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友達の結婚式 [フランスでの生活]

 少しさかのぼった話になりますが、パリでの出来事を一つ。

 朝方まで荷造りを続け、2年間弱生活をしたジュネーブを離れ、パリへまず向かいました。日本へ帰国する前に、パリへ寄ったのは友達の結婚式に出席するため。自分も24歳、 日本の同級生は結婚して、子供も居るという人が出てきました。自分もそんな年になったのか、と驚く日が増えてきました。ヨーロッパの友達を見回してみると、結婚というよりは同居しているカップルが多い気がします。一段落するのを待っているのか、そのまま結婚しないまま月日が経ってしまうのか、よく分かりませんが、知り合いで結婚している人はあまり居ません。そして、先日、ついに私の友人が結婚!幸運にも、その結婚式に招待してくれました。結婚式に行くのは多分、14年ぶりぐらい。父の友人の結婚式に行った記憶がありますが、ほとんど覚えていません。

 今回結婚する友人とその相手は、二人ともフランス人ではありません。が、二人の出会いの場所がパリということで、パリで結婚式を挙げることになっていました。フランスには、mariage civil(民事結婚)とmariage religieux(宗教結婚)と2つの結婚式が存在します。前者は、市役所で行われる手続き上のもの、後者は教会などで挙げられるもの。私の友人は前者を選び、パリの区役所で行われました。民事結婚、話は聞いたことがありましたが、どんな風に進められていくのかは全く知りませんでした。

 いざ参加してみると、至って簡単でした。6月という季節もあったのか、この日の午後、その区役所であった民事結婚式は3回。結婚させる(結婚の許可を出す)市長(区長)さんも大忙しです。

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(民事結婚を行う部屋での式)
 区役所内にある、結婚式用の部屋に案内され、式が開始。新婚カップル、両親、証人が一番前に座って、その他は後ろの席にてきとうに座ります。結構リラックスした感じで、市役所の役人も「どうぞ招待客の人は、自由に立って、写真を撮ったりしてください」と言っていました。夫婦としての義務、誓いの指輪交換、証人のサイン、と本当に必要最低限のことが行われ、式自体は15分ほどで終了。ほとんど流れ作業のように、「結婚の儀式」が行われるので拍子抜けしてしまいました。こんな簡単に民事結婚って終わるのだ、とびっくりしてしまいました。もちろん、この段階にたどり着くまで、色々必要書類を用意したり大変だったみたいですが。

 個人的に結婚式を挙げたいとは思いませんが、友達の結婚式に参加してみて、なかなかよい物だなあと思いました。流れ作業のような感じではありましたが、儀式を通して、「正式に」2つの家族が一つになる瞬間のようなものを見ることが出来た気がしました。

 民事結婚式後、レストランの一室を借りて、招待客全員で食事、となりました。招待客自体は20人弱ぐらいだったのですが、この食事会も相当準備が大変そうでした。人数は少なくても、色々な国から来ている人たちが多く、共通語を見つけるのにも苦労しました。私のテーブルには、共通語が無くて、一人が話している間、テーブルの半分はその人が何を言っているのか分からない、という状態で少し大変でした。

 と、とても長い結婚式の一日が終わりました。友人は「結婚式の準備は本当に大変」と言っていました。当日も色々大変だったようですが、こぢんまりとした、良い式だったと思いました。
(こちらは東京で見かけたカップル。写真撮影中でした。会社の前なので、出会った場所、として撮影しているのでしょうか)
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Sketch [フランスでの生活]

「フランスとは何か」という大きなテーマだった劇を見たためか、自分でもこの質問を色々考えてみました。すぐに思い浮かぶのはやはり有名な建築物、食べ物です。有名な物はいつか別の日に紹介するとして、今回はフランス人の好きな「sketch」について書いていきたいと思います。Sketchは日本語のコント、のこと。jeu de mot、ダジャレが多く入っていて、私は結構好きです。アメリカのコントはオチが分かっても笑えないことが多いですが、ダジャレは日本にも存在するため分かりやすいのかなと思います(我が家にもダジャレ好きが何人が居るので、それで鍛えられたせいでしょうか)。

