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夏の仕事 総括 [インターンシップ/仕事]

 6月から7月中旬まで、 大学の受付でアルバイトをしているという話を以前に書きました。学生はほとんどいないし、教授も研究や家族旅行でジュネーブに残っている人はほとんど居ませんでした。数人、研究を続けている博士課程の学生が残っている建物で受付の仕事をやっていたので、仕事はほとんどありませんでした。9月から新しい建物へ移動することになっていて、8月には引っ越しの準備が始まる、というだけでした。そのため、たまに教授/学生から何か頼まれる以外は自分の好きなことをしていてよい、と言われました。授業の一環(ARS、これについて今度詳しく書きますが)のグループ課題が残っていたので、その作業をやっていました。

 好条件のアルバイトだったのですが、自分と苦手とすることが一つ。それは鍵の番人である、ということ。どうも鍵を開ける、というのが苦手な行為の一つです。薄々感じてはいたのですが(不器用なので)、古い建物の多いパリでそれは確信に変わりました。パリで友達のアパートを借りていた時、鍵が閉められず、5分近く鍵穴と格闘したことがありました。ガチャガチャ鍵を動かしている様子が相当目立つのか、通りがかりの人に鍵を閉めてもらったこともありました(同じアパートに住んでいた人)。そしてパリでホストファミリーのアパートに住み始めたときは、ドアを開けることができず。日本ではあまり見たことがないのですが、ヨーロッパにはよく、文字通り「鍵でドアを開ける」(ドアノブがない)建物が多く存在します。パリのアパートもかなり古いので、鍵を鍵穴に差し込んだまま、鍵を回転させてドアを開けるというスタイルでした。この鍵穴も古く、何度教えてもらっても、開けることはできず。1週間近く、アパートへ入るにはチャイムを鳴らして、おばあちゃんにドアを開けてもらうということを続けていました。結局、鍵穴は古く、以前から変える予定だった、とおばあちゃんは言ってくれて、1週間後には新しい鍵穴になっていました。無事、その鍵穴ではドアを開けることができるようにはなっていましたが。ただ、鍵を開けられないから、アパートを追い出されたらどうしよう、とヒヤヒヤの毎日でした。

 その鍵と、アルバイト中も格闘しました。建物が古く、鍵穴に鍵がどうも入らない、鍵を回せない、色々な部屋がありました。1ヶ月近く働いていると、どの部屋の鍵が開きづらいか分かってきて、なんとなく開け方のコツも分かってきましたが。それでも最初の内は結構苦労して、5分近く鍵をガチャガチャしていました。

 そんな鍵の苦労がありましたが、あっという間の1ヶ月少しのアルバイトでした。

ヨーロッパの就職活動 春学期 その3 [インターンシップ/仕事]

 電話面接を受けた直後、今度は大学から(アルバイトの)面接のお知らせが来ました。急に採用が決まったため、連絡が行き渡っておらず、同じ内容で、人事部、学生課から電話がかかってきました。普段は鳴らない自分の携帯電話が頻繁に鳴っていたので、変な感じでした。

 大学からの面接は、臨時の事務埋め合わせの話でした。アルバイト探しのため、3月上旬にCVと志望理由書を送り、そのままになっていました。とりあえず自分の名前が人事部のリストに載っていたようで、人が居なくなる夏休み中誰か働ける人が居ないか、ということで私のところに連絡が来ました。経済学部と政治学部が使っている古い建物(今年の夏に取り壊される)の事務を任されました。この事務をやっていた人が別の部署に飛ばされ、新学期が始まる前、夏の間だけ人が必要ということでした。7月中旬から私はインターンシップがあるので、7月中旬までという条件で働くことにしました。7月中旬からはまた別の人を探すようです。

 月曜から木曜、8時30分~17時30分まで、と学期中以上に、大学に居ます。そのため、全く夏休みという感じがしません。年度末で色々教授達は忙しいようですが、学生の身分である私は見ることが出来ない書類作業が多いため、仕事はほとんどありません。一番興味深いのが、会計。実際自分がお金を動かすことはありません。が、教授の「必要経費」の書類を用意して、領収書をまとめて、会計課に送るという仕事もたまに任されます。どういったものが、必要経費に入っているのか知ることが出来るので、面白いです。これらが主な仕事ですが、思ったほど仕事は多くありません。

