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En Corps(2022) [映画’21-]

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 この作品は映画館で見よう、と決める理由はいくつかあるのですが、今回の作品は監督が決定打。Cédric Klapischというフランスの監督が居るのですが、彼の作品が好きで映画館で見ています。正直「傑作!」という作品があるわけではありません。ただ、私がフランス語を勉強し始めて、初めて見たのが、「ロシアン・ドールズ」という彼の作品。ハリウッド映画とは違う、「主人公の頭の中で起こっていることをそのまま映像にする」という感じにちょっとびっくりして、それ以来印象に残っていて、新作が出るとチェックしています。

 各作品で「20〜30/40代ぐらいの人達数人」を軸に色々な人々を描くことが多いので、誰かしらに感情移入出来る、のが見続けている理由かもしれません。高校生ぐらいから今まで、私の立場やキャリアが異なる時期に見てきたけれど、各作品で共感出来る部分や人物が居て、見る度に「良いなー」と思います。

 前々作は、ブルゴーニュ地方ワイン生産者の兄弟(「おかえり、ブルゴーニュへ」)、前作は、パリの悩める男女が描かれていた(「パリのどこかで、あなたと」)のですが、今作はパリとブルゴーニュ地方を舞台に、ダンサーの話でした。この監督が好きな理由の一つに、パリという街の描き方が上手いこと。いわゆるパリの名所は一切登場せず(モンマルトルの寺院が映るのみ)、ちょっとゴチャッとしたパリのアパートをよく撮っていて、生活感のあるシーンが多く、私は結構好きです。

 元バレエダンサーが怪我でキャリアを断念して、次を探す、という、予告編を見たら結末は大体予想出来るストーリーです。結末や大体の流れが分かっても、やっぱりそこまでの流れやセリフを聞いていると、「そうそう!分かるなー」と大きく共感出来る部分が多かったです。次のステップを考える上で、どこまで「妥協」して、どこまで自分のやりたいことを通すのか、「軸」を持って色々模索するのは何歳になっても難しいなあと感じさせられる作品でした。私の周りでも、キャリアの転換期を迎えている人が多いので、余計にそう感じたのかもしれません。
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