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新しい事に挑戦 最終回 [2022年ドイツ]

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 前回の記事から日にちが経ってしまいましたが、まとめを書いていきます。

 自分の原稿に対する査読をもらった場合は、かなり時間がかかるし、頭を悩ませるけれど、自分でどうにかする、ことで解決する気がします(原稿が受理されるかどうかは別として)。ただ、今回は、自分が書いた原稿ではなく、特集号をまとめているので、同じ査読を読む、という作業でもちょっと異なりました。特集号の中の原稿は必ずしも自分の専門では無いけれど、他の人の原稿をチェックして、その人宛てに来た査読を読んでアドバイスして(なだめて)、ジャーナルの担当者/編集チームとやりとりをして、と自分が原稿を書く時はちょっと異なる作業でした。中には、正直、若干プロ意識に欠ける人も居て、コミュニケーションに苦労しましたが、それもこういう仕事の勉強の一つでしょう。

 特集号の序論を書くのも、この作業の一部だったけれど、意外と時間はほとんど割かれず。「他の部分」にたくさん時間を割いた作業でした。誘ってくれた同僚が居てくれたおかげで、色々相談したり、作戦を立てて対応したり、勉強になる経験でした。3年近くかかり、正直もう少し早めに決着をつけたかったプロジェクトでした。「終わらない」、または頓挫してしまうプロジェクトも、もちろんあるので、不可抗力が多い中で、コントロール出来ないのはしょうがないのかもしれません。時間はかかっても「完了」したことは嬉しいし、もう少し「忍耐を持つ」という教訓だったのかもしれません。
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バレエを鑑賞 [2022年ドイツ]

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(バレエを見た劇場)
 前回、オペラを見に行って、かなり良かったので、今回はバレエ、を見てきました。オペラ劇場ではなく、普通の(ミュージカルとかをやるような)劇場での上演でしたが、見に行って良かったです。

 今回見に行ったのは定番中の定番、三大バレエの一つ、「白鳥の湖」です。あまりにも定番過ぎて、バレエを見に行ったこともないのに、いくつかのシーンで「見覚えがある」と思ってしまうほど。もちろんセリフは無く、踊りというかバレエと音楽だけ。クラシック音楽と言えばの、「第二幕 情景」の曲で、バレエダンサーが登場した時は鳥肌が立ちました。

 柔軟性が無いと出来ないダンス/芸術、であることは重々周知だったけれど、ダンサー見るとほとんど無駄な筋肉が無いということがよく分かります。ステージ上だけ重力が無いのでは、または天井からロープが吊されているのか、と思うほど、文字通り「フワッ」と高く飛んだり、持ち上げたりするのは、本当に見事でした。

 また、バレエほど、ダンサーの「格」や序列が如実に分かる舞台芸術は無いかもしれない、と思いました。例えば普通の舞台だと、主役をやる人はもちろんある程度実力がある人。ただ、脇役の役者も癖のある人が居たり、演技力が無いと出来ない役があったりして、主役=ナンバーワンではない気がします。ただ、バレエは、プリンシパル(フランス語だとエトワール)、ソリスト等と分かれていて、今作品でも主役=トップということが如実に分かりました。華があるというか、登場しただけで、「あっ、この人がトップなんだ」ということが把握出来ます。

 衣装が違うのはもちろんのこと、一人で踊る場面が圧倒的に多かったです。実力あっての、プリンシパル、「白鳥の湖」のクライマックスの一つ、フエッテ(回転)をやったときは自然に拍手が出ていました。そして、プリンシパルだけでなく、ソリストとその他のダンサーにも序列があるようで、ソリストは脇役ではあるけれども、明らかに他のダンサーより、多くの踊る場面をもらっていました。2時間近くの公演、練習をたくさん積んでいるのは当たり前だけれど、どちらの足から出すのかとか、回転する方向とか間違えないのかな、と鈍くさい私は少し思ってしまいました。

 と、初めてのバレエ、舞台に釘付けであっという間に終わりました。公演後、「ダンサーのあそこがすごかった」と色々話す私を見て、一緒に鑑賞した友人は「そこまでAmyが感動すると思ってなかった」と驚いていました。
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新しい事に挑戦 その3 [2022年ドイツ]

