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ドイツ住居探し [留学準備]

 海外の大学院に進学する際、なんと言っても最初にすべきことは住居探し。住所(住む場所)がなければ、銀行口座を作ることが出来ず、携帯電話の契約、そして何より滞在許可書の発行もしてもらえません。事務的続きが大変という滞在許可証を別にして、作業の中で住居探しが一番大変、というのが私の経験から言えることです。住所さえあれば、とりあえず書類の提出は出るので、あとは事務的手続きにあたる人との相性や運次第ということもあります。

 とは言っても、日本から海外の住居探しは大変です。「ちょっと国境を越えて、アパートを見に行く」というわけにはいきません。そのため、個人で探すとなるとインターネット頼みです。パリ、ジュネーブ、そして今回と、私の経験から言える海外での住居探しのコツは一に人脈、二に人脈、三に辛抱/忍耐強さです。

 パリでは、日本の大学の授業で一緒だった人が場所を紹介してくれました。ジュネーブでは知り合いのスイス人が、彼女の知り合い全員にメールを送ったところ、一つの家庭から返事が来て、彼らの家で2年お世話になりました。そして今回は、友人の友人がちょうど留学するので、彼女のアパートを使わせてもらうことになりました。びっくりするほどスムーズに事が進みました。

 これまでに2回、海外での住居探しを行ったわけですが、全て知り合いの知り合いという伝手でした。もちろん、王道で不動産屋を使う方法もありました。しかし、私がこれまでに住んできた都市(パリとジュネーブ)は家賃の高さでも有名なところ。普通に家具付きのアパートを借りていたのでは、予算オーバーになってしまいます。そのため、個人的に探すホームステイという方法がぴったりだったという風にも言えます。また、これは年々感じるところなのですが、私はたくさんの良い人達に会える運を持っているということ。このおかげで、住居探しに少し苦労しても、最終的に良い場所に住むことができました。これまで行く先々で色々な人に会ってきて、本当に「良い人に出会う」運には恵まれていると感じます。

 そして今回も、その「運」を感じての、私の通う大学がある街、Duisburgでの住居探しとなりました。唯一苦労した点といえば、不動産から出される正式な契約書でしょうか。今のところ、正式な契約書の名前が友人の友人のものになっています。9月からは私が住むので、私の名前が入った契約書を新たなに作らなくてはならないというわけです。必要な書類を提出して、この契約書を待ちます。が、自動返信があるのみ。「これから休暇に入るので、緊急時は代理人のBさんに連絡してください」というメールが返ってきてしまいました。担当者の休暇がいつ終了するのか分からず、1週間後に再度メールを送ってみました。しかし、自動返信のメッセージなし、返信なし。心配になったので、代理人のBさんに連絡。すると、Bさんもちょうど夏休み。同様に「緊急時はCさんに連絡してください」とのこと。伝言ゲームのような状態になってまで、Cさんに連絡すべきか迷っていると、担当者から連絡、そして無事に契約書も送られてきました。外国に住む上で重要な手続きを一つ終えることができました。

合格通知まで [留学準備]

 5月中旬に次の大学院への結果が来たわけですが、受験/出願期間はとても長かったです。1月から始まり、5月まで続いたという感じでした。

 昨年の6月にジュネーブの大学院を卒業し、約1年弱インターンシップなどを行ってきました。理想としては、ジュネーブの大学院卒業と同時に進学でした。今回も痛感しましたが、人生はなかなか理想通りにいかないもの。もう一度出願することにし、出願準備と並行してインターンシップもやりました。インターンシップをやって良かったのは、大学外で自分は何が出来るのか、得意または不得意とするのかということが分かる点です。文章を書くのは元々好きだったのですが、広報なども結構好きだということが分かりました。特に、広報はどこへ行っても必要なスキルであると思うので、その分野を垣間見ることが出来たのは良い経験でした。