 「エスプリ」という言葉は日本で知られているフランス語の一つ。英語ではwitと訳されるようです。humor(ユーモア)と何が違うのか、と思い辞書を引いてみると、エスプリは「批評精神に富んだ軽妙洒脱で辛辣な言葉を当意即妙に述べる才」のこと。少し分かりづらいですが、humorとの違いは語源にあります。humorの語源は「湿気」。英語でも湿気のことをhumidと言いますが(フランス語ではhumide)、それと同じ語源の言葉です。逆に、espritはラテン語のspiritus、「空気・風の一吹き」が語源。「湿気」が元となっているユーモアに対して、espritは乾いたイメージ。同じお笑いでも、正反対の性格を持ったものだということが分かります。また、蛇足ですが、フランス語でespritは「機知」以外のことを表現する時にも使われます。「性格」とか「気質」という意味でも使われます。

 さて、espritが含まれていると言われるsketch、年齢を問わずフランス人は好きで、テレビでも色々な番組が放送されています。いくつか(個人的に、フランス語の授業で)見たことがありますが、一応ルールが設定されています。このルール、フランス人からすると当たり前のようで気付かない人も多いようです(このルールフランスに限ったものではありませんが)。が、私からするとかなり目立ったルールのように感じます。まず、1つのコントは1分以内。状況設定がタイトルとして表示され、すぐにsketchへ。2〜3のやりとりがあって、すぐにオチ。そしてすぐに全く別のsketchへ移ります。オチが分からない内に、次のsketchへ移ってしまうこともよくあります。次に、撮影は絶対に固定カメラ。やりとりが短いということもあって、全て固定カメラ。登場人物も移動することがなく、たいてい同じ場所に座っています(または立っています)。「なぜカメラが動かないの?」と理由を聞いてみたことがありますが、フランス人の友人は「そんなこと、一度も考えたことない」と言われてしまいました。sketch一つ一つが短いということもあって、カメラを動かす必要がない、というのが大きな理由だと思いますが、他にも理由があるのでしょうか。

 Sketch、個人的には、政治ネタが好きなのですが(日本で唯一好きだったお笑いグループも主に政治ネタを扱っていました)、フランスでは政治ネタ以外のsketchも多く存在します。

 Caméra caféは今でも放送しているのかよく分かりませんが、ヒットだったようで、ヨーロッパ各国のバージョンが登場したようです(フランス語の授業で見ました)。職場のコーヒーマシーンにカメラが設置してあり、従業員の本音が描かれるというsketchです。万国共通、他の部署の噂話、上司に対する愚痴が多くを占めています。スペインでもこのsketchが作られたそうですが、スペインの従業員がどんな話をするのか興味があります。

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 そして休みの期間、再放送をやっていてたまに見るのが「Un gars Une fille」。「女(の子)と男の(子)」というタイトル。The Artistに出ていた俳優さんの出世作で、彼の奥さんと一緒にこのsketchをやっていたようです。フランス人カップルの生活(人生)が描かれています。カップルの生活ですが、特に女性の方は私の考える「フランス人女性」らしく,見ていて笑えます。結構気が強いというのがその理由です。フランス人の友人に言うと、「あのsketchは固定観念すぎる。そこまでひどくはない!」と言われます。

 そして一番レベルが高い(自分にとって)Kaamelot。アーサー王の聖杯伝説に出てくる登場人物が繰り広げるsketch。フランス語だけでなく、聖杯伝説という馴染みのない話が出てくるので、理解に苦しむことが多いです。かなりブラックな意味のジョークが出てきて、笑うのに戸惑うこともあります。一人で見ていると理解出来ないので、滅多に見ませんが。

 と、先日見た芝居に影響され、フランス語のユーモア、sketchについて書いてみました。

Ticket Restauraunt [フランスでの生活]

 インターンシップは1ヶ月少しと短いのですが、無給です。インターンシップは基本無給が多いのですが、ここでも変わりません。給料の代わりにアパートの1室を貸してくれ、また「食費」としてTicket-restaurantをもらっています(1ヶ月200€なので、全てまかなえるわけではありませんが)。このTicket-Restaurauntは日本ではあまり見かけないチケットです。Chèque-restaurant(レストラン小切手)やtitre-restaurantとも呼ばれています。調べてみるまで知らなかったのですが、Ticket-Restaurauntは商品名。私が持っているのは10€×20枚つづり。