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 もちろん、特集号の序論を書くのも仕事だけれど、大きな仕事はスケジュール管理と、ジャーナルと論文の著者の間に入ってのコミュニケーションでした。通常、ジャーナルへ論文を投稿する際、原稿を書いて、それを他の研究者に査読してもらい、修正して、掲載するかどうか決まるという流れになります。私と同僚の仕事は、その原稿をチェックして、査読コメントを読んで、アドバイスをして、ジャーナルの人とやりとりをして、とにかく、特集号の原稿を「まとめる」ことが仕事でした。

 査読とは、外部の専門研究者がその原稿を読んで、内容をチェック、ジャーナルに掲載するかどうかの判断材料を、コメントとして提示する作業です。実際掲載するかどうかは、ジャーナルの編集チーム/編集者にゆだねられているのですが、この査読コメントが大きな鍵になります。私達が選んだジャーナルは、「論文著者、査読者、お互い誰か知らない状態」で査読を行うダブル・ブラインド、という方法。このおかげで(せいで)、客観的に、特に(意味もなく)厳しいコメントがあるのもこの査読方法。全く問題なく、査読を一発で通すのはほぼほぼ不可能と言われています(教授レベルでも)。完璧な原稿はない、ということなのでしょう。もちろん、査読を通過出来ない「Reject(掲載拒否)」もあります。査読で大体来る評価は、major revision(大幅修正)、minor revision(わずかな修正)の判断が下されて、原稿を修正ということになります。理系分野だと、major revisionの場合、追加実験を要求されたりするようですが、私の分野では、(もちろんデータの量や質にもよるけれど)、分析枠組みをもっと強くしろ、とか、文献関連のことを言われることが多い気がします。ただ、大幅修正には変わりないので、ほぼ原稿書き直し、みたいな状態に(少なくとも私は)なります。原稿を修正していく中で、査読者のコメントにどう対応していくか、というのが、最終的に「受理」にこぎ着けるコツ。もちろん、査読者のコメントに反対/反論することは可能。コメントに同意、反対、というより、一つ一つのコメントに対応する、というのが重要(と私は教えてもらった)のようです。
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新しい事に挑戦 その2 [2022年ドイツ]

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 じゃあ、給料をもらって、何をしているのか。簡単に言うと「世の中のまだ知られない/理解出来ていない事に関する現象のデータを取って、それを分析して、『知識』として説明する」のが大きな仕事でしょうか。これをしたから、こうなった、という因果関係の説明、が一番分かりやすい例でしょうか。実験でのデータ、ではなく、私はインタビューでデータを取る、という方法を使っています。ざっくり言うと、そのデータを分析して、論文/口頭発表する、というのが大きな流れです。ただ、完全な自営業ではないので、この研究に直結することだけをやっていれば良いわけではありません。そこまで色々やっているわけではないけれど、勉強会に参加したり、他の論文の査読をやったり、「その他のこと」をやるのも、仕事の内です。

 色々頼まれたり、声をかけてもらったりした時に、私の判断基準は直感的にやりたいか、やりたくないか、だけではありません。もちろん、自分が興味あるかどうかは重要な基準ではあります。が、それ以外に、その経験を通して自分が学べることがあるかどうか、は結構重要視しています。たとえ、成果と自分の費やす労力があまり一致していなくても、経験を通じて新しい事が学べると思ったら、やってみることにしています。それが、「新しい事に挑戦 その1」で書いた、「挑戦していた」ことでした。この挑戦とは、ジャーナルの特集号の総括を同僚とやってみたのでした。ジャーナルの特集号とは、テーマを総括する人が決めて、そのテーマに沿った論文を書く人を募り、その特集号にまとめる、というものです。自分が論文を書いた経験はあるけれど、「総括」ということはやったことがなかったので、声をかけてもらった時に、(作業量は多いけれど)やろう、と思ったのでした。特集号の序論(イントロ)を書くのが大きな仕事だと最初は思っていたのですが、それは間違いだということに気づかされるのでした。
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新しい事に挑戦 その1 [2022年ドイツ]