 あまり仕事はないですが、重要な仕事が一つあります。それは「鍵の番人」です。この建物に必要な鍵は全て私が持っています。あまり必要ではない鍵は事務室の引き出しに入れてあるのですが、万が一のため、その引き出しにも私は鍵をかけています。以前、鍵が無くなったことがあるので、必要な部屋を開けるには、私が持っている鍵が必要となるわけです。そして先週の金曜はこの鍵に関して、ちょっとした事件がありました。

 金曜に、経済学部の博士課程課がBBQを計画していました。BBQに必要な物は地下室にあり、もちろん鍵が必要です。金曜は私が働いていない日。それを忘れていた企画係の子は、掃除のおじさんが事務室の鍵を持っていたため、事務室へ。が、地下室の鍵は鍵をかけてある引き出しの中。掃除のおじさん、引き出しの鍵はさすがに持っていません。企画の子は、片っ端から電話をかけて、私の連絡先探しに奔走したようです。運の悪いことに、夏休みのため、他の事務も金曜の午後はほとんど働いていません。「Amyの番号を知っている事務の人を知っている人を探すのに苦労した」と企画の子は言っていました。どのように「その人」を発見したのか分かりませんが、私の緊急連絡先を入手。その緊急連絡先というのが、ホストマザー。彼女も私同様、携帯電話が嫌いなため、なかなか携帯電話に出てくれないことがよくあります。が、企画の子が電話をかけた時は運よく出てくれたようです。フランス語の出来ない企画係と英語のあまり出来ないホストマザー、お互い片言の言葉で意思疎通を図り、私の携帯電話番号を入手できたようです。

 そんな苦労をしていると全く知らない私は、街の図書館で雑誌を読んでいました。電話がかかってきたとき、知らない番号だったので、図書館から一度外に出るか迷いました。が、あまりにも長く鳴り続けるので、電話に出ることに。出てみると、その企画の子から電話でした。その企画の子、直接授業をもってくれたわけではありませんが、秋学期に取っていた授業のTAの一人でした。最初は全く誰か分からず、何の話をしているのかさっぱり分かりませんでした。「地下室の鍵がどうしても必要だから、Amyがどこに居るのか教えて。鍵を取りに行く」と言われました。自分が居た図書館、初めての場所だったので、はっきりした場所を把握できませんでした。どうしようか迷っていると、「鍵を持ってきてくれたら、BBQにそのまま招待する」という条件を提案してくれました。食いしん坊の私、食べ物を条件に出されたら、断るわけにはいきません。普段なら、市内から20分で大学に着くのですが、ラッシュアワーということもあって、結局1時間かかって学校に到着。企画の子は本当に喜んでくれていました。BBQの道具がないと、企画自体がチャラになってしまう、とヤキモキしていたようです。思わぬ形でBBQに参加しましたが、新しい人と知り合うことも出来ました。結果的に良い形で終わった「事件」でした。

ヨーロッパの就職活動 春学期 その2 [インターンシップ/仕事]

 今出来ないことを嘆いても仕方がないので、作戦変更。インターンが決まった友達は、「自分の今出来ることは何であるのか把握して、応募する」というアドバイスをしてくれました。働いた経験がない学生であれば、研究に特化しているシンクタンクやNGOに応募してみたら、と言われました。ジュネーブに様々なNGOがあるので、そのリストを探してきて、どんなことをやっているのか調べながら、自分の興味にあったところへ応募していきました。

 そして必要書類を送ったNGOから1週間しない内に、すぐ返事が来て採用されました。International Centre for Migration Health and Developmentという健康と移民問題を専門に研究しているNGOのようです。WHOなどの機関へ提言をしたり、調査結果を提出したりしているようです。まだどんなところなのか未知数ですが、メンバーのほとんどは教授ばかりで、本当に研究特化のNGOのようです。まだ何をやるのか詳しくわかりませんが、この団体が調査しているプロジェクトの1つに関わって、研究の手伝いをするのがインターンの主な仕事、という説明を受けています。授業の一つであるARSのプロジェクトがあるため、インターンシップが始まるのは7月中旬。それまでにしっかりと準備をしておきたいと思います。