 蛇足ですが、小切手と聞くと、金持ちの社長が使うイメージがあります。が、フランスでは頻繁に使われています。私はフランスの郵便局で口座を開いた時、「小切手を使いますか?」と提案され、びっくりしたことがあります。ただ、例外があって、旅行者の小切手、つまりトラベラーズチェックは受け取ってくれません。銀行で換金しなければならず、たいてい手数料を取られます(5%ほど)。だからフランスへ来る時に、トラベラーズチェックはお勧めしません。一定の年齢以上であればクレジットカードを使った方が便利。スーパーでも、カフェでもクレジットカードを使うことが出来ます。中にはクレジットカードでないと支払いを受け付けてくれない映画館があります。個人的には「払った」感じがする現金の方が好きなのですが、フランス(近辺)に住んで2年目に突入すると、クレジットカードを使用する機会が多くなります。支払時は日本、アメリカなどのようなサインではなく、暗証番号。契約時に自分で設定した4桁の暗証番号を入力するのが、サイン代わりです。だからフランス(ドイツ、オランダ、スイスなどでも)へ来る際は、契約時に設定した暗証番号を確認しておくことをお勧めします。

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 さて、この小切手、写真のマークが付いているレストランで使うことが出来、たいていどこの店でも受け取ってくれます。難点としては、お釣りをくれないこと。そのため10€以上の物を頼み、差額を払うという風に私はしています。牛丼屋の株主優待券を使って居た頃を思い出します。この株主優待券は1枚300円、お釣りが来ないので300円以上の物を頼んでその差額を払っていました。味噌汁、サラダ、牛丼の定食で380円と、フランスのレストラン相場と比較すると、かなり安かったのだなあと思います(同じものを食べようと思ったら、最低10€、1200円はする)。

 このチケットを使って、先日は日本食レストランへ行きました。「日本人がやっているから、本物」と言う言葉に誘われ、行ってきました。なるほど、メニューは寿司だけでなく、どんぶりものもあって、少し本格的なようでした。リスキーな選択でしたが、お好み焼きを選びました。

 北海道にずっと住んでいましたが、父が大阪出身。週末は必ずたこ焼きかお好み焼きと決まっていました。東京へ行ってもこの習慣は抜けず、2〜3週間に1度はお好み焼きを作っていました。そのため、お好み焼きが無償に食べたくなっていたのですが。家のお好み焼きが一番おいしいと分かっていながら、この日はお好み焼きを選択。メニューはなぜかお好み焼き+餃子、お好み焼き+ご飯という組み合わせでした。この組み合わせ、自分は受け入れられないので、味噌汁に替えてもらいました(日本人経営のレストランでしたが、そこは柔軟に対応してくれました)。フランス人からすると不思議なようでしたが、「お好み焼き+餃子は、ピザ+パスタのようなもの。お好み焼き+ご飯はピザ+パンのようなもの。フランス人だって、それほど炭水化物を食べないでしょ?」と説明すると納得していました。

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 味はしっかりとお好み焼きの味がしました。が、値段は少し高めのような気がしました。サイズが小さい!家は3人(または4人)で1枚を食べていたので、1枚がかなり大きかったです。が、それにしてもこのお好み焼きは少し小さすぎるような気がしました(値段からしても)。このお皿も少し変な気がしました。黒のお皿はフランス人からすると「エキゾチック」なようで、周りに居たフランス人は「きれい」と言っていました。が、私からするとフランス料理のように白い皿を使った方が良いと思います。なぜならその方が、よくソースも見えるからです。そして、定番、鰹節が「踊っている」のにフランス人も大喜びしていました。そういえば、私も小さい頃、鰹節が「踊っている」のが不思議で息をフーッと吹きかけて、テーブル中に鰹節をまき散らしてしまったことがあります。

 と、いうわけでジュネーブに戻ったらお好み焼きを作ってみようと思います。我が家ではチーズとお餅を入れます。餅の代わりに何を入れようか、検討中です。

悪天候 [フランスでの生活]

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 南フランス、1年の内雨が降るのは60日ほど、1月の平均気温は10℃と聞いていました。が、寒波がフランスへ到来。南フランスも例外ではないようです。

 先週はインターンシップをしている部屋で暖房はつけておらず。それでもT-シャツで仕事をしている人が何人か居ました。が、今週は既に2回雪、雨が降りました。

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 パリでは−10℃を今日(1月17日)記録。私がAix近辺でも−3℃とかなり寒くなってきています。日本でも大雪のようですが、フランスでも寒い冬がやってきています。写真はインターンシップをやっている窓からとった風景。

自分の住んでいるアパート [フランスでの生活]

 ジュネーブへの滞在許可証申請の模様はこのまま続けていくとして、自分が今居る場所を少し紹介したいと思います。Aix-en-Provenceでインターンシップを行うということを先月書きましたが、そのインターンシップ、「給料」代わりに住居を提供してもらっています。仕事の内容はもう少し落ち着いてから書くとして、とりあえず住んでいる所を写真で紹介していきたいと思います。