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 3年がかりで挑戦していたことが、一段落したので、それについて今回少し記事にしたいと思います。3年間ずっとそれに向き合っていたわけではないけれど、挑戦し始めてから一段落まで(コロナもあって)、3年かかりました。

 そのために、まず自分の仕事について、書いていこうと思います。自分の仕事は何か、と聞かれると説明に困るのですが、時と場合と人によって、説明は変わります。(ドイツの書類上は)「公務員」、「教育関係」か「研究職」と書いています。私の場合、正式な仕事のポジション名は「Wissenschaftliche Mitarbeiterin(直訳すると「学術的従業員」)となります。ドイツの大学では、博士課程の学生のほとんどが指導教官の下で「雇用」されたり、奨学金をもらえるので、学生とはちょっと異なり、一応「仕事」とカウントされることが多いです。その博士課程とポスドク(博士号を取った人)をまとめて、このポジションとなります。

 このポジション、給料のもらい方は、私の知る限り、大きく分けて3つあります。その給料のもらい方によって、仕事内容が若干異なる気がします。1つ目が、多分、ドイツの大学で定番、教授率いる研究室で雇ってもらう方法。私は博士号を取って最初の2年ぐらい、この方法で働いていました。私の研究分野で「実験」はしないので、実験室があるわけではないけれど、研究室(日本で言う、「ゼミ」が近い表現かな)があるので、学士、修士の学生の卒論/修論を見たり、授業を受け持ったり、その他諸々雑用があります。私の契約書だと、就労時間の40%が授業、40%が(自身の)研究、20%が雑務、だった気がします。もちろん、一応これが「理想系」なので、実際、授業の準備や雑務に時間が取られることが多いというのが現実です。この雑務も、本当に研究室のトップ(=教授)の裁量に寄る、という感じです。別の研究室で働く私の友人は、雑務が本当に多くて、ちょっと大変そうでした。

 2つ目が、研究費を外から(第三機関)取ってくる方法。日本で言う、文部科学省の科研費、みたいな方法です。私は今この方法で、働いています。給料は、大学から出ているけれど、上司が居るわけではないので、自分の好きな様に働けます。一応グループのプロジェクトだけれど、メンバーがすごく働きやすい人達だし、それぞれのプロジェクトをやっている時間の方が長いので、裁量権はかなり大きくなりました。勤務大学は変わっていないけれど、研究室で働いているわけではなくなったので契約内容が若干変更になりました。就労時間100%研究、という内容に変わりました。

 3つ目は、私の研究分野ではあまり聞かない方法で、理系の分野で多いのが、企業から研究資金をもらって研究するという方法。日本語だと、産学連携研究、という表現になるでしょうか。2つ目と似ているけれど、「企業が知りたいこと・開発したいこと」をやる、というのが大きな違いでしょうか。ドイツが強いとされている、自動車産業やIT関連はこの方法で(潤沢な)研究資金を取ってくるというのが多い、と聞きます。
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ついに手を伸ばしてしまいました [2022年ドイツ]

 毎日パン、でも私は結構大丈夫なのですが、自炊となると、慣れている料理が日本で作ったことのあるもの、となります。となると、自ずと白米に合う食事となります。そこでドイツ来た当初から使っていたのがMilchreis(ミルクライス)という、ドイツではデザートに使われるお米です。牛乳で炊いて、砂糖やジャムをかけて食べるようです。私は白米がデザートになる感覚が無いので、主食として使っています。学生の頃はあまりお金が無くて、500g(50セント)の、このMilchreisをご飯として食べていました。タイ米だとこちらでも食事の付け合わせとして食べるので、1袋1kgで売っています。が、Milchreisはデザートの位置づけなので、1袋500g販売が基本です。

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 Milchreis、炊きたては、日本のご飯のように、「べたべた」(タイ米のようにサラサラしていない)しています。が、日にちが経つと、パサパサになってくるのも事実。私は週末に作り置きをして、平日はほとんど料理しないスタイル。なので、ご飯も金曜日ぐらいになると、かなりパサパサになってしまいます。また、Milchreisも年々値上がりしてきて、今では500g、1ユーロ近くになりました。そこで別の美味しいお米を探そう、と思い立ちました。ドイツに住む日本人のブログを読んだり、知り合いに聞いてみると、イタリア産こしひかりの「ゆめにしき」が手頃に買えるということを知りました。