 インターンシップと並行して、今年の1月から大学院の博士課程出願も始めました。どこも研究計画、履歴書、成績表、教授の推薦状、志望理由書の書類選考が第一次、面接が第二次という選考過程になっていました。もちろん、研究計画がかなり重要ということは分かります。しかし、何をどれほど評価しているのかということが、第一次の書類選考では全く分からないので、苦労しました(またプログラムによっても評価基準というものは異なると思います)。国内外出願したのですが、面接に進むことが出来たのは限られた数でした。海外は特に,奨学金付き、つまり奨学金の数しか学生を取らないので、枠も限られていました(ほとんどが10人以下)。不合格の通知をもらう度に、「枠も狭いし、今年も難しいかな」と思ってしまいました。

 出願締め切りは、一番遅くて4月下旬から5月上旬。そこで春からは、就職活動も少し始めました(全ての大学院の不合格となった場合を考えて)。昨年就活をしていた親友からは、「就活って大変だけれど、とても社会勉強になる」と言われていて、彼女の言うとおりだと思いました。色々就活のプロセスを勉強することができ、日本の会社がどういうものかということも見ることが出来ました。よく、日本の就活、労働スタイルは独特だ、ということが言われますが、就活をするとこの理由がよく分かる気がします。

 そしてある日、このDuisburg-Essen大学からメールが来ました。Skype(スカイプ)で面接をしたい、とのことでした。面接に指定されたのは、2日後。面接でどんなことを聞かれるのか、この大学に通う友人に質問し、準備しました。しかし2日しかないので、とても緊張しました。 ドイツとは時差があるので、面接は日本の17時過ぎ(ドイツの10時過ぎ)でした。そのため、一日ドキドキしながら過ごし、面接を受けました。

 友人からは、「面接といっても、結構リラックスしたものだよ」と言われていました。そして、その友人の言うとおり、とてもリラックスした雰囲気でした。面接をしてくれた2人の教授も、とても良い人でした。満足出来る答えも出来たので、面接後は後悔なしでした。面接をした後は「この大学で勉強したい」という気持ちがますます高くなりました。そして、「すぐに大学から正式な連絡がいきます」と教授からメールが届きました。この「すぐ(soon)」というのが、どれくらいの期間を表すのか分からないので、心配する毎日が続きました。「すぐ」という言葉は感覚的なので、人によって差が出る言葉だと思います。今回の「すぐ」は、日本の感覚でも許容範囲である1週間ほどでした。無事に合格通知をもらうことが出来、またヨーロッパへ戻るのだと思うとワクワクしてきました。

 ちなみに新学期は10月。それまでに、住居探し、ビザ取得、と留学でおきまりの手続きを踏んでいきます。

Taxe Personnelle返金 [留学準備]

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(ジュネーブ州の紋章)
 滞在許可証をもらうのに苦労したことは昨年の12月頃に書きました。やっと手にした2ヶ月後、人口局から税金支払いの手紙が届きました。25CHF、「Taxe Personnelle」を支払わなくてはならないということでした。「働いているわけではないのに」、「許可証を発行するのには時間がかかるのに請求書の発行は意外に速いのだ」、と色々思いながら少し調べてみました。スイス人は「税金だし。すごい高い値段じゃないから、払っておいた方が良いよ」と言い、留学生は「働いているわけじゃないから払わなくてもよい。実際税務署に電話したら『払わなくても良い』と言われた」と言っていました。とにかくはっきりしない、というのが現状。試しに税務署へ手紙を送ってみました(電話は常に留守電なので)。が、返事はなし。常に留守電へ繋がる税務署に電話してみると、奇跡的に担当者と電話が繋がりました。質問してみると、「何を言っているのですか?税金なので払うのが当たり前です!」とかなり怒られてしまいました。税務署がそう言っているのだし、後から税金滞納で税金以上の罰金を払うことになっても困る、と思い、25CHFを払いました。

 2月に払ったことも忘れていると、税務署から手紙が。小さい頃は単なるチラシでも、自分宛の手紙に喜んでいました。が、ジュネーブに来てからは人口局か税務署から手紙が届くのみで、たいてい何かの支払いか何かの書類請求のため、小さい頃ほど自分宛の手紙が嬉しいと思うことはなくなりました。おそるおそる税務署からの手紙を開封してみると、remboursement(返金)という意外な内容でした。自分が払ったTaxe Personnelleの返金でした。理由は詳しく書かれていませんでした。が、想像するに2012-2013年度は収入がないので、この税金が免除されたのだと思います。返金されることに不満はないので、郵便局へ手続きをしてこようと思います。