 この正式な採用の返事を受ける前(仕事内容を確認したりと少しメールのやりとりがあったので)、自分が応募したのも忘れた機関から、電話面接のメールが届きました。2月に応募したので、メールが来た時は、迷惑メールだと思っていました。結果的に採用されませんでしたが、電話面接は面白い経験でした。Skypeでやるのかと思っていたら、家の電話(ホストファミリー)が鳴ってびっくりしました。予定時刻より30分も早く電話がかかってきたので、さらにびっくりでした。面接は高校、大学受験の時しか経験したことがありません。似たような質問を予想していたのですが、そのような質問は全くされず。自分のデータを入力した際、志望動機は2~3文のみと書かれていたのですが、それに関する質問もされず。「今こちらでやっているプロジェクトは○○のトピックに関連していますが、○○のトピックの分野で働いたことはありますか?」という質問が多かったです。電話口には2人居て、一人が英語、もう一人がフランス語で質問を交互にしてくるという感じでした。警察のGood cop/Bad copのような感じでもありました。自分の答えるべきことは答え、結果を待つだけでしたが、驚きの速さ、1週間後に不採用の返事が来ました。

 今でこそ言えることですが、春学期を通して、インターンシップについてはハラハラしていました。最後の最後に決まって、よかったです。7月中旬から始まる予定なので、楽しみです。

ヨーロッパの就職活動 春学期その1 [インターンシップ/仕事]

 秋学期同様、春学期もバタバタしながら終わりました。秋学期を経て、少しは学期の流れはつかめたのですが、学校外での活動が多かったので、あっという間に終わってしまったような感覚でした。

 冬休みは1ヶ月ほどしかありませんでしたが、夏休みは3ヶ月近くあります。また3月でスイス到着6ヶ月を迎えるため、自分が持っている滞在許可証で就労が可能になります(非ヨーロッパ圏外の国籍を持つ人は、到着後6ヶ月は働くことが出来ません)。そこで、学期開始早々からアルバイト、そして夏休みのインターンシップ探しを始めました。冬休みのインターンシップ探しに苦労した経験があるため、早めの準備。冬休み中から志望理由書を書いて用意しました。結果的に言うと、学期末まで決まらず、またまた苦労する羽目になりました。

 まずは大学が頻繁に提示するインターンシップ(機関が、学校を通して募集をかける)から応募してみることにしました。大学を通していると言っても、ただ告知を載せているだけものも多いです。つまり、大学選考を通っても、採用されるわけではないというわけです。CV、志望理由書を書いて送るという日がしばらく続きました。1ヶ月近く経っても、ほとんどの場所から返事は来ません。はて、どうしたものかと思うものの、催促のメールを送っても返事が来るわけではないので、別のところへCV、志望理由書を送り続けます。この頃になって、ようやく「1ヶ月で返事が来なかったら、不採用と考えてよい」ということを知りました。つまり、インターンぐらいで不採用の返事をする時間がない、ということのようです。

 また、ジュネーブにたくさんの国際機関が集中しているとはいえ、インターンシップには世界中から応募してきます(無給ですが)。応募も全て電子化されていて、必要事項をインターネットで入力できるようになっていて、データベース化されています。そして人事部の人がYahooやGoogleの検索エンジンを使うようにキーワードを入力し、そのキーワードにヒットする応募者の履歴書を読み、インターン採用を決めるという流れのようです。このように効率化され、必要以外の履歴書は読まなくて済むというわけです。

 また1ヶ月が過ぎ、学期末も近づいてきました。周りは交換留学、インターン、帰国と決まり、さて自分はどうしようか、と思うようになってきました。送ったところの半分から返事が来ましたが、全て不採用。「一発で国際機関のインターンに決まるほど、世界は甘くない」と何人かの友達からアドバイスを受けました。彼らによると、中に知り合いが居ないと大きな国際機関にインターンとしても入るのは難しいとのことでした(これは冬休み中にも、もちろん実感したことですが)。

 また、本業は学生だけれど、大学内でアルバイトを探すことにしました。大学内であれば、やる仕事も限られているし、何より移動をあまりしなくて良い、というのが魅力でした。人事課や他の部署に(インターンシップ応募同様)CVと志望理由書を送りました。が、これも不採用が続きました。志望理由書を色々変えて送ってみたり、を続けました。
To be Continued….

