SSブログ

フランスの試験 その6  [フランスでの学校生活]

 高校生の気が抜けないのはもちろんのこと、採点者である、高校の先生達もです。例えば、超進学校のHenri IVと呼ばれる高校は去年バカロレア合格者100%を達成しました。この学校の先生は、こういった学校で働けて名誉だとは思いますが、かなり大きなプレッシャーがあるのも事実であると思います。公立校ですが、厳しい入試が各学年であるようです。だからこそ、この100%という数字を達成できるのでしょう。もちろん、バカロレアの合格率だけが基準ではありませんが、高校のステータスであることに変わりはありません。日本では考えられないことですが、各高校がどれくらいの割合でバカロレア合格者を出したか、フランスでは簡単に知ることができます。毎年、トップ10、ワースト10が新聞に載せられます。私も最初この記事を見たときにはびっくりしました。ちょうど日本で、学力テストの点数を学校別に公開するかしないか議論しているところだったので、驚きはさらに大きくなりました。トップ10はパリが独占していますが、地方の高校は特に引け目を感じていません。こういうところは結構のんびりしていて、エリート教育は首都のパリに任せておいて、自分たちは地方で生徒を育てる、という感覚のようです。

 私は幸運にもパリの学校と地方の学校で勉強することが出来ました。両方で勉強してみて気付いたのは、自分の置かれた状況を理解して、それを受け入れ、その中で生きていくという考え方です。日本より学歴主義のフランス、全て学歴で決まってしまうからかもしれません(この問題に関しては色々議論があるため、いつかまた時間がある時に)。エリートは自分の仕事をこなし(パリでは)、地方では「エリートの仕事はエリートに任しておく」という感じで、エリート学校に入れなかったからと言って落ち込んでいる人はほとんど居ません。これを諦めと取るか、自分の人生だと受け入れていると取るかは人それぞれだと思います。そして、バカロレアはそんなエリート予備軍とそれ以外が一緒に受ける(唯一の)試験であるため、フランスでも大きく取り上げられるのかもしれません。

 さてここまで、フランスの試験、バカロレアについて書いてきました。そもそもフランスの試験について書こうと思ったきっかけはフランス人の友人がCAPESという試験を受けたから。日本で言う公務員(教師)採用試験です。これまた独特でした。次回はこの試