 と喜んでいるのもつかの間、もう滞在許可証更新の時期がやってきました。新規申請の時ほどややこしくはないようですが(書類を記入して、パスポートを持って行けば、たいていは更新出来るよう)、まだまだ油断は出来ません。

 蛇足ですが、日本人は入国時にビザが必要ないため、新規申請も現地到着後にやっても大丈夫なようです。私の友達も実際、到着してからやっていました。ジュネーブでの住所を書く必要があるため(フランスほど厳しく住む場所に関する情報を求められるわけではありませんが)、住む場所がとりあえず決まらないと申請も出来ません。が、自分の経験上、日本出発前にやっておく方が良いとおもいます。とにかく早ければ早いほど、ジュネーブに着いてから許可証に関する心配をしなくてはなくなるからです。滞在許可証がないと、口座も開けず、携帯電話の契約も出来ません。私は必要書類を揃えて、東京から郵便で送りました。

聞いてはいけない質問(最終回) 番外編 [留学準備]

 自分がジュネーブ州から滞在許可証をもらえるかどうか、心配をしていた同時期、「フランス国籍を返上する」と言い出した役者さんが居ました。Gerard Depardieuというフランス人の俳優です。2012年に当選したオランド大統領が選挙中に提唱したのが「大金持ちに対する75%の税金」でした。賛否両論あり、選挙後もかなり話題になっていました。結局Conseil constitutionnelにこの法案はかけられ、「違憲」となったので、今のところ法案の練り直しとなっています。

 そしてこの75%の税金から逃げようとした最初の人はルイ・ヴィトン社長。ベルギーはフライドポテト、ビールだけが有名、とフランス人からはよくからかわれていますが、税金が低いことでも有名。このルイ・ヴィトン社長、ベルギー国籍を申請していることが発覚し、メディアを含め大きな批判を呼びました。結局申請は取り下げられましたが、この話題はしばらく新聞などで取り上げられていました。

 次に、Gerard Depardieuという役者さんがベルギー国籍を申請していることが発覚。首相も彼に対して「なさけない」と発言し、かなり話題になりました。言われたら言い返すのがフランス人、役者さんは首相に対しての「返信」として新聞社に手紙を送付。「そんな風に自分を呼ぶのなら、フランス国籍を返上する」とまで言い切り大変な騒ぎになりました。実際、ベルギーとフランスの国境近辺に小さな家を買ったよう。

 が、そういったやりとりを繰り返している内になぜか登場したのがプーチン大統領。「喜んでロシアの国籍を与えます」との発言。Gerard Depardieuも「フランスよりロシアが良い」と1月上旬ロシアに旅立ち、大統領直々ロシアのパスポートを手渡されたのでした。

 最初はゴシップ的扱いだったこの話題、あっという間に仏露関係にまで影響する外交問題にまで発展してしまいました。ただ、私の疑問はベルギー国籍。Depardieuが家を購入したという小さな村はこの騒ぎで有名になりました。しかしロシアが登場してからは一気に名前がニュースに登場しなくなってしまいました。彼の申請したベルギー国籍はどうなったのでしょうか。

聞いてはいけない質問 その5 [留学準備]

 スムーズな手続きを終えて安心出来たのは、最初の数週間だけ。約束の2〜3週間経っても、届く気配はありません。メールで人口局へ問い合わせても「順調に手続きが進んでいます」との返事のみ。順調に手続きが進んでないから1ヶ月経っても滞在許可証が届かないのではないか、と心配になります。

 ビザなしでスイスに滞在できるのは12月11日まで。もちろん、滞在許可証の手続きは終えているので、違法滞在ではありません。が、その許可証が届いていないので、違法滞在ではないと証明できるものはレシート以外にありません(発行手続きに払った200CHFのレシート)。そのレシート、他国では身分証明書の代わりに通用するのかは分かりません。

