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麒麟の翼(by 東野圭吾 : 2011) [読書’14]

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(日本橋・人形町の店に貼り出されていた映画のポスター)
 以前、日本橋(地区ではなく、橋そのもの)へ行って、ビデオ撮影をしました。その映像を見た両親から、「麒麟の翼が写っていた!」と言われた時は、「何それ?」と私は答えていました。橋の縁にある大きな像、という説明を受けたのですが、何となくしか覚えていませんでした。なぜ、この像に両親が反応したのか。というのも、東野圭吾にハマっている両親が、読んだ作品の一つに、この麒麟の像がメインとなったものがあったようです。ずっと気になってはいたのですが、他に読んでいた本があったため、図書館で借りてきても、読まずに返す、ということを何度かしていました。

 ようやく、読む時間が少し出来たので、両親の間で話題になっていたこの本を読んでみることにしました。他の東野圭吾作品同様、一気に読むことが出来ました。加賀恭一郎という刑事のシリーズものの一つのようで、毎回日本橋が舞台となるようです。

 推理小説ではあるのですが、理系のアッと驚くようなトリックもなければ、意外なアリバイ作りというのもありません。事件自体はありがちな感じでした。なぜこれほど面白かったのかというと、主人公の加賀刑事の足を使った捜査です。舞台である日本橋の老舗を知り尽くしていて、事件の現場近くをとにかく歩き回ります。そこの喫茶店や老舗の人に話を地道に聞いて、真相に近づくという過程が私のお気に入りです。私が日本橋へ行ったばかりということも手伝って、加賀刑事がどこら辺を歩いているのか、というのが頭にはっきり浮かんできます。他の作品では知らない場所が多いので、地名を見ても「ふーん」という感じなのですが、この作品では「あの辺りだなあ」と場所を想像しながら読んでしまいます。また、作品に登場する日本橋の人々にも結構現実味があります。作品に出てくるおしゃれな喫茶店が何となく現実にもあるような気がします。日本橋(人形町)という場所を上手く使った作品でした 。

 仮に、日本橋へ行く前にこの本を読んでいたら、自分にとってあまり印象に残らないものだったと思います。他の作品でも、同じように日本橋が舞台になっているのか、気になるところです。日本橋が舞台だからこそ、このような聞き込みが上手くいくような気がします。極端な例ですが、これが銀座だったら、これほど上手くいかないと思います。
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