SSブログ

The New Pope(2020) [映画’21-]

2454.jpeg
 第一シーズン、と呼んで良いのか分からないけれど、The Young Popeに続いてのThe New Popeとなります。The Young Popeが良い感じに一応終わっていたので、新シーズンが始まるとなった時はちょっとびっくりしました。ただ、新シーズンがどんなものか、気になるので、早速見てみました。

 前シーズンは、今まで見てきたドラマの中で一番好きなオープニングだし、教皇とシスターのやりとりも良かったし、信仰心と人間の矛盾を浮き上がらせる宗教問答も良かったのでした。そのため、どうしても続きということで、前作と比較してしまいながら見てしまいました。そして前作と今作どちらが好きか、と聞かれると、正直私は前作の方が良かったと思ってしまいました。それでも、今作は今作で面白い部分があったし、あの宗教問答が健在していて見応えがありました。

 一番驚きだったのは、ジョン・マルコビッチの役でした。「かなり変な人」だったり、悪役、でしか見たことがなかった俳優さんでした。そのため、このドラマである程度「普通」の人の役を演じているのを見るのはびっくりでした。もちろん、バチカンが舞台のドラマなので、何をもって「普通」とするのか、または「普通じゃない」ことが「普通」の場所と言えるので、ある意味適役だったのかもしれません。

 私が前シーズン面白いと思えた理由の一つが、このドラマの監督の宗教感。キリスト教(というか宗教)を批判している部分ももちろんあるけれど、でも信仰者に寄り添うような描写もあって、分かりやすい「二項対立」構造をあえて作らない演出が好きでした。信仰者と非信仰者、キリスト教とその他、と分かりやすく二分できるものでもないと思うので、この対立構造を避ける演出は好きでした(その分、哲学的ですごい分かりづらいセリフも多いけれど)。ただ見ながら、「この監督の宗教感というか、信仰心はどんなもんなんだろう?」とふと疑問に思う時もあります。ただ、今シーズン、若干急ぎ足のような感じもして(特に最終話)、「あれ?何でこんな分かりやすい『二項対立』にしているんだろう?」と監督の演出に関して若干不信感を途中まで抱いてしまいました。駆け足だった最終話だったけれど、監督の演出が最後にしっかり出て、「そうだよね、そんなわけないよね」と安心することが出来ました。
nice!(0)  コメント(1) 

nice! 0

コメント 1

tommy88

『The New Pope』のポスターを初めて見たのはメルボルンの市電停留所でした。あらら、続編やないのと、驚き、嬉しく思ったのでした。
なんと言っても前作の『The Young Pope』は私の好きなTVドラマのベスト3に入り、にやけた奴だなと、少し嫌っていたジュード・ロウなんだけど、誠実さを演出するためなのか彼の目がよく映されていて、しかし彼のまなざしはやはり、人を誘惑するものであって、見ていると引き込まれてしまったのでした。ダイアン・キートンも善い役を演じきっており、好感しお勧めするドラマでした。まさか続編が出来るとは思いもしませんでした。そして、バチカン宮殿に実際行って歩いた時には、ジュード・ロウがひょこっと出てきそうなワクワク感を抱いたのでした。
続編『The New Pope』では、ジョン・マルコビッチが出てきますが、彼ほど教皇や堕落貴族を演じるには最適の人物はいません。大いに期待する所ですが、残念だけど、WOWOWでは放送するような噂も聞きません。困ったもんです。レンタルでもあれば見てみるかなと、思うのでした。期待が大きすぎます。見たらまたローマに行きたくなるでしょうが。

by tommy88 (2023-01-12 12:32) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。