 一体どこまで手続きは進んでいるのか不明なため、学校に連絡をしました。大学に在籍する学生の半分以上が外国人。ビザや滞在許可証発行に問題があった時、人口局に連絡をつけてくれます。大学から返信をもらうのは少し時間がかかるのですが、個人で動くより、機関である大学が人口局に働きかけてくれた方がずっと効果があります。学校に連絡して1週間後、「人口局に連絡してみたところ、手続きは順調なようです。シェンゲン加盟国到着から3ヶ月の12月11日になっても、滞在許可証が届かない場合にまた連絡してください」との返事。レシートをパスポートと一緒に持ち歩く日が続き、ついに12月11日になっても許可証は届かず。

 学校、そして人口局に再度連絡してみます。人口局には「1月からフランスに行くから、早く発行してくれ」と催促したのですが、手続きが早まった様子はありません。数日後、大学と人口局から連絡が来ました。大学は「既に発行されているので、学校としてはもう何も出来ません」。「発行された」というのは既に郵送されているのか、または発行されてもまだ人口局にその滞在許可証があるのか、よく分かりません。人口局は「既に発行しました」と言い、 「 6ヶ月以上ジュネーブを離れる場合は、添付した書類に必要事項を記入し、どこにいつまで滞在するか人口局に知らせるように」と但し書きまでついてきました。

 発行されたはずの滞在許可証がどこにあるか分からないまま数日すると、ようやく人口局から書留書類が。書留が来たときは家に誰もおらず、郵便局へ直接取りに行くことに。人口局からの書留書類が滞在許可証であることを願いながら、郵便局へホストマザーと向かいます。その場で開けてみると、滞在許可証(カード)が入っていました。偶然にもその書留を取りに行った日は私の誕生日。「人口局から素晴らしい誕生日プレゼントをもらえたね」とホストマザーに言われました。

 景気が悪い今、どこの国でも外国人は歓迎されないようです。学生という身分が、海外に滞在するのに一番簡単な方法だと強く感じます。が、必ずしもそうではなく、国が喜んで外国人に国籍を与えるところが例外的に存在するようです。その国が今フランスでかなり話題になっています。自分の滞在許可証請求の話題に関連して、今フランスで大きな議論になっている役者さんについて次回は取り上げたいと思います。

聞いてはいけない質問 その4 [留学準備]

 予約をして人口局へ向かった友達は、「予約時間より20分ぐらい早く行くこと。どっちみち手続きに2時間近く時間がかかる」と警告してくれました。彼女たちのアドバイスに従って、召喚時刻20分前に人口局へ到着。前回人口局へ来た時は長蛇の列が出来ていたのに、この日はほとんど人が居ません。新学期(新年度)のピークが過ぎたせいか、グッと手続きに来る人が減ったのでしょうか。召喚状を見せると、「番号札を持って待っている人達を無視して、空いた窓口へ行くように」と言われます。手続きに来た人は、入り口で番号札を取り、自分の番号が呼ばれるまでひたすら待ち続けます。そういった人達に関係なく、そのまま窓口へ行けるようでした。「列を無視してはいけない。並んで順番を待つ」というのが番号札のルールのはず。不安になり、二度も受付で彼女の言ったことを確認してしまいました。

 番号札を持ってベンチで待つ人を無視して、窓口へ行きます。召喚状を見せると、「では、書類を取ってくるので待って下さい」と言ってくれました。あまりのスムーズさにびっくりしながら、200CHF近い発行料を支払います。手続きの時間たったの5分。

 その後別の部屋に連れて行かれ、滞在許可証に必要な証明写真を撮影し、指紋とサインを登録。指紋の登録は覚悟していましたが、サインまで登録されるとは。「2〜3週間後に書き留め郵便で滞在許可書が届くのでそれまで待っていてください」と言われ、全ての手続きは終了。召喚時刻の10時45分には全ての手続きが終了したのでした。

聞いてはいけない質問 その3 [留学準備]

