SSブログ

君たちはどう生きるか (2023) [映画’21-]

2572.jpg
 日本で公開されていてから、見てみたかった作品でした。今月からドイツでも公開したので、見に行ってきました。一つの映画作品として、嫌いではないし悪くないのだけれど、「ジブリ/宮﨑アニメ」の作品一つと考えると、以前の作品でもっと良い物があったかな、というのが正直な感想でしょうか。思っていた以上に、色々なテーマが詰め込まれ過ぎていたいた気がします。前半は、割とリアリティのある、穏やかな映像が多く、でも不思議な違和感があって、村上春樹の「図書館奇譚」絵本をなぜか思い出していました。話が進む内にその違和感が分かってきましたが。

 ただ、クライマックス辺り(1時間半過ぎた辺り)で、「この映画のメインテーマがここまであんまり理解出来てないんだけれど」と焦っていた私です。最後の5分で、「これがテーマ、なのかな」と何となく自分で納得は出来たので、一安心してしまいました。「千と千尋の神隠し」然り、「風の谷のナウシカ」然り、一つのシンプルな、でも子どもから大人までしっかり考えさせる、テーマが作品を通して存在するのが宮﨑アニメ魅力だったけれど、今作はカバーしているテーマがとにかく多すぎて混乱する気がしました。日本では宣伝効果も兼ねて、予告編が全く流れない方法を取っていた様ですが、見終えた今、この映画の予告編を作るのは結構難しいだろうなあ、と思いました。ストーリーをある程度なぞった予告編は作れるかもしれないけれど、それ以上の作品だった気もするし。ちなみにヨーロッパ版、の予告編は、「冒険物」の様なまとめ方をしていましたが、それはそれで若干薄っぺらい気もしました。

 ドイツ語タイトルは「ある男の子とあるアオサギ」となっていて(英仏語も同じ訳)、混乱はするタイトルの訳ではあるかなあと感じました。原題だとなんとなく、「哲学的な感じの作品かな」ということがある程度予測出来るのですが、外国語訳だと、子ども向け童話タイトルっぽい感じがします。他のジブリ作品よりは、大人向けなので、ちょっとニュアンスが伝わりづらい気もします。とある映画批評で「大人と子どもも楽しめるものが多い宮﨑作品だけれど、今回はかなり大人向け」ということが言われていました。自分がジブリをよく見ていた頃(幼稚園、小学校低学年ぐらい)にこの作品を見たらどういう印象を持ったのかなあ、というのはちょっと気になります。

(上の文章を数週間前に書いて2024年1月26日)加筆
 映画を見に行った数週間後、ハリウッドのアカデミー賞候補作品が発表されて、「君たちはどう生きるか」がノミネートされていました。ノミネート作品はほとんど私が未鑑賞のものばかり。ただ、今年は、ドイツ人女優が主演女優賞、ドイツ人監督(役所広司主演)の作品「パーフェクトデイズ」がノミネートされているので、ドイツでも結構話題になっています。前者は、個人的に先月見て良かった「落下の解剖学」からのノミネートなので、個人的には取って欲しいなあと思います。この作品は、脚本、作品、監督賞にノミネートされているけれど、ハリウッドの反応はどうかな。
nice!(0)  コメント(2) 

新しい習慣 後半 [2024年ドイツ]

2573.jpeg
(道ばたに生えている「雑草」みたいだけれど美味しい野菜、マーシュ)
 市場に通うになってから数ヶ月、11月にはFeldsalat(ドイツ語で「平原のサラダ」)という野菜の季節になりました。日本語は、(フランス語から)「マーシュ」というみたいです。見た目が雑草みたいだけれど、サラダとしてよく食べる野菜で、私は大好きな野菜です。冬の野菜なので、11月ごろから1月ぐらいまで出回っている野菜です。

 昨年12月も毎週の様に買ってると、いつも担当しているおじさんから、「来週の分、事前注文しておく?」といきなり聞かれました。というのもこの時は、クリスマス前、翌週がクリスマス数日前の営業日でした。マーシュを含め野菜が大量に売買される時期だから、事前に言ってくれたら/予約してくれたら必要分のマーシュを横にとっておいてあげるよ、という意味でした。毎週の様に、マーシュ(とタマネギ)を買っていたので、かなり印象に残っていたのでしょうか。ただ、この数日後にスイスへ向かうことになっていたので、今回は丁寧に断って「また来年(2024年)に」と言っておきました。農家の人達というか、野菜の生産者が市場で働いているので、クリスマス後から市場も3週間のお休み。数日前が初営業となりました。
nice!(0)  コメント(3) 

新しい習慣 前半 [2024年ドイツ]

 コロナ明けたぐらいから、ドイツもインフレで物価が上がっています。ドイツの統計によると、2023年平均で物価全体5.9%値上がりしたそうです。私は週一で食料/生活必需品を買うのですが、その時の合計額が2020年−21年頃に比べるとしっかり上がっているのがよく分かります。もちろん、値段が下がっているものもあるけれど、よく自炊に使う食料品は割と値上がりしています。ただ、気候変動の影響なのか、供給元が変わったのかよく分からないけれど、行きつけのスーパーで買う野菜の質がイマイチになった気も。長持ちするイメージのタマネギも3個に一つは腐っていたりして、別の場所で野菜を手に入れることに。

2572.jpeg
(市場)
 スーパーから300mぐらいのところで、週一で市場をやっているので、そこで野菜を手に入れることに。市場で売られているものは、スーパーと比べると、値段がかなり高い、というイメージがあったのですが、実際行ってみるとそこまで高くはありませんでした。スーパーと同じか、少し高いぐらい。ただ、市場で買った野菜で、腐った物に当たったことは一度もありません。また、スーパーでは袋売りされているものも多くて、一人で消費するには多すぎるものもあります。しかし市場はほとんど量り売りで、無駄なく自分に必要な分だけを買えます。

 市場には、いくつか「スタンド」というか、店があるのですが、私はいつも同じところで買っています(野菜の種類が一番多い)。何人かが店の奥で働いていて、私はなぜかいつも同じおじさんに当たります。特に話をすることはないけれど、野菜が大きすぎると(頼むと)大きな包丁で切ってくれたり、テキパキ動いてくれます。
nice!(0)  コメント(2)