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講演会に参加する [インターンシップ/仕事]

 無給でインターンをしていても、得をするな、と思うのは、様々な講演会に参加出来ることでしょうか。NGOのインターンで、先日は講演会の会場設営手伝いを頼まれました。手伝い、と言っても、資料を配付したりするだけで、講演会中は特に何かやることがあるわけではありません。そのため、講演会を集中して聞くことが出来ます。2014年は国連の定める家族農業年、らしいです。家族農業とは、その名の通り、家族が小さな畑を持って農業をやっていくことです。大きな機械を使用する大規模な農業より、原点回帰して、小規模で元々のシステムであった家族農業に重点を置いていく、という試みのようです。家族農業がどんなものであるのか、という説明に、FAO(国連食糧農業機関)の駐日連絡事務所所長が来て講演してくれました。家族農業に関連したもの、というより、FAOの話もしていて、広く浅くという感じでした。

 講演会も面白かったのですが、会の直前にこの所長と直接話を出来たのも良かったです。コンゴ共和国出身の彼、母国語はフランス語です。英語も達者なのですが、フランス語で話しかけると、とても喜んでいました。そこで、フランス語についてもこの講演会中に少し考えてしまいました。

 私はフランス語圏であるアフリカの国にはまだ一度も行ったことがありません。そのため、現地の人がどんなフランス語を話すのかはよく分かりません。しかし、ヨーロッパや日本へやってくるフランス語圏アフリカ出身の人たちは皆、とても上手なフランス語を話します。もしかしたら、「上手にフランス語を話す」という言い方がかなり失礼かもしれません。確かに、フランス語が母国語という人も多いと思うので、当たり前と言えば当たり前なのですが。また、かつて植民地ということもあって、母国語は異なっても、フランス語で教育を受けてきた人も多いのかもしれません。それでも、ヨーロッパのフランス語圏以外の人に会って、フランス語で話すと、フランス語は広く使われているのだなあということを痛感します。

 確かに、英語はフランス語以上に、世界中で使われています。しかし、個人的に英語は、アメリカの言葉、イギリスの言葉、というより、共通語という意識が強いです。そのため、世界中で使えるのは「当たり前」のような感じです。しかし、フランス語に関しては共通語という感じがあまりしません。例えば、フランス語圏であるはずのジュネーブ中心地では、英語の方が通じる場所、というのが存在します(国際都市のため、少し例外的なケースなのかもしれませんが)。そのため、フランス語が広く使われているアフリカ諸国の人と話をする機会があると、「やっぱりフランス語がかつて、広く使われていた時期があったんだなあ」と実感させられます。英語最重要視の日本でそのような経験をすると、とても不思議な気分になります。

 そしてフランス語圏アフリカ諸国出身の人たちと話をして、必ず落ち着く結論が「フランス語ってきれいだよね」というものです。植民地になったけれども、なんだかんだフランス語はきれいだ、と言っています。もちろん、これは現地で聞いた言葉ではなく、あくまでもヨーロッパなどにやってくる、いわゆるエリート層の人たちのコメントではあるのですが。そして私は同時に、フランス語を知っていて本当に良かった、と思うのです。日本人としては少し悔しいけれど、私が今までに勉強してきた言語の中で一番きれいな言葉だと思います。

 家族農業という講演会だったけれど、フランス語について考える機会になった夜でした。
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