 無事に書類を送付し、シェンゲン加盟国であるフランスに到着したのが9月11日。シェンゲン協定に加盟しているスイスに行く祭、基本入国審査はありません。日本のパスポートであれば、3ヶ月間はシェンゲン加盟国内をビザ無しで自由に行き来できます。つまり、3ヶ月後からはビザまたは滞在許可証が必要になるというわけです。12月11日までに、滞在許可証が手元に届かなくてはなりません。

  滞在許可証申請の書類は全て、人口局のホームページからダウンロード出来るのですが、何せこのホームページが分かりづらい。そのためか、メールでの質問はかなり早く返信してくれます。2〜3日で返信をしてくれます。かなり親切だな、と思っていたのですが、それは夏の間だけなのでした。

 9月、新学期が始まり、書類が届いたとの連絡が全くないまま1ヶ月が経過しました。すると、思い出したようにメールが届きました。追加書類請求のメールでした。他人(スイス人)の家に滞在しているので、その家の主のサインと身分証明書のコピーが必要とのことでした。私も書類にサイン。この家から別の場所へ引っ越す時には、人口局に必ず連絡するということに同意した、というサインです。あくまでも、外国人がどこに居るか追跡したいのだな、と思いました(どこの国でも同じですが)。サインなのにスキャンして必要書類を送るように、とのことでした。送信しても、またまた連絡はなく。フランス語でよく「Sans nouvelle, bonne nouvelle」(便りがないのは、良い知らせ)と言います。旅行するようになってからよくこの諺を使う私。自分にこの諺を言い聞かせる日が来るとは思っていませんでした。

 無事、書類が受理されると、今度は人口局へ行って200CHF近い発行料を支払うことになっています。どんな手続きなのか既に滞在許可証が届いている友人から色々話を聞いてみると、人口局に予約をして、支払いに行くという説明を受けます。試しに人口局に電話してみると、「多すぎる問い合わせのため、電話での回答は中止しました」とのメッセージに繋がります。夏の間質問するのに使ったメールアドレスへメッセージを送っても、「多すぎる連絡のため、いつ返事出来るか分かりません。電話で連絡して下さい」との自動返信。電話しても回答してくれないのに、とメールに一人で突っ込み。では、直接人口局に行ってみよう、と午前中の授業を終えて、人口局へ行ってみることにしました。ジュネーブ市内の外れにあるのですが、建物内に入ってみると唖然。長蛇の列が出来ています。予約して来た人ばかりだと言うのに、なんと3時間待ち。「予約はどうやってとるのか」という質問をするのにも1時間かかりました。受付の人は、予約用の電話番号をくれましたが、これは問い合わせと同じ電話番号。「この番号にかけても、自動応答メッセージに繋がるだけだ」と説明しても、「予約をしてから来い」と言われるだけ。半信半疑でかけてみると、びっくり、コールセンターのようなところに繋がりました。「滞在許可書のために予約を取りたいのですけど」と言うと、「こちらから召喚するので、その手紙が届くまで待って下さい」と冷たい返事。友達にもう一度聞いてみると、「人口局から召喚状など届かなかった」という返事ばかり。一体どうなっているのか不明のまま日が過ぎていきました。そして驚くことに10月上旬、人口局から召喚状が届きました。10月18日10時45分に人口局へ来るように、とのことでした。

聞いてはいけない質問 その2 [留学準備]

 さて、スイスの滞在許可証、なぜ「長きやりとり」となるのか。それは書類の処理に驚くほど時間がかかるからです。半年かかった、という人も居ました。一番の心配は「書類M」、別名財産証明書です。ビザ申請の際、今では多くの国で銀行の残高証明書を求めてきます。要するに、職探しが目的のビザ申請を避けるためです。財産証明書は職がなくても、ある程度生活を維持できるのかということの証明です。金額など国によって異なるのですが、フランスは最低5400€(60万円程度。月450€計算)が求められます。もちろん、これは最低限の数字なので、こういった部分でビザの申請拒否されないよう、多めの数字を提出することが必要です。私もかなり多めに見積もりました。もちろん、ベストはこれだけの金額が口座にあること。自分名義の口座の残高証明発行を求められます。現実的に、学生がこれだけの金額を口座においているということが稀だと思います。そのため、1日または2日、ある一定期間「借金」(家族、友人などから)をして、その期間の残高証明書発行を銀行に頼むというわけです。

