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The New Pope(2020) [映画’21-]

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 第一シーズン、と呼んで良いのか分からないけれど、The Young Popeに続いてのThe New Popeとなります。The Young Popeが良い感じに一応終わっていたので、新シーズンが始まるとなった時はちょっとびっくりしました。ただ、新シーズンがどんなものか、気になるので、早速見てみました。

 前シーズンは、今まで見てきたドラマの中で一番好きなオープニングだし、教皇とシスターのやりとりも良かったし、信仰心と人間の矛盾を浮き上がらせる宗教問答も良かったのでした。そのため、どうしても続きということで、前作と比較してしまいながら見てしまいました。そして前作と今作どちらが好きか、と聞かれると、正直私は前作の方が良かったと思ってしまいました。それでも、今作は今作で面白い部分があったし、あの宗教問答が健在していて見応えがありました。

 一番驚きだったのは、ジョン・マルコビッチの役でした。「かなり変な人」だったり、悪役、でしか見たことがなかった俳優さんでした。そのため、このドラマである程度「普通」の人の役を演じているのを見るのはびっくりでした。もちろん、バチカンが舞台のドラマなので、何をもって「普通」とするのか、または「普通じゃない」ことが「普通」の場所と言えるので、ある意味適役だったのかもしれません。

 私が前シーズン面白いと思えた理由の一つが、このドラマの監督の宗教感。キリスト教(というか宗教)を批判している部分ももちろんあるけれど、でも信仰者に寄り添うような描写もあって、分かりやすい「二項対立」構造をあえて作らない演出が好きでした。信仰者と非信仰者、キリスト教とその他、と分かりやすく二分できるものでもないと思うので、この対立構造を避ける演出は好きでした(その分、哲学的ですごい分かりづらいセリフも多いけれど)。ただ見ながら、「この監督の宗教感というか、信仰心はどんなもんなんだろう?」とふと疑問に思う時もあります。ただ、今シーズン、若干急ぎ足のような感じもして(特に最終話)、「あれ?何でこんな分かりやすい『二項対立』にしているんだろう?」と監督の演出に関して若干不信感を途中まで抱いてしまいました。駆け足だった最終話だったけれど、監督の演出が最後にしっかり出て、「そうだよね、そんなわけないよね」と安心することが出来ました。
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