インターンシップで 最終回 [インターンシップ/仕事]

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(Aix-en-Provenceの中心街から撮った写真。この教会の横にあるの建物が私の働いていた場所)
 2月上旬、あっという間のインターンシップを終えました。自分にとっては初めての「就労」経験でした。派遣のアルバイトなどはやったことがありますが、2日が最高。6週間という長期間働くのは初めての経験でした。就労中の間はあまり書けなかったことをここでは書いていき、インターンシップのまとめとしたいと思います。

 Stagiaire(研修生)という身分、(個人的には)雑用をやる身分でもあります。コピーを任せたり、手紙を封筒に入れたり。自分の仕事(=プロフィールを作ったりする)以外の仕事も多くあります。仕事初日は印刷を頼まれました。10枚近い紙を印刷し、それを自動的にホッチキスで留めるという何でもない作業。が、事務的作業などやったことない私。印刷をするだけでヒヤヒヤしました。案の定、機械が紙詰まりを起こし、機械を開ける羽目になりました。1枚紙をなんとか破かずに取り出しましたが、まだ印刷機の画面は「紙詰まり」の表示。仕事初日から印刷機を壊すなんて、とかなり焦りました。が、画面の指示をよく読んでみると、別の場所に別の紙が引っかかっていることが判明。つまり紙2枚が引っかかっていたということです。単にこの機械、紙詰まりを起こしやすいというだけなのですが、仕事初日はそんなことも知らず。ヒヤヒヤしながら、印刷の仕事を終えました。

 また「職場の仕事関係」というのも経験することが出来ました。高校、大学と時間を重ねてきました。が、あくまでも自分と考えの似た、また興味・関心が似た人と過ごす時間が多かったです。が、「職場」となると全く考えの異なる人も多く居ます。自分からすると受け入れられないような考え方や、信じられないような考え方をする人も居ました。そういった人と出会って、「自分が知らない世界があるのだ」と気付かされました。自分は「学校」という本当に小さい世界で生きてきたのだ、と感じました。

 また、これは細かい点ですが、自分のオフィスを持てたら良いなあとも思いました(単に最近見ているドラマDr.Houseの影響だとも思いますが)。Stagiaire専用の机というものがあって、必要最低限のもの(コンピュータ、電話、筆記用具)は揃っています。会計の人の横でいつも仕事していました。そして私の後ろにあったのは、例のコピー機。ホッチキス留めを自動で行ったり、大量に印刷を行う「優れた」機械であるため、皆が使います。もちろん、他の人は別のオフィスから「印刷ボタン」をクリックするだけ。紙詰まりを起こしても、機械の警戒音は聞こえず。私が紙詰まりの紙を外したり、紙を補充したりすることになります。こういった経験、人生に一度はしておいた方が次回はもっと良い条件でインターンシップをしたい、とモチベーションが上がると思います。そしていつかは自分のオフィスが持てるようになりたいです。

インターンシップで その10 [インターンシップ/仕事]

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(フランスを電車で旅行する祭は、この機械でチケットに判子を押し忘れないように。「観光客だから知らなかった」という言い訳は通じず、しっかり罰金を請求されます)
 8月にフランスへやってくる留学生、8月に海外へ向かうフランス人の応募締め切りが近づいているため、申し込みが増えてきました。そして、別の準備も着々と始まりました。4月のイースター休暇に旅行が計画されています。今年の9月からフランスに来ている外国人留学生のために企画された旅行で、Cap d’Ailと呼ばれる南フランスのリゾート地を起点にニース、カンヌ、モナコなどを回る旅です。そして私はこの旅行の見積もりを任されました。見積もりと行っても、バス会社、観光場所に電話して、大体の旅行費を計画するというものです。昨年度の旅行計画表を参考に、片っ端からバス会社にメールを送り、見積もり書を送ってもらいました。ここはフランス、見積書をもらうのにも数日かかります。返事が来ている会社を見る限り、どこも昨年に比べると値上がりしています。観光地のほとんどは18歳以下が値引き、そしてグループの値段になっているのですが、例外もあって確実に昨年より旅行費が値上がりしそうです。どこか観光場所を削って、別の場所へ行った方が良いと私は思うのですが、まだ不明です。