 フランスのビザ申請でも、この残高証明には苦労したのですが、スイスはそれ以上でした。まず、最低限の金額がフランスに比べて多かったです。学生名義の口座の財産証明書を提出する場合は、2000CHF×12ヶ月(2012年8月当時で200万円ちょっと。今はスイスフランに対して円安なので、この金額以上)。保護者の場合はこの金額が月5000CHFに上がります(家族を養う分を含めるので)。もちろん、自分は前者を選びました。

 次に、財産証明書を発行する金融機関も決められています。Autorité fédérale de surveillance des marchés financiers(連邦金融市場監督機構)というところに登録されている銀行から財産証明書が発行されていないと、この証明書を認めてくれないのです。さすが、銀行の国スイスだなと思いました。ヨーロッパの金融機関の多くが登録されているのですが、日本の金融機関はたったの4機関(バブルの頃は多くの機関が登録されていたようです)。自分が普段利用している銀行は残念ながら登録されておらず。が、大学の入学時ローンのために作った口座が連邦金融市場監督機構のリストの中に入っていました。新しく口座を作る手間が省けてかなりラッキーだったと思います。フランスの時同様、家族から借金をして、必要金額が記された残高証明書を手に入れたのでした。

 後日談。同じ学校に通う友達(日本人)も、この手続きを同じ時期に行っていました。彼女は去年からスイスに居るので、滞在許可書の更新でした。そして、更新時に財産証明書が求められます。私と同じ銀行から証明書を発行したようですが、なぜか証明書が拒否されてしまったようです。それを聞いた私は、少し焦ってしまいました。また新しく残高証明書を作らなくてはならない(つまり家族からまた借金し直す)のか、と不安になってしまいました。が、1月現在滞在許可書はしっかり自分の手元に届いているので、問題はなかったようです。聞いてはいけない質問が多い、スイスでの滞在許可証です。

聞いてはいけない質問 その1 [留学準備]

 世の中には、「大人の事情」で聞いてはいけない質問があります。その内の1つがスイスの学生ビザ。「なぜ?」と思った瞬間、様々な疑問や矛盾点が見えてきます。こういったことは法律専門家に任せることにし、スイスの学生ビザは「聞いてはいけない質問」リストの1つに加えることにしました。

 なぜ、こういった話をするのか。それは、私の滞在許可書発行に相当の時間を要したからです。それでは、スイスの学生滞在許可証発行申請までの長い道のりを書いていきたいと思います。ただ、ここに書いていくことはあくまでも個人ケース。同じ学校に通う日本人にも話を聞いてみましたが、本当にケースバイケースです。あくまでも、自分のケースとしてここには書いていきたいと思います。

 まず、スイスには様々な種類の外国人向け滞在許可証があります。国、滞在目的様々な条件によって、手続きが異なります。例えば、私のような日本人がジュネーブの大学に通う際、入国のビザは必要ありませんが、学生の滞在許可証Permis Bというのを申請しなくてはなりません。この申請、相当時間がかかるのですが、周りの友達の状況を聞いてみると、結構恵まれている方だと気付かされました。他のアジア諸国出身の子は、スイス入国にビザが必要となります。ビザで入国しても安心出来ず、別にPermis Bが必要となります。私はビザが必要なく、ただPermis Bの手続きのみが求められました。

 そのためスイスではスイス人になるのがかなり難しいです。 スイスで生まれ、教育を受けてもスイス人ではない、という人が多く居ます。かつてはスイス人になるための国際結婚も多かったようです。が、今ではそういった手は通用せず、法律がどんどん厳しくなってきました。そういった外国人にとって「最高」の滞在許可証が、「Permis C」と呼ばれる物です。5年〜10年スイスに住んでいること、一定の収入を得ていること、一定の財産を持っている事、など様々な厳しい条件をクリアすると、基本滞在に有効期限のない「Permis C」を手に入れることが出来るというわけです。ただこれは滞在許可証なので、スイス人と全く同じ権利を持つことが出来るわけではなく、いくつかの制約は残ります。もちろん、学生の身分である私はそういった滞在許可書を手に入れることが出来ません。学生のための「Permis B」と呼ばれるものが存在します。これを手に入れるのも、結構大変でした。とにかく、揃える書類の量が多い!