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 天気が良い日、サイクリングがてらアジアスーパーが並ぶエリアに行ってみると、ちょうど一店がセールをやっていて、ゆめにしき5kgが20ユーロ(2022年11月レートで大体2900円ぐらい)で売っていました。迷うことなく購入し、早速圧力鍋で炊いていました。「日本のご飯!」という感じで美味しかったです。ただ、圧力鍋で炊くとこびりついてしまったので、今後もう少し調整を重ねて、調理後鍋を洗いやすくしたいです。今回はちょっと長めに炊きすぎたのが原因のような気がします。そして、数日経っても、パサパサにならず美味しいままでした。ちなみに、欧州産、となっているけれど、イタリア産。さすが、リゾットの国、でしょうか。
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新手の詐欺? 後半 [2022年ドイツ]

 月曜日、電話をかける時になって、不安になったのは、どうやってこのオリーブオイル会社に説明するか。注文していない、と私がいくら言っても、請求先は私の名前なので、私が電話をかけても販売先からしたら「あなたが請求書の宛先ですけど?」となってしまいます。メールで、注文書が来ていない、つまり、「無い」ことを証明するのも難しいし。このオリーブオイルの会社が対応してくれなかったら、どこに電話すればよいのか。「犯罪」が起こったのは、ドイツだけれど、犯人がイタリアに居たら、どうなんだろう?と、犯罪ドラマの見過ぎか色々想像してしまいました。

 営業時間になったらすぐに電話して説明してみると、案の定、「商品が届いたんですよね?あなたは請求書受け取り人本人ですよね?何か問題でも?」と言われてしまいました。ただ、その後すぐに、「でも注文者はRさんですよ」と言われました。このRさん、同じアパートの住人で、私のお向かいさん。「あっ、それなら知っている人です」と答え、そのまますぐ電話は切りました。とりあえず、知り合いが注文したと知ってちょっと安心。お互い長期でアパートを空ける際、郵便の管理をする仲です。多分Rさん、休暇に出るかなにかで、荷物を受け取ってもらえるように、送り先を私の名前にして、私に言い忘れたのかもしれません。ただ、私の名前で請求書が来ているので、「ネズミ講とかだったらいやだなあ」ともちょっと思いました。

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(もらったオリーブオイル)
 Rさんに会って、私宛に荷物と送ったかどうか聞いて、状況を説明してみました。「本当にごめん!言うべきなのに忘れてごめん!」と、お詫びにそのオリーブオイル500mlもらいました。Rさん、このオリーブオイルの定期便会員で、「新規」会員を紹介すると、割引なので、それで私を「新規」会員として紹介したのだけれど、言うのを忘れていた、というのが結末でした。フライパンにしく油として使うやつではなく、サラダにかけたりする、良質なオリーブオイルでした。使ってみるとやはり美味しかったです。私は図らずもこの会社の名前を知ることになったので、このオリーブ会社にとっては、無事に良い宣伝となったのでした。
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新手の詐欺? 前半 [2022年ドイツ]

 友達の家へ出かける前、バタバタしていた土曜日11時頃、チャイムが鳴りました。「荷物なので、(玄関に)置いてきます」と配達の人から言われました。荷物を注文した覚えはないけれど、と思いながら、下へ行くと、聞いたことの無いイタリアの会社名入りの段ボールの荷物。差出人も書いておらず(のちに分かったのはこのイタリアの会社)、若干不思議な荷物でした。が、すぐに、「あっ、数日前に購読を再開した新聞からのお礼かな?」と思い、自分のアパート宅へ運びました。前回、同じ新聞を購読した際、「お礼」としてワインが届いたので、似たような謝礼だと思ったのでした。その時は、ワイン1本だったけれど、今回はちょっと箱が重ため。