 地図を見て場所を確認したり、宿泊所からどれだけ時間がかかるから地図で見てみたり、自分の旅行でもないのにかなり熱心に調べました。自分はかなり旅行計画が好きなのだな、と再認識しました。旅行自体も好きですが、それに付随するもの、例えば旅行計画だったり、旅行を終えた後の旅行記を書いたりするのも好きです。自分の新しい趣味です。

 自分に決定権は全くないので、提案するだけです。昨年の予定表を見て、行く場所を確認して、訪れる予定の場所に電話をかけてみました。まずはモナコの王宮。この国、バチカン市国のような小さな国ですが、カジノとParadis fiscal(税金天国=租税回避地)ということもあって、経済的な力はあります。フランス語が公用語なので、フランス人にとっては外国ではなく「ちょっと隣の県へ」という感じです。それでも王宮の電話番号は国際電話番号の377がついていました。モナコへ行ったこともなければ、電話をかけたこともない私、ちょっと緊張してしまいました。モナコと言えば、グレース王妃。カジノやF1があるためか、リッチで優雅なイメージしかありませんでした。が、緊張した割には、フランスの受付とほとんど変わりなく(つまり結構無愛想だった)、私の優雅なモナコのイメージは崩れ去りました。

 次にカンヌ近辺にあるマルゲリータ島へのボート調べ。「グループ料金については相談を」と書かれていたため電話。カンヌはもちろんフランス国内ですが、外国のモナコより電話に苦労しました。南フランスの強い訛りのおばさんが電話に出てきました。私が彼女の訛りに苦労しただけでなく、彼女は私の訛り(どこの国から来たのか分からない訛りに聞こえるらしい)に苦労。お互いに何を言っているのかよく分からず、相当苦労しました。何とか値段を聞き出し、確認のため値段の書かれたメールも送ってもらいました。

 Fragonardという香水の工場も見学することになっていました。ここは団体見学の受け入れに慣れているのか、見積もり相談の返事もかなり早かったです。また予約の申込書まで送ってくれ、本当に手慣れていました。入場料も無料なので、特に大きな作業はなく、FAXで予約。

 Niceでは特に大きな見所は去年の予定表にはなく、「歴史地区の散歩」とだけ書かれていました。もう少しメリハリがあった方が良いのではないかと思い、ニースの(安く回れる)観光地を探してみました。リゾート地なので、ほとんどが有料。が、市内から遠くないところにNicolas Alziariという会社のオリーブオイルの圧搾場(大きな臼でオイルを絞り出す)があるようでした。これなら男女の差なく見学が楽しめるかと思ったからです。昨年の参加者アンケートを読んでみると、「香水工場の見学は女子のみという感じだった」と男子参加者が書いていると思えば、「サッカースタンド見学(モナコAC)は面白くなかった」と女子参加者が書いていました。オリーブオイルなら男子、女子関係なく、また嫌いという人も少ないと思います。ただ4月というのはちょうど、オリーブオイルのシーズンが終わったところ(3月までがシーズン)。グループの人数次第では4月にも公開「稼働」してくれるようです。最終的な参加人数が決まってから、電話で問い合わせてみることになりました。

 一通り見積もり書や値段の問い合わせをした後は、まだ旅行参加の返事をしていない学生に電話。共働きのホストファミリーが多いので、夜の時間帯を狙って電話します。が、18時頃でもまだ帰宅している人は少ないので、なかなかつかりません(私は18時で終業なので)。それでも何度か電話をかけ、大体の答えをもらいました。

 日本と異なり、フランス人の高校生は声が大人っぽいです。ホストマザーだと思って話していたら、「その娘ですけど?」と言われてしまうことが多くありました。電話に出てくれたホストファミリーには、留学生にかわってもらうよう頼みます。この時に悩むのが何語で話せばよいのか、ということです。9月に到着して既に半年フランスにいる留学生も居れば、この1月に到着したばかりという人も居ます。また、到着時のフランス語レベルもかなり差があります(私はフランスに最初到着した時、ほとんど話せませんでした)。迷った末に、ゆっくりのフランス語で説明を試みることにしました。「Oui」を繰り返してくれる留学生、本当に分かっているのか心配になってくることもしばしば。心配になってくるので、質問をしてみることにしました。「では、参加の場合、いくらの小切手送ればよいのですか?」と逆質問(Oui/Nonでは答えられない質問をあえてしてみた)。すると、案の定「Oui」との返事。全く分かっていないな、と思い、最初から同じことを英語で説明する羽目になりました。すると「ah〜。」との相づちが返ってきます。その「ah〜。」がフランス語で説明した時にほしかったのだよ、と一人で突っ込む羽目になりました。

