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話題の9ユーロチケット [2022年ドイツ]

 初めて9ユーロチケットの話題が出たのは、今年3月下旬。ニュースでこの話題を見かけ、ドイツ人の同僚に聞いてみると、「仕事が遅いDB(ドイツ鉄道)だから、実現する可能性がほとんど無いよ」と言われました。ただ、私のドイツへの帰国が近づくにつれ(日本出国が5月中旬)、ニュースでは、具体的な話が色々出てきました。1ヶ月の料金が9ユーロ。このチケットを持っていれば、原則、ドイツ全国の普通列車(新幹線を除く)が乗り放題というもの。ただ、地方によっては例外的にこの9ユーロチケットでは乗車できない電車もあるとのことでした。日本でこのニュースを追っていた私は、全く信じられず、ドイツ帰国の翌日、わざわざ駅へ行って確認したほどです(購入方法を確認するついでに)。駅の窓口の人もこの質問を不思議に思ったようで、「身軽に、ただ9ユーロ持ってくれば買えるよ」と言っていました。

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(9ユーロチケットの広告)
 この9ユーロチケット、6―8月、3ヶ月間だけのキャンペーン。私は普段大学へ行くまでの定期として、月80ユーロちょっと払っているので、もちろんこの9ユーロチケットを購入しました。ただ、納税者としては複雑な気持ちも。「何のため政策?」と正直思ってしまいます(どこかの国のばらまきにも似ているかな)。公式には「電気代等の高騰に対する支援/環境対策」ということになっています。電車の本数が増えた訳ではないので、乗客数急増で、電車の遅延/欠便が増加。9ユーロで乗客が急増→駅構内/レールの工事は通常通り行われる場所もあり、でも本数は増えず→運転手、駅員の負担は増える→休む/離職する駅員、運転手が増える→遅延、キャンセル、最終目的地まで行かない電車が増える、という悪循環です。

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(赤丸部分に、遅延、キャンセル等の情報が表示されます。通常時は何も表示が無い=青くなっているのですが、ここ最近はずっと真っ白)
 夏休み中のキャンペーンなので、観光客誘致(誰でも購入出来るチケットなので)も兼ねているとは思いますが、夏休みが始まっていない6月時点既にダイヤは乱れに乱れていました。私が住んでいるデュッセルドルフと勤務先の間には、空港もあり、乗り降りもかなり多いので、通勤経路はダイヤの乱れが日常茶飯事になりました。ダイヤの乱れで済めばラッキー、ホームが何度も変わったり、10分遅延と言われてホームで待っていると結局、「この便はキャンセルになりました」とのアナウンス。遅延が続いて、最終目的地まで到着せず、全員途中の駅で途中下車ということもあります。先日乗った電車の最終目的地はデュッセルドルフ駅、でもその一駅前の「デュッセルドルフ空港」に金・土・日には停止しないという不思議な線でした。この9ユーロチケットのせいなのかどうかはよく分からない変更でした。空港駅に停車しないせいか、車内にほとんど乗客はおらず。普段と異なる経路でデュッセルドルフ駅へ向かったので私はかなり心配になりましたが、無事到着。

 今月で9ユーロチケットも終わるので、9月以降は落ち着くかなあと思っていたら、「9ユーロではなくても、似たような政策を施行予定」という話が出ています。どうなることやら。結局、6月以降、あまりにも遅延、キャンセルが多いので、私は出勤時間を30分早めました。
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コメント 2

Mi

安くても辿り着けないんじゃ困りますね。
やってはみたものの、という感じでしょうか。
by Mi (2022-08-12 18:51) 

tommy88

先週かな日本経済新聞で紹介されていました。
テレビ東京の経済番組でも特集をしていました。
二酸化炭素削減の可能性など語っておりました。

by tommy88 (2022-08-13 10:24) 

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