、Tattingerではブドウが良かった年は100%、Chardonnay(シャルドネ)を使ったComtes de Champagneを作っています。この100%Chardonnayのシャンパンを、別名ではBlanc de Blancs、「白の(中の)白」と呼んでいるようです。Taittingerが最後にこのComtes de Champagneを作ったのは2004年。今のところ10年近く作られていない計算になります。1本100€近くするので、試飲は出来ませんでしたが、どんな味なのか気になるところです。

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 Taittingerも特別なワインだと分かるように、Comtes de Champagneの瓶の形をあえて変えています。どの会社もシャンパンは左側のような形。Comtes de Champagneが右側です。普通のシャンパンボトルに比べると、丸みを帯びています。

 同じ「Champagne」がブドウによって味が異なるというのは分かります。が、同じ「ブランド名」で異なる味のシャンパンも存在します。甘さに様々なレベルがあって、甘い順にdemi-sec , sec, brutとなっています。Taittingerでは1杯の試飲のみでしたが、去年訪れた蔵ではVictoireというシャンパンのdemi-sec 、sec、brut、3種類を試飲させてくれました。この3種類、初心者の私が味見しても違いがはっきり分かりました。同じ銘柄でなぜ違いが出るのか?それを知るためには、シャンパンがどう作られていくのかを追っていく必要があります。

  他の「世紀の大発明」同様、シャンパンも偶然の出来事で作られた飲み物です。高級シャンパン名(ドンペリ)の元にもなったDom Pierre Pérignon(ドン・ペリニヨン)という修道士が発酵中のワインを瓶詰めして、放っておいて、シャンパンが出来たというのが始まりだそうです。

 あのシャンパンの「ポン」という発泡は、イースト菌によって作られます。第二発酵期間にイースト菌と砂糖を加えます。Liqueur de tirage(リキュールの取り出し)と呼ばれています。このイースト菌が主に第二の発酵を行います。このイースト菌、もちろん発送される前に取り除かれます。取り除きやすいように、たいてい、蔵ではコルクを少し下側に傾けて保存しています(よって、イーストがコルクの方に沈殿する)。もちろんそのまま放置していても、沈殿しないので、毎日瓶を45度ずつまわして、残りかすを瓶から「はがす」作業が行われます。45度の回転角度が分かるよう、瓶底にはシールが貼られている場合もあります。

 そして、イーストの残りかすを取り除き、liqueur de dosage(配分のリカー)という作業が行われます。またまた「砂糖」を加えるというわけです。砂糖と古いシャンパンを混ぜてこの「リカー」を作り、甘さ/辛さを調節するというわけです。Wikipediaによると、2009年のEU基準値によると、brutが砂糖12g/L以下、secが17〜32g/L、demi-secが32から50g/Lという量になっているようです。このリカーで砂糖の量を調節するため、同じ銘柄でもbrutかdemi-secで味に大きな違いが出るというわけです。なるほど!

秋の見学 [勉強]

 9月の第二週末は、フランスで「文化の日」です。普段は公開されていない場所を見学出来たり、文化施設(美術館など)が無料だったりしています。エリゼ宮(大統領が住んでいるところ)も公開され、毎年すごい行列で話題になっています。2011年パリに居た時は、私も普段は入れない「Sénat(元老院/下院)」が家の近くだったこともあって、行ってきました。

 この試み、フランスだけではなくヨーロッパ諸国で広まっているようです。フランスのお隣りスイスでも、9月は色々な場所が一般公開されたり、無料で入場出来たりします。そしてこの月はCERN(欧州原子核研究機構)も一般公開。フランス語では「セルン」と呼ばれています。映画「天使の悪魔」の冒頭で登場した研究所です。私たちの生活にとても身近なもので言えば、wwwが開発された場所でもあります。

 CERNは毎年一般公開を行っているわけでは無いため、相当な人気で、事前に予約しなくてはなりません。ホストファミリーもまだCERNに行ったことがない、ということなので、予約にチャレンジ。

 予約は数日に分けられて行われます。「9日の13時~14時」という感じでホームページに表示されます。そして各日にちの最大予約数が決まっていて、その数に達すると締め切り時間前でも、ホームページへアクセス出来なくなります。 そのため、1時間経たない内にアクセス出来ないことも多いです。ホストファザーが一度トライしてみたようですが、必要事項(名前、誕生日など)を入力している内に締め切られた、と言っていました。

 そこで私もこの予約にチャレンジ。ちょうど13時~14時が予約時間だったので、予約開始5分前からコンピュータの前で待機。ちょっとドキドキしてしまいました。が、開始予定時刻になっても、予約が出来ません。たくさんの人がアクセスしていてサーバーダウンしているのだろう、と思いましたが、そのような表示はされません。

 5分後、「サーバーに問題があるため、13時~14時の間、いつかはまだ未定ですが、予約が可能です」という表示に切り替わりました。つまり、13時30分予約開始もあり得るし、13時59分に予約開始ということもあり得るというわけです。またまた私の緊張は高まり、インターネットの「更新」ボタンを押し続けます。結局13時20分に予約が開始、無事、ホストファミリーと私の分、予約することが出来ました。大きな施設なので、全てを訪れることは出来ないようです。CMSという部分が一番面白い、と聞いていたので、そこに行くことになっています。

 映画「天使と悪魔」でしか、CERNを見たことがありません。とても大きい、というイメージしかありませんが、今から楽しみです。