インターンシップで その9 [インターンシップ/仕事]

 私がインターンシップをしている団体、本部はこのAixにあるのですが、各重要都市に事務所があります。例えば、ビザの手続きなど発着空港を考えると、パリにも事務所があった方が便利というわけです。留学について詳しい情報が欲しい人はホームページを見たり、直接電話したりすることが出来ます。また、Aix在住の人は直接本部に来て情報を求めることも出来ます。先日は、娘がアメリカへ行きたがっているため、もう少し情報を知りたいという両親がやってきました。特に仕事がなかった私も、参加してみました。

 私が留学したときも親同伴の説明会があって、母と東京まで行きました。覚えている限り、多かった質問は荷物のことでした。何を持って行って、何を現地で調達するか。そして受験のことでした。「親離れ、子離れの準備を」というフレーズも聞きましたが、それはほとんど一瞬のこと。ほとんどが持ち物についてだったような気がします。

 が、Aixの本部へやってきた両親が最初に聞いてきたのは「クリスマスに娘が帰ってくることが出来るのか?」でした。祖父の調子が悪く、クリスマスは唯一家族で集まれる時。アメリカに居ると言えども、帰国は出来ないのかという質問でした。が、答えはNO。アメリカの生活に溶け込むという理由もあるようですが、ビザの問題もあるようです。一度アメリカを離れてしまうと、3ヶ月以上(観光ビザ)は滞在できないということのようです。事務手続き上なら仕方が無い、とこの両親、覚悟を決めたようです。意外にもすんなり受け入れたので、私はびっくりしてしまいました。が、特にお父さんはクリスマスに戻ってこられると信じていたのか「10ヶ月会えないという心の準備をしないと。娘が10ヶ月家に居ないというのは想像出来ない」と言っていました。お母さんの方は「娘が決断した時から準備が出来ている」と言っていました。

 この両親の話を聞いていて、果たして自分の両親はどういう気持ちだったのかな、と考えてしまいました。当時(そして今も)、自分は出発する気満々で両親がどう考えているかあまり深く考えたことはありませんでした。当時はスカイプもまだ存在せず、1ヶ月に1度だけの電話でした。それでも、父は毎日のようにハガキ・手紙を送ってくれていました。今ではそれがブログに変わりました。直接の会話はかなり減ってしまったけれど、ブログや手紙がその「代わり」のようなものを果たしています。そのせいか、少しは日本と繋がっている印象がずっと持っているため、両親がどういう気持ちで送り出してくれていたのかはあまり考えたことがありませんでした。妹が2人居るため、私一人が居なくなってもあまり変化はなかっただろう、と自分には言い聞かせていますが。
(フランスで食べたスイス産のチョコレートフォンデュ。今日がバレンタインデーなのでチョコレートの写真を。)
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インターンシップで その8 [インターンシップ/仕事]

 1月31日から2月2日まではモンペリエ(Montpellier)という場所で、Salon d’étudiant、学生のための見本市が開催されたので参加してきました。イメージとしては、幕張メッセのような大きな場所で各団体が展示を構え、入場者が好きなように回るという感じです。就職難の今、フランスの様々な大都市でSalonが開催されています。大学から語学学校、私がインターンシップをやっている留学斡旋団体など幅広い団体が参加していました。

 Etudiant(学生)という言葉がついているため、学生が多いのですが、将来を考えた高校生、中には中学生も来ています。私は2日、土曜のみの参加でした。そのため、入場者全体の把握は出来なかったのですが、週末ということもあって親子で見回っている人が多かったです。私が働いている団体は半官半民のような感じで、扱うのは高校生の交換留学のみ。同じ団体が(別の名前で)「会社」も持っています。この会社は、サマースクール、オーペア(家庭に住み込んで家事を手伝いながら、主に子供の世話をしながら、その国の言語を取得する)などをやっています。私はこの会社がどういったことをやっているのか詳しくは知りません。同じ事務所で働いているので、顔は知っていますが、一緒に働くということはありません。

