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2月9日の投票 その1 [政治]

 ソチオリンピック、東京都知事選と盛り上がっていた中、2月9日にスイスで2014年初の国民投票が9日に行われました。3つの議題で注目を集めていたのは、2つ。

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 まずは、中絶を自己負担にするか(議題の正式名称は「人工中絶は個人の問題」)というという議題。この話題はスペインでも中絶を認めるかどうかの法律が話し合われ、フランスでデモが起こり、スイスでも結構大きな話題になっていました。女性の権利、などと関連して、新聞でも「女性の権利特集」が組まれたりしていました。予想通り、通過せず。地図を見ても分かる通り、1(半)州、今でも伝統が深く残っていて(保守的な)Appenzell Rhodes-Intérieures州のみが賛成票を投じる、という結果になりました。

 そして、一番の注目を集めていたのが移民制限(議題の正式名称は「大量移民に反対」)という議題。個人的にとても興味がある議題でした。様々な国と国境を接しているため、スイスにとっても、かなり重要な話題です。この議題を提案したのはUDC(Union Démocratique du Centre)という中道・保守派の党。提案を読んでみましたが、要約すると「毎年スイスへ入国してくる外国人労働者の数に制限を設ける」という提案でした。

  不況の今、スイスでも移民への風当たりは強くなっています。が、アフリカなどからやってくる不法移民者だけでなく、スイスにはたくさんの外国人が働いています。特に、フランスやドイツ、イタリアからの労働者が、毎日越境しながら働いています。小さな国であるスイス、外国人労働者無しでは経済が成り立たない、と言っても過言ではありません。

 また、これは個人的な感覚ですが、スイスというと「中立、亡命者を保護する」というイメージがあります。これはスイス人の間でも一種の誇りでもあるような気がします。こういった誇りを守るためにも、個人的には、僅差で反対が上回るだろうと思っていました。今回の提案に賛成票を投じ、外国人にはある程度寛大なスイスのイメージを壊すことはしないだろう、と思っていました。が、その予想は見事に外れました。

 結果は、50.3%賛成で通過でした。通過するとは思っていなかった、メディア、スイス議会、投票の翌日から大騒ぎでした。投票前にほとんど報道がなかったフランスでも、かなり大きな騒ぎになっていました。オリンピックの話題などほとんど触れず、どの新聞もこの国民投票の結果を大きく扱っていました。
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