 フランスで学生の住居、というといくつかイメージする場所があります。学生寮(Cité Universitaire)、studioです。このstudio、日本語に訳すのは少し難しいのですが、私の辞書では「一室住居」とか「(居間・食堂・寝室兼用の)リビングルーム」となっています。一番分かりやすいのは後者だと思います。風呂場のみが別室になっていて、それ以外は全て一部屋にあります。妹が住んでいる学生アパートを思い出します。

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 これがキッチン。右側一番手前にある白い部分が冷蔵庫、その上がIHとなっています。このIH、到着した夜はなぜか使えず。使おうとすると、全てのブレーカーが落ちてしまいます。修理の人もまだバカンス中ということで、インターンシップ受け入れ先の人に一度来て見てもらいましたが、理由は不明。2つあるIHの内1つは使ってもブレーカーが落ちないと分かったので、その1つで料理しています。その代わりに電子レンジを付けてくれました。私が入居する前にもこのstudioに住んでいたようで、色々な食料を残していってくれました(パスタ、ライス、ひよこ豆)。

 ソファ兼ベッドもあります。が、私はこのベッドで寝ると落ちそうなので単なるソファ兼物置になっています。このstudio便利なことは便利なのですが、なぜか机やテーブルというものがない!

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 私が寝ているベッドはこちら。引き出し式のベッドです。スペースも取らないし便利なソファだと思っています。

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 ソファのクッションを取ると、ベッドを引き出すことが出来ます。コンピュータが載っている部分のクッションを取り外すと折りたたまれたベッドが中に入っています。

 今のところstudioでインターネットは使えず。仕方なく近くのスペイン風café/barへ行ってインターネットに接続しています。家族とスカイプをしたのもこの場所でした。自分の予想は見事に外れ、日曜日にもかかわらず車通りの多かったです。

フランスでの生活に欠かせなかったもの その5 [フランスでの生活]

 日本に居る時から、あまりテレビは見ない生活をしていました。好きな番組がいくつかあり、それは録画して、コマーシャルを飛ばしながら見ていました。そんな習慣もあって、部屋にテレビを置こうか(テレビが2台あるため)、とホストファミリーに提案されたときは断っていました。

 それでも例外があり、いくつかの番組は好きでよく見ていました。その番組をいくつか紹介していきたいと思います。一番好きで、毎晩見ていたのが、Grand JournalとPetit Journalです。両番組、Canal+という有料チャンネルなのですが、ニュース番組に限っては加入者でなくても見ることが出来ます。Grand Journalは1時間のニュース番組なので、全てを見ることはしていませんでした。

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 そしてこの番組のコーナーに、(以前も紹介したことがある)Les Guignolsというものがあります。風刺の人形劇で、登場人物は実在の人で、アナウンサーも実在のアナウンサー。本物より、この人形の方が人気だと思います。どんな大物(経済界、政界)でもたたかれ、自社の社長までもその対象になっています。ただ、お気に入りはサルコジ元大統領のようです。今では全く表舞台に出てこない彼でも、この人形劇にはよく登場しています。この人形劇、今フランスでどんな事が話題になっているのか知らないと、笑えないネタも多くあります。同時に、新聞以上に出来事の本心をついていたりして、理解が深まることもあります。若きも老いも、学生も社会人もこの番組をよく見ていて、国民的番組になっています。日本のある番組では、「フランス人のエスプリが全面に出ている番組」と紹介されていました。

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 この人形劇の後に始まるのが、Petit Journal。(イケメン)記者兼アナウンサー兼プロデューサーが政治を皮肉るという番組です。揚げ足を取っている印象がないというわけではないのですが、結構笑えます。そのため、何人かの政治家からは相当嫌われていて(右、左、問わず)、取材を断られるということもよくあります。この番組の取材を受ける人も、この番組での発言にはかなり注意しているという印象を受けます。また、他のテレビ局では招かれざる客となっているコメディアンも出演することがあり、色々と「大人の事情」がある番組でありました。でも、突っ込んだ質問もかなりするので、個人的には気に入っていました。そして他のフランス人同様、プロデューサーが2ヶ月近い夏休みをとっているため、今は番組が休止中。また9月から開始するようです。

フランスでの生活に欠かせなかったもの その4 [フランスでの生活]