 「書類E」と呼ばれる(EU圏内、圏外関係なく)学生用の書類に記入し、EU圏外出身の私は「書類M」と呼ばれるものも提出しなくてはなりません。書類Eは必要情報(入学許可書、スイスでの滞在先)を記入し、更に追加書類としてなぜスイスで勉強したいのか、在学期間だけスイスに居るという「契約書」(そういった文章を書き、自分の署名をする)を送付します。卒業をしてこの国をすぐ離れなかったら、この契約書を見せられるのかな、と疑問に思いながらサインしました。その書類を送ったのが9月。そこから長きに渡るやりとりが始まるのでした。

緊張の科目登録   [留学準備]

 今回は、科目登録についてです。フランスに着いてから登録するのか、と思っていたら、7月中旬の2日間で行われました。大学で働いている人達が早くバカンスに出かけたいのでしょうか。登録のやり方も、日本とは全く異なりました。

 まず、科目登録2日前に、この手続きに関する説明をメールで受けました。そのときに、私はやっと講義要項を読み始めました。交換留学生がどんな科目を取れるのか、何単位とれるのか、そういった仕組みも含めて、2日間で理解しなくてはいけませんでした。留学生は1学期につき最大30単位取ることができます。平均どれだけとるのかよく分かりませんが、私は最大単位登録しました。なぜなら、2学期間最大単位を登録することが、大学側の証明書発行の条件だからです。「1年間、この学生はパリ政治学院で××(専攻、私は国際関係)をフランス語/英語で勉強しました」というような証明書がもらえるのだと思います。ないよりある方が良いだろう、と考え、最大数登録しました。

 仕組みを理解して、ようやく講義要項を読み始めました。残念ながら、英語で行われる科目が多いです。留学生のほとんどが、英語で学ぶプログラムを選ぶからです。英語の需要が大きい、ということだと思います。6割近くが、英語の科目だった気がします。それでも、私は出来るだけフランス語での科目を多く選びました。第一希望、第二希望、と希望を色々紙に書いていきます。勉強する内容とスケジュールを調整しながら、取れなかった場合の、plan B(代替案)も考え、かなり苦労しました。

 科目登録は、期間以内にいつでも登録でき、人数が多い場合は抽選、と甘くはありません。Premier arrive, premier serviです。つまり、「早い者勝ち」。人気の授業は3分で埋まってしまうそうです。フランスのパリ時間、午後3時から登録開始です。日本は夜10時でしたが、場所によってはかなり遅い時間だったようです。自分の希望を書いた紙を片手に、登録を始めます。自分のコンピュータは新しくないので、サーバーダウンしたらどうしよう、と様々なことを心配してしまいました。しかし、意外にスムーズに登録画面へ行きました。

 まずは、大講義の授業から登録し始めました。大講義は授業2つセットです(だからこの授業一つで10単位)。1つが大講義、その大講義に参加する学生をさらなる小さなグループに分けて行う、ゼミ形式の授業が1つです。この大講義の登録を終えると、やり方が分かってきたので、その後はかなりスムーズにすすみました。順調にフランス語での授業は全て第一希望を選ぶことが出来ました。そして、英語での授業の登録。第一希望は、既に定員を意味するCが表示されています。第二希望でもダメ、第三希望でなんとか登録できました。考えてみれば、英語で授業を受ける人が多いのだから、定員いっぱいになるのは、英語の授業の方が先のはずでした。少し読みが甘かったけれど、ほとんど自分の希望する科目は取ることができたので良かったです。

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