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Cerbèreへの旅 その2 [旅'12]

 到着した翌日、自分たちが滞在する近辺を探索しようと、スペインとの国境を越えてみることにしました。EUになって以来、入国審査はなくなったのですが、山道のため、距離以上に時間がかかりました。またバカンス中ということもあって、たくさんのキャンピングカーもあり、渋滞。日曜日なので、人が出歩かないだろうと思って出かけたにもかかわらず、見事にその予想が外れ、色々な意味で、スペインを堪能することが出来ました。

 やっとのことで到着したスペイン。私にとっては、初めての国です。大学で1年半スペイン語をやったので、興味がある国でもありました。標識なども、スペイン語とよく分からない言語(後にカタラン語と判明しましたが)の2ヶ国語標識になり、いよいよ自分が知らない国へやってきたのだと、実感しました。

 知らない場所へ着くと、とりあえずバー(またはカフェ)を探すのがヨーロッパ人。フランス人の家族と旅しているので、カフェへ向かいました。慣れないスペイン語でオレンジジュースを注文しました。相手も私のスペイン語を理解してくれたようで、無事にオレンジジュースを飲むことが出来ました。外国語が苦手なフランス人も一応スペイン語は同じラテン語系ということで、何とか意思疎通が出来るようです。面白いことにこの国境地帯の地域はお互いが、外国語を話すという状況をよく見かけました。スペイン人はフランス語を、フランス人はスペイン語を話そうと苦労していました。

 各自飲みたいものを注文し、好奇心旺盛なホストマザーが質問。「フランスとスペインの国境近辺、週末は常に渋滞しているの?」とカフェの人に聞いてみました(フランス語で)。日本人の私からすると、週末はどこへ行っても人が多いという感覚です。が、日曜は休む日と捉えるフランス人、納得がいかないようです。すると相手は片言のフランス語で、「大きな火が今日はあるから」と答えてくれました。大きな火、夏ということで花火なのだろうという話になりました。せっかくだから、花火でも見て行くか、という話になり、私たちはカフェに長居することにしました。

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 のんびり話をしていて、ふと山を見ると火が上がっています。「山火事?」と思い、慌ててカフェの従業員に連絡すると、相手も真っ青。消防署に連絡しますが、簡単に行けるような場所ではありません。山道のため1.5車線ほどしかありません(一応2車線ありますが、狭いため、2台の車がすれ違うのは不可能)。更に、バカンスシーズンの今、キャンピングカーが渋滞。果たして、大きな消防車があの場所にたどり着けるのか、ハラハラしながら見ていました。(後日の報道で知ったのですが)スペインは60年に1度と言われるほど、乾燥した夏を迎え、この日は風も強く、一気に火が広がってしまいました。

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 たった20分の間にここまで火が広がってしまいました。現場で車を残し、山を下って来る人も多く居ました。やっとのことで消防車が現場に到着しましたが、簡単に消せるような火ではなくなってしまいました。もちろん道路は通行止め。フランスへ戻る道路は2本あるのですが、1本は数時間前にあった山火事で通行止めになっていました。鎮火はしたようですが、道路はまだ通行止めとなっていました。そのときに、私たちはようやく気付きました。カフェの人が言っていた、「大きな火」というのは花火ではなく、本当に大きな火、山火事だったのです。別の山火事は鎮火したようですが、この山火事はフランス側にも広がっていったようです。私たちがフランスへ戻れる見込みはますます低くなっていきました。
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