 フランスはたいてい、どこのカフェへ、空港へ行ってもwifiが無料で使用できます。コーヒー一杯でカフェに粘る学生もよく見かけます。ヨーロッパどこでもそうかと言うと、そうとも限りません。今のところフランスが一番wifiにおいて、環境が整っていると思います。

 日本に居た頃は、wifi(無線LAN)のついたコンピュータを持っておらず、あまり関心を示したことがありませんでした。しかしフランスに到着し、wifiがついていないコンピュータを持っている事自体珍しく、ケーブルを探すのさえ苦労しました。幸運にも友人がネットワーク関係の仕事をしていたので、新しいコンピュータを買うまで、そのケーブルを使ってインターネットに繋げていました。留学先の大学でも、学校にあるコンピュータ台数は限られていて、自分のコンピュータを持参。そこでインターネットを繋げていました(自分の学生番号とパスワードで)。

 そんな便利な世界が「当たり前」で日本に帰ってきてびっくり、どこでもインターネットを繋げられるわけではないことに気付きました。wifiがあっても、携帯の会社がそれを担っているようで、色々と難しそうでした。wifiにおいて、フランスはかなり進んでいるということがよく分かりました。
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(モンマルトルから見たパリの景色)

フランスでの生活に欠かせなかったもの その3 [フランスでの生活]

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(通っていた病院です)
 病気や怪我をしないように普段から気をつけていても、フランスでは学期の最初から色々お世話になりました。陸上の授業をとるため、健康診断証明書(健康である、という医師のサイン)が必要なため、病院に何度か通いました。基本、予約が必要な病院、予約をしないと永遠と待たされます。予約をしても、数週間待たされます。結局、開院30分前に病院へ行き、並ぶ、ということをしていました。急患でもない限り、待たされるので、ちょっと風邪をひいたというだけではフランス人は病院へ行きません。

 そして、クレジットカードが主流のフランスであっても、この病院だけは別でした。小切手か現金しか受け付けてくれません。診断料だけでも結構するので、いつも病院前のATMで現金を下ろしてから、この病院へ行っていました。

 健康診断証明書を発行してもらったりするのにも、診断料というのがとられます。その一部を負担してくれるのが、フランスの学生医療保険。この医療保険会社にも、結構手こずりました。まず、登録するのに、自分の担当医というのを決めなくてはいけません。その担当医を決めるのにも、病院に並び、自分の状況を説明して、やっとのことで決まりました。優しそうな女医さんに決まり、ホッと一安心。

 が、1ヶ月経っても、この診断料の一部払い戻しが行われません。学生保険の事務所に電話しても、「20分後に、あなたの番です」というメッセージが流れるだけ。担当者と直接話をしなくては、と事務所へ向かうことにしました。この学生医療保険、パリの様々な場所に事務所があります。各学生のファイルはコンピュータで管理されているので、どの場所へ行っても一応対応してくれるようです。そして、家から一番近い事務所へ向かうことにしました。10時から開いているようなので、その時間に事務所へ向かいました。しかし既に長蛇の列。その日に限って、番号札を発行する機械が壊れ、かなり混乱していました。既に2時間近く(つまり事務所が開く前から)待っている人も居ました。事務所の人が出てきて、「今日は全ての機械の調子が悪いです。10時に到着した人は、今日手続き出来るかどうか難しいです」と言われてしまいました。家から近いため、また後日行こう、とその日は諦めて帰宅しました。

 数日後、午後に授業がない日を選んで、午後1番で向かいました。事務所の午後営業時間10分前に着いても、人がほとんど居ません。一体何が起こったのか、と思い、張り紙を見てみると「ストのため、今日の営業無し」と書かれていました。大規模なストではないようで、私は全く知りませんでした。この日も諦めて、帰宅。

 3度目の正直、事務所が開く1時間前に到着。私の前には2人の学生のみ。10時になると同時に、手続きをやってくれました。「まだ診断料の一部返金がされていないのだけれど。必要書類は既に送ってあるが、手続きは進んでいるか?」と聞いてみました。すると、「あなたの書類は受理されています。しかし、この手続きは時間がかかるため、書類が送付されてから、返金に2ヶ月かかります」との返事。1時間待って、この答えか、と少しがっかりしてしまいました。それでも、自分の書類がしっかり送付されていることが分かって一安心。実際2ヶ月後に、自分の口座を確認してみると、しっかり返金されていました。

フランスでの生活に欠かせなかったもの その2 [フランスでの生活]