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(謎の荷物)
 中を開けてみると、なぜか振り込み納付書が。なんとなく、嫌な予感がして、箱の中に入っている手紙を開けてみると、請求書が。しかも私の名前!オリーブオイル3Lの荷物でした。そもそもこのイタリアの会社(オリーブオイル販売会社)を知らないし、オンライン注文をする際、私は全てクレジットカード払い(たまにオンライン振り込み)。納付書がそもそも来ることが珍しいのでした。この会社を調べてみると、不審な感じはなく、ヨーロッパ各国に展開している、普通のオリーブオイル会社でした。この会社による詐欺の可能性は低くなりました。寝ぼけていた記憶はないけれど、よく分からないところをクリックして注文したのかな、と自分のメールボックスを見てみるけれど、「注文確認」のメールも見つからず。一番怖い、クレジットカードと銀行口座を見ても、不審な使用履歴無し。もう一度請求書を見てみても、(オンライン注文の場合)携帯電話番号やメールアドレスが記載されていません。ここから分かることは、注文した誰かは私の名前(ただフルネーム)と住所しか分からない、ということ。

 納付書を送りつける新手の詐欺か、と思ったけれど、注文した商品が届いているのは私の家。建物に入り、私の部屋を見つけ出し、忍び込むしか商品を手に入れる方法がありません。こんな手の込んだことをする可能性は低いので、注文した商品に対して何か目的があるわけではないよう。じゃあ、何が目的なんでしょうか。この時11時半、土曜日のカスタマーセンター営業時間は12時まで、とりあえず、このイタリアのオリーブオイル会社に電話してみました。何となく予想出来た事ではあったけれど、「営業時間外なので対応出来ません」との自動音声が。もちろん、ドイツとイタリアに30分の時差はありません。早くコールセンター閉めちゃった、ということでしょう。もちろん、日曜日は営業してません。クレジットカードに不正な動きはないので、とりあえず月曜日まで待機することにしました。
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ドイツでオペラ鑑賞 後半 [2022年ドイツ]

 何を見ようか、迷ったのですが、知っていて好きな作曲家ということで、モーツァルトの「ドン・ジョバニ」を見に行きました。モーツァルトは、オーストリアの作曲家だけれど、オペラはイタリア語なんだなあという発見もありました。当時から、オペラ=イタリア、なので、作曲家の出身問わず、上演はイタリア語ということが多かったようです。

 上演時間は会場で知ることになるのですが、なんと3時間半!映画だと「ロード・オブ・ザ・リング」並みの長さですが、集中力が持つかなあとちょっと心配になってしまいました。18時開演、休憩込みで22時45分まで。鑑賞後に気づいたのですが、この上演時間はそこまで「長い」ものではないよう。もちろんこれより短い物もあるけれど、長いことで有名なワグナーの作品だと4時間超え(休憩なし)というものもあるらしいです。

 2階席だったのですが、ステージとオーケストラ両方がよく見えました。オーケストラというと、黒のスーツを着てるというイメージしかありませでした。が、今回のオーケストラは、「とりあえず服の色は黒」というルールだけのようで、結構カジュアルな服装の人が多かったです(ステージのすぐ下で演奏しているので、そこまで目立たない)。逆に、演者の衣装は派手。それぞれの登場人物が見分けられるように、衣装の特徴もハッキリと分かれていました。締め付けがキツそうなドレスを履きながら歌う、のはさすがオペラ歌手だな、とも思いました。

 今回良かったのは、舞台装置と役者陣の幅広さ。思っていたより狭いステージだったのですが、奥行きはある程度ある舞台。奥行きを上手く使って、現在と過去の「イメージ」を表現していました。漫画で言う、考え事の「吹き出し」が舞台でもしっかり表現されていて、上手いなあと思ってしまいました。

 この日の上演プログラムを見る限り、特別な演目というわけではなく、3ヶ月に渡る公演の一日、という感じでした。そんな「平常上演」でも、メインの登場人物7人の内、2人がアジア人でした。どうしても「オペラ=ヨーロッパ」のイメージが強いのですが、色々なバックグラウンドの人が出ていました。