が、この日は同じ展示場所。展示をするには料金を払わなくてはならないため、各自で展示場所を持つよりは一緒にやってしまおうというわけです。見本市に到着早々、この会社がどういったことをやっているのか、例えば、サマースクールはどういったものがあるのか、などの説明を受けました。こうすれば、どんな質問を受けても一応は対応出来るというわけです。留学させたいけれど、1年間はちょっと無理、という声が多く、サマースクールのパンフレットが多く配布されました。日本でもやっているようなサマースクール同様、値段はかなり高めなのですが、英語苦手を克服するためには仕方が無い、という感じでしょうか。

 意外だったのは、イギリスへの留学を希望する人が多いこと。この団体、ホストファミリーはボランティアという条件でやっているため、イギリスは取り扱っていません(イギリスは有償がほとんどらしい)。が、フランスから遠くない英語圏ということもあって、イギリスを希望する人が多いです。フランスとイギリスはあまり仲良くないのですが(歴史的に)、ブリティッシュアクセントにあこがれを持つフランス人はかなり多いです。ロンドンの物価を気にして、色々質問してくる人も居ました。

 残念ながら、私がインターンシップをやっている団体への質問はほとんどありませんでした。が、偶然にも娘が1年日本へ行きたいという両親がやってきました。パンフレット(申込書)をもらいに来たのですが、やはり遠い(地理的理由だけでなく)ということもあって心配のようです。が、娘の希望を尊重して送り出す決心をしたみたいです。

 立ちっぱなしで足が痛くなった見本市でした。不景気の今だからこそ、英語をなんとかしたいというフランス人が多いと強く感じました。英語が苦手、という点においてはかなり日本に似ています。

インターンシップで その7 [インターンシップ/仕事]

 私がインターンシップを行っているところでは定期的に独自の新聞を発行しています。主に留学生やホストファミリー向けのものです。海外に留学しているフランス人の感想、ホストファミリー、フランスに来ている留学生の感想などが主に載っています。2013年、日本へ派遣されるフランス人が10人近いということもあって、この新聞を作っている人が私にインタビューをしてくれました。題して「フランスと日本の高校を比較」。このブログを書いている時点でまだ新聞は発行されていないのでどういった内容になるのか分かりませんが、推測する限り、インタビューを元に比較の記事を書くのだと思います(インタビューをそのまま掲載するのではなく)。幸運にもフランスと日本、両方の高校を経験することが出来たので、その比較も可能だろうということでした。インタビューしてくれた人はさすがフランス人、単なるシステムの比較ではなく、そのシステムの違いがどういった「idée、philosophie」(考え、思想)から来ているのかということを、深く聞いてきました。教育というのはその国がどういった国民を作りたいのかということが大きく現れているという考えから、システムを比較していくのは面白かったです。詳しい内容は新聞が発行された時に書くとして、自分自身への質問は「なぜフランス人が日本にここまで惹かれているのか」。自分の国に好印象を持っているということで悪い気はしませんが、なぜなのかということは気になります。日本への留学を希望するフランス人の感想を読んでみると、「日本の文化に興味があるから」とかなり漠然としています。アメリカ志望の人は「英語を向上させたい」というのが大きな志望理由なのですが、日本希望者は必ずしも「日本語の向上」を理由として挙げるわけではありません。もちろん志望理由書に「日本語を上手くなりたい」と書いている人も居ますが、第一の理由というわけではありません。