 前回、(6月)書いた時からかなり間隔が開いてしまったのですが、自分の学生生活を助けてくれたもの、場所を色々書いていきたいと思います。今回はRestoUについて。大学から徒歩7分ほどのところに、RestoUという学生食堂のようなところがあります。誰でも利用することが出来、お金のない留学生や労働者達が多く来ています。ここは3.05€で前菜、メイン、デザート(フルーツ)を食べることができます。まず、普通のレストランでは食べる事ができない安さです。

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 夜も開いているのですが、私はよく昼食時に利用していました。朝はパン、昼はサンドイッチ、夜はスープという、あまり体に良くない生活をしていたため、食生活を改めようと、この食堂を利用することにしました。午後に授業がない日、この食堂で昼を食べていました。

 この食堂はポイント制。3.05€払うと6ポイントもらえます。サラダは1ポイント、メインが4ポイント、と食品ごとにポイントが決められています。私の通常の組み合わせはサラダに1ポイント、メイン4ポイント、果物かヨーグルトで1ポイント。そしてパン1つが無料でついてきます。

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 この日のメインはクスクスというアフリカの料理。アフリカからの移民が多いフランスではアフリカの料理も多く食されています。このクスクスは大人数で食べるときによく出される料理です。羊の肉とズッキーニが入っていました。これで結構お腹いっぱいになるので、3.05€はかなり学生に優しい値段だと思います。蛇足ですが、リンゴはせこく自宅から持って来たものです。

フランスでJO観戦 [フランスでの生活]

 JO、Junior Olympicの略ではありません。Jeux Olympiques(オリンピック)の略で、JOはジーオーと読みます。日本でも寝不足になりながら盛り上がっているようですが、こちらは1時間の時差のみ。各チャンネル交代で色々な競技を放映しています(日本のように各局がスタジオをロンドンに設置するわけではなく、「フランス」スタジオを交代で使っています)。それほど熱心に観戦しているわけではないのですが、見ていると日本と色々違うところがあって面白いです。そんな違いを今回は少し書いていきたいと思います。

 まず、放映する競技というのが基本的に日本と異なります。フランスが出場しているバスケット、ハンドボール、サッカー、バレーなどがあり、自国がプレーしている試合でも全部を中継するということはほとんどありません。スポーツチャンネルなど特別なチャンネルでは色々放映しているのでしょうが、民放ではほとんどなし。自国が調子づいてくると、しばらく中継する、という感じです。サッカー女子の準決勝、フランス対日本の中継を楽しみにしていたのですが、民放での試合中継はなし。ゴールシーンだけ夜のニュースで放映される、という感じでした。日本でも同じですが、自国の選手が多く出場していたり、強い競技を多く放送しています。日本のテレビでは見かけないような競技が中継されたりしていて、「こんな競技がオリンピックにもあったのか」と新しい発見があります。特に水上競技、ボートや様々な自転車競技(競輪、バイク)。カヌー競技に出場したフランス人、4度オリンピック出場3度目の金メダル獲得というわけで大きく取り上げられていました。またツール・ド・フランスを開催する国だけあって、色々な自転車競技も中継しています。

 更に、フランスでは競技解説員の男女比を同じにしようとしている感じを受けました。もちろん、男性が多いのですが、どの競技にも最低1人は女性が居て解説をしています。例えば体操。私は男子の個人総合決勝を見たのですが、解説員は女性と男性でした。女性の方が、競技解説員という感じで、色々喋っていました(蛇足ですが、日本の体操事情も把握していて、説明していました)。少し違和感を感じたのですが、最後までそのモヤモヤは解けず。他の競技を見ていて、日本では見られない「男子競技に女性解説員」という組み合わせだからか、と納得しました。

 後、様々な会場に派遣されてインタビューを行うNelson Monfortというスポーツアナウンサーがいます。どの競技を見ても、彼が常にインタビューを行っています。彼が選ばれた理由の一つが、英語を自由自在に操るからだと思います。競泳100m男子自由形決勝で、フランスの若きエースが泳ぎ、4位という残念な結果で終わってしまいました。そんな彼をインタビューしていると、後ろを優勝したアメリカ人選手が通りました。すると、アナウンサーはその選手の腕を捕まえて、いきなり英語でインタビュー。その後すぐに自分が言ったことをフランス語に訳していきます。「この若い選手をどう思いましたか?」と聞き、その答えをまたフランス語に訳していきます。見たことも無い早業でインタビューと同時通訳をやるので、びっくり。いきなり腕を捕まれた選手も勢いに押され、答えているという感じでした。
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