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聞いてはいけない質問 その2 [留学準備]

 さて、スイスの滞在許可証、なぜ「長きやりとり」となるのか。それは書類の処理に驚くほど時間がかかるからです。半年かかった、という人も居ました。一番の心配は「書類M」、別名財産証明書です。ビザ申請の際、今では多くの国で銀行の残高証明書を求めてきます。要するに、職探しが目的のビザ申請を避けるためです。財産証明書は職がなくても、ある程度生活を維持できるのかということの証明です。金額など国によって異なるのですが、フランスは最低5400€(60万円程度。月450€計算)が求められます。もちろん、これは最低限の数字なので、こういった部分でビザの申請拒否されないよう、多めの数字を提出することが必要です。私もかなり多めに見積もりました。もちろん、ベストはこれだけの金額が口座にあること。自分名義の口座の残高証明発行を求められます。現実的に、学生がこれだけの金額を口座においているということが稀だと思います。そのため、1日または2日、ある一定期間「借金」(家族、友人などから)をして、その期間の残高証明書発行を銀行に頼むというわけです。

 フランスのビザ申請でも、この残高証明には苦労したのですが、スイスはそれ以上でした。まず、最低限の金額がフランスに比べて多かったです。学生名義の口座の財産証明書を提出する場合は、2000CHF×12ヶ月(2012年8月当時で200万円ちょっと。今はスイスフランに対して円安なので、この金額以上)。保護者の場合はこの金額が月5000CHFに上がります(家族を養う分を含めるので)。もちろん、自分は前者を選びました。

 次に、財産証明書を発行する金融機関も決められています。Autorité fédérale de surveillance des marchés financiers(連邦金融市場監督機構)というところに登録されている銀行から財産証明書が発行されていないと、この証明書を認めてくれないのです。さすが、銀行の国スイスだなと思いました。ヨーロッパの金融機関の多くが登録されているのですが、日本の金融機関はたったの4機関(バブルの頃は多くの機関が登録されていたようです)。自分が普段利用している銀行は残念ながら登録されておらず。が、大学の入学時ローンのために作った口座が連邦金融市場監督機構のリストの中に入っていました。新しく口座を作る手間が省けてかなりラッキーだったと思います。フランスの時同様、家族から借金をして、必要金額が記された残高証明書を手に入れたのでした。

 後日談。同じ学校に通う友達(日本人)も、この手続きを同じ時期に行っていました。彼女は去年からスイスに居るので、滞在許可書の更新でした。そして、更新時に財産証明書が求められます。私と同じ銀行から証明書を発行したようですが、なぜか証明書が拒否されてしまったようです。それを聞いた私は、少し焦ってしまいました。また新しく残高証明書を作らなくてはならない(つまり家族からまた借金し直す)のか、と不安になってしまいました。が、1月現在滞在許可書はしっかり自分の手元に届いているので、問題はなかったようです。聞いてはいけない質問が多い、スイスでの滞在許可証です。
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