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フランスとスイスのフランス語 [フランスとスイス]

 国境を接していて、同じ言語を使っていても、使う言葉が少し違ったりして少し戸惑うことがあります。最初に困ったのが数字。

 フランス語を勉強し始めたのはアリアンス・フランセーズ札幌。フランス政府の機関なので、ここで教えられるのはフランスのフランス語。以前も紹介したことがありますが、数字は特に込み入っています。60ぐらいまでは大丈夫なのですが、70は「soxiante-dix(60+10)」、71は「soxiante et onze(60+11)」、80は「quatre-vignts (4×20)」、93は「quatre-vignt-treize(4×20+13)」となります。ベルギーやスイスでは70(septante)、 80(quatre-vignts)、 90(nonante)と60より前の数字と同じように数えていきます。80にはoctanteという言い方もあったようですが、今では使いません。そのためこの仕組みを見た時、「一体フランス人の頭の中はどうなっているのだ?ベルギー人のように単純に数えていくことが出来ないのか?」と思ったことを記憶しています(これは自分だけでなく、スイス人も同じように考えているとのこと)。が、一度慣れてくるとそういったことは気にならなくなってきます。逆に、単純に数えているはずのベルギーやスイスで逆に「nonante huit(98)」と言われると、一瞬「いくつ?」と思ってしまいました。

 スイスで90(nonante)と言われると、個人的にはquatre-vignts(80)と数えるのだから、90にはそのまま10増えて、quatre-vingt-dixにしてよ!と思ってしまいます。が、「郷に入っては郷に従え」、少し我慢してスイスの数え方で数字を言うよう努力しています。しかしフランス式に慣れてしまっているため、会話のテンポが速い時は、ジュネーブ式に「変換」出来ずフランス式で言ってしまいます。

 同じフランス語でも、言葉の意味がフランスとスイスで異なる時があります。(スイスのフランス語を使う)ホストファミリーと(フランスのフランス語に慣れている)私、使ってみないとその場所独自の言葉だと気付かないこともあります。「タオル」もその内の一つ。私はタオルをservietteと言いますが、スイスではlingeと言います。このlinge、フランスでは汚れた洗濯物を指すときに使います。「汚い」という意味の「sale」という形容詞を付ける時もありますが、省略してしまう場合も多いです。そしてある日ホストマザーから「新しいlingeは風呂場の物干しにかけておいたから」と言われました。「なぜ汚い洗濯物が風呂場の物干しに?『新しい』汚い洗濯物って何だ?」と私は思ったのですが、ここで彼女が言っていた「linge」とはタオルのこと。新しいタオルを風呂場の物干しにかけておいた、という意味だったのでした。このフレーズを言った彼女もすぐに「あっ、linge、フランスと意味が違うか。フランスのフランス語だとservietteだっけ?」と説明してくれたので、すぐに誤解は解けました。スイスの地方へ行くと、スイスでしか使われていない言葉というのも多くあるようです。が、ジュネーブは特にフランスと接している部分も多いため、フランスのフランス語の影響が大きい部分もあります。しかし、それがどこまでなのかというはっきりとした境界線はないため、使ってみないと分からないという状況です。
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