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(開演前。ステージ一番上枠の白い部分に字幕が投影される)
 ドイツの劇場でイタリア語のオペラ、ということで、ドイツ語字幕付きでした。どこに字幕を表示させるのだろう、と気になっていましたが、この会場では、ステージの一番上。この白い部分に字幕が投影されていました。イタリアへ旅行して、「イタリア語が分かればなー」と思うことはあまり無いのですが、オペラを見ている間は「イタリア語が分かれば、韻とか詳しくよく深く理解出来るのになー」と思ってしまいました。今度、自分がある程度理解出来るフランス(語)のオペラがデュッセルドルフで上演される時は絶対行こう、と思ってしまいました。

 「ドン・ファン」の話と聞いていたので、モテる男の話という、軽い内容なのかな、と思っていました。が、この作品の主人公、台風の目ような人で、周りの人も巻き込まれて色々散々な目に遭うという話でした。一応、オペラの作品だから、脚色もあるよね、と私は思っていました。ただ、一緒に見に行った、人生色々経験している知り合い曰く「こういう人、意外と結構な人数、世の中に居る」という感想を述べていました。
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ドイツでオペラ鑑賞 前半 [2022年ドイツ]

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(オペラに全く関係ないけど、百貨店)
 デュッセルドルフに引っ越してきて、一度やってみたかったのが、オペラを見ること。ライン・オペラハウスというオペラの劇場がデュッセルドルフにあるので、一度は行ってみたいと思っていました(前住んでいた街にも、ライン・オペラハウス別館のようなものがあったんだけど)。1956年に出来たドイツの歴史では「割と新しい」オペラハウスです。ちなみにドイツで最も歴史ある歌劇場は1693年に創設されたライプツィヒのもの。日本だと、パッと「新国立劇場」を思いつくのですが、ドイツの歌劇場は、州または市の運営。地方分権、という、ドイツの国の政治の形がよく分かる運営方法です。

 私は、オペラというと、フィギュアスケートの演奏曲でしか聞かないせいか、イタリアやフランスのイメージがかなり強かったです。ただ、ドイツも(クラシック)音楽作曲家が数多く居るので、オペラ大国ということに、ドイツへ来てから再認識させられました。ドイツの、どこの大都市を旅行しても「オペラ劇場」があり、平日でも上演しているので、日常生活にオペラは近いのかなあと感じさせられていました。

 知り合いと一緒に見に行ったのですが、まずチケットを購入して思ったのは、ドイツでオペラを見に行くのに適した服装は何か、ということでした。フランスで何回かオペラを見に行ったことがあったのですが、その時は、正直「思っていたほど」オシャレをしている人は居ませんでした。全員カクテルドレスを着ているのかな、と想像していたのですが、そこまでの人は居なかったという意味で、「思っていたほど」でした。今回ドイツでは、結局、無難に、ヒール、ワンピースにジャケットを着ていきました。

 予想していた通り、会場では色々な服装の人達が居ました。年齢層は高め、カクテルドレスを着ている人達も数人居ましたが、ほとんどはフォーマルに限りなく近いセミフォーマル、という服装でした。ただ、普通にTシャツ、ジーパン、スニーカーの人も居ました。と言うのも、(日本に比べると)オペラの敷居がドイツでは低いようで、値段が良心的な席もあるからです。私達が見に行った回で、最低料金は15€でした。ほとんどステージが見えないような気がしましたが、芸大の学生には優しい料金設定ではないでしょうか。詳しくは分かりませんが、歴史ある芸大がドイツは多いので、そういった学生向けの料金設定があっても不思議ではありません。

 また、驚いたのは、人員の多さ。日本だと人員手薄な場所(コンビニ)と、多すぎる場所(百貨店等の立体駐車場)がありますが、ドイツは比較的人員が足りてない部分が多い気がします。例えば私がよく行く、2スクリーン(100人席と70席)のインディペンデント・シネマだと、店員さん1人(多い時で2人)しか居ません。規模が違うと言われればそれまでだけれど、このオペラ劇場では、受付に数人、クラークに数人、会場案内で数人居たし、一番驚いたのが、劇場の各ドア前に(各フロア3-6つのドア)1人ずつ配置されていたこと。開演時間になると、ドアを一斉に閉め、休憩時間になると一斉にドアを開け、という作業をしていました。若い人が多かったので、芸大の学生なのかな、と勝手に思ってしまいました。このような文化的施設には大きな公的資金が入っているので、様々な部分で潤沢なのかなあと思いました。
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