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 (パリ5区にあるマンガカフェ。この字体が今ヨーロッパで人気。私からしたら単に読みにくいだけなのですが、「日本語」っぽいのでしょうか)ではなぜ日本へ来たがるのか?私が導き出した答えは、知っているようで知らない国の一つだから。今でこそ家電製品はSamsungやLPが主流になっていますが、私の知っているフランス人カメラ愛好家はNikkon、Canon、SONYを好んで使っています。日本同様一眼レフを購入する人が増えてきて、日本産のカメラを買っています。また車も同じ。RenaultやCitroënという国産車があるなか、「やっぱりToyotaだよね」とか「Subaruでしょ!」というフランス人が居ます。またアニメのチャンネルではゴールデンタイム(18時から19時)に「ONE PIECE」をやっています。BD(Bande dessinée)と言わなくても、mangaで通じるほど日本のアニメやマンガは人気です。こういったハイテクなイメージがある一方、まだ日本には忍者やサムライが居ると信じて疑わないフランス人も多く居ます。これだけ日本に関する情報が多く入ってきているのに、まだまだ知らないことが多い日本。知っているようで、謎が多い国だからこそ興味を持つ人が多いような気がします。フランスであまり知られていない国はアジアに多くあるのではないか、とも思います。が、そういった国に関する情報はまだフランスに入ってきておらず、興味を持つきっかけがまだないという感じです。

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 また、これは逆についても言えます。日本人のフランスに対する印象というのも、似たような感じです。私と同世代の人はフランス→パリというイメージが強いようです。パリについてはよく知っているのですが、それ以外の地域となると知られていない場所が多いです。この写真、あるウェブサイトから借りました。イギリス人、パリジャン、アメリカ人から見たフランスの地図が色々紹介されていました。もちろん、この写真は日本人から見たフランス、 パリ以外知られていないということがよく表されていると思います。

 お互い知っているようで知らない国である日本とフランス。だからこそ、行ってみて知りたいという希望が多いのかもしれません。実際、日本へ行ったフランス人の感想文を見てみると驚きの表現が多いのも事実です。また、私もフランスのど田舎で1年間ホームステイして驚きばかりでした(知らないことばかり)。

インターンシップで その6 [インターンシップ/仕事]

 先日は旅行代理店でくじ引きがありました。私がインターンシップを行っているのは留学生の受け入れ、派遣を行っている場所。そのため、この代理店が電車のチケットや航空券の手配など全て行っています。

 従業員たったの2人という小さな代理店ですが、色々な旅行を取り扱っています。ちなみに日本への旅行もありました。10日で東京、奈良、京都、大阪、広島を回る超過密スケジュールでした。1ヶ所でのんびり過ごすというのがフランス流のバカンスと思いきや、パック旅行に参加する人も居るようです。(使いっ走りで)何度かチケットを取りに行ったことがあり、毎回大きく宣伝されている行き先をチェックしています。近いということもあってヨーロッパの大都市が多いです。が、チュニジア、モロッコ、マダガスカルなど近いけれど遠い、エキゾチックな国が人気のようです。そして忘れてはならないのが、これらの国、元はフランスの植民地、全てフランス語圏。外国語を喋るストレスがないまま、エキゾチックな場所へ行くことが出来るというのも重要な要素です。加えて、ニューカレドニア、タヒチなどの場所も人気。これらはフランス領なので、行政的には「国内」の扱いです。が、これら全てアジアにあるのでフランス人からすると「遠い国内」(海外県)なのでバカンスにはぴったり。

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 そして先日、この代理店がくじ引き大会を開きました。どういった経緯で開かれたのかよく分かりませんが、新しい年も我が社をよろしくお願いします、という理由ではないかと推測しています。自分の名前を書いた紙を壺に入れ、それを責任者が引くというとても簡単なものです。参加者も20人ほどなので、シンプルなくじ引き。景品は3等まで。驚いたことに、私とスペイン人、研修生2人が当選しました。1位は代理店の別のお客さん。ヨーロッパの1都市への往復航空券+ホテル1泊。私が当たったのは、フランスの屋敷/別荘/城に1泊というもの。190ヶ所から1つを選び、そこに1泊出来るというものでした。くじ運は強い方ではないので、全く期待していませんでした。そのため、当選を知った時はかなりびっくりしました。試写会はよく応募していたのですが、それ以外はほとんど応募をしませんでした。宝くじのように、「買わなければ当たらない」ことは分かっているのですが、自分が本当にほしいものでないとあまり応募しません(単なるめんどくさがりでしょうか)。そのため、ほとんど妹に任せっきり。妹はよく鹿児島に住んでいるのですが、東京で開催されている展覧会にも応募して、入場券をゲットしてくれたり、ラグビーの試合のチケットプレゼントなど、かなりマメに当ててくれていました。

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