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新しい事に挑戦 その1 [2022年ドイツ]

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 3年がかりで挑戦していたことが、一段落したので、それについて今回少し記事にしたいと思います。3年間ずっとそれに向き合っていたわけではないけれど、挑戦し始めてから一段落まで(コロナもあって)、3年かかりました。

 そのために、まず自分の仕事について、書いていこうと思います。自分の仕事は何か、と聞かれると説明に困るのですが、時と場合と人によって、説明は変わります。(ドイツの書類上は)「公務員」、「教育関係」か「研究職」と書いています。私の場合、正式な仕事のポジション名は「Wissenschaftliche Mitarbeiterin(直訳すると「学術的従業員」)となります。ドイツの大学では、博士課程の学生のほとんどが指導教官の下で「雇用」されたり、奨学金をもらえるので、学生とはちょっと異なり、一応「仕事」とカウントされることが多いです。その博士課程とポスドク(博士号を取った人)をまとめて、このポジションとなります。

 このポジション、給料のもらい方は、私の知る限り、大きく分けて3つあります。その給料のもらい方によって、仕事内容が若干異なる気がします。1つ目が、多分、ドイツの大学で定番、教授率いる研究室で雇ってもらう方法。私は博士号を取って最初の2年ぐらい、この方法で働いていました。私の研究分野で「実験」はしないので、実験室があるわけではないけれど、研究室(日本で言う、「ゼミ」が近い表現かな)があるので、学士、修士の学生の卒論/修論を見たり、授業を受け持ったり、その他諸々雑用があります。私の契約書だと、就労時間の40%が授業、40%が(自身の)研究、20%が雑務、だった気がします。もちろん、一応これが「理想系」なので、実際、授業の準備や雑務に時間が取られることが多いというのが現実です。この雑務も、本当に研究室のトップ(=教授)の裁量に寄る、という感じです。別の研究室で働く私の友人は、雑務が本当に多くて、ちょっと大変そうでした。

 2つ目が、研究費を外から(第三機関)取ってくる方法。日本で言う、文部科学省の科研費、みたいな方法です。私は今この方法で、働いています。給料は、大学から出ているけれど、上司が居るわけではないので、自分の好きな様に働けます。一応グループのプロジェクトだけれど、メンバーがすごく働きやすい人達だし、それぞれのプロジェクトをやっている時間の方が長いので、裁量権はかなり大きくなりました。勤務大学は変わっていないけれど、研究室で働いているわけではなくなったので契約内容が若干変更になりました。就労時間100%研究、という内容に変わりました。

 3つ目は、私の研究分野ではあまり聞かない方法で、理系の分野で多いのが、企業から研究資金をもらって研究するという方法。日本語だと、産学連携研究、という表現になるでしょうか。2つ目と似ているけれど、「企業が知りたいこと・開発したいこと」をやる、というのが大きな違いでしょうか。ドイツが強いとされている、自動車産業やIT関連はこの方法で(潤沢な)研究資金を取ってくるというのが多い、と聞きます。
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tommy88

学問、特に基礎研究は海のものとも山のものとも知れず、予算は付きにくいのだと思います。そこに潤沢な資金を投下出来る国には、未来が感じられます。即物的な資金投下が国の未来を貧弱にしていきます。待てなくなってきているようです。兎に角スピード感がありすぎて、結果至上主義。失敗の中から発明があるのですが、失敗を排除して合理的に、あらかじめ結果を想定した研究、浅くなってくるのは当然です。即物的に判断がしかねる人文系は、時代を読み解くためにも重要な研究分野だと思います。奮闘を祈ります。

by tommy88 (2023-01-04 04:12) 

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