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記者会見お手伝いの難しさ 後半 [日本での日常]

 2日連続で上手くいかず、3日目は朝から私は結構ピリピリしていました。落ち込んでも、めげずにやるというのは結構難しいものだと思いました。

 3日目最初の会見は、なんとか、大きな問題もなく出来ました。満足のいく出来ではなかったけれど、初日の会見に比べると、会場に「答え」を提供出来たのではないかと思います。3日目、そして4日目の会見の通訳も私が行いました。終わったときには、ドッと安心するのと同時に疲れました。モチベーションへのダメージが大きい最初の2日間を経ての3日目、4日目だったからでしょうか。4日間とは思えない、濃い経験でした。他の国際試合と比べると、大きな試合ではなかったかもしれませんが、私は毎回記者の前に出て通訳をするのは、大舞台で毎回緊張しました。なかなか上手くいかないことの多い4日でした。しかし、新聞の記事の一部に自分の訳したコメントが使われていたりすると、ちょっと嬉しかったです。どの仕事にもいえることなのかもしれませんが、場数を踏むというのはとても大事なことだな、とつくづく思いました。

 この4日を終えた後は、数週間後に控えた中間発表も緊張せず出来そうだなあ、とまで思ってしまいました。少なくとも、その発表会に記者は居ないし、全員教授。ある程度自分の専門分野でもあるので、話はしやすいだろうなあ、ということを考えてしまいました。

 この4日間で色々なことを考えたのですが、特に印象的だったことを2点。まず、フランス人はおしゃべり。私はフランスやフランス語圏で生活をしたことはありますが、そういった地域圏外でフランス人の集団と接したのは今回が初めてでした。フランス人がおしゃべりというのは、以前から感じていたこと。フランスやフランス語圏では、日常的にそういったことを目にしていたし、その地域ではそれが当たり前、という感じでした。ただ、彼らがそういった地域を離れてみると、彼らがどれだけおしゃべりか、ということがよく分かります!プレスルームでは日本の記者の作業スペース、フランスの記者の作業スペースが設けられていました。日本側はほとんど沈黙で、キーボードを打つ音ぐらいしか聞こえてきません。しかし、フランス側はずーっと誰かがおしゃべりをしています。ヒソヒソという感じではなく、ペチャクチャと楽しげな様子でした。「フランスの人って本当におしゃべりなんだな」と再認識してしまいました。

 次が、フランス語の明確さと日本語の曖昧さ。両言語に良さはあると思うのですが(特に日本語は挨拶の表現が豊かな気がします)、日本語の曖昧さは通訳泣かせです。特に「〜について一言」や「〜はどうですか?」という表現は、分かりづらいです。何度かこのような質問が来たときは、私もヒヤヒヤしました。英語でもそうですが、フランス語はそれ以上に明確さ/精密さが求められる気がします。名詞の性を始めとすると、言葉の性質上、精密性が求められる言語です。日本語ではなんとなく意味が通じる表現でも、いざフランス語に訳すとなると、「つまりどういうことなんだろう?」と何度も考えてしまいました。普段、日本語からフランス語、フランス語から日本語いうことはあんまり考えないので、この通訳という作業は言葉を比較する上で面白い経験でした。
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tommy88

羨ましいくらい貴重な体験をされました。
もっとステキに日本語を磨いて下さい。
おそらく活躍の場がもっと広がることと思います。
書く事へも寄与する経験だったと思います。
苦手なモノを、どんどん場数を踏んで、身につけていって下さい。
緊張はしても、怖い物ではありません。
粉飾決算後の株主総会なら怖いと感じて当然ですが。
「友好的」なココロがある場所だから、怖くはありません。
また機会を得て、成長して下さい。

by tommy88 (2017-02-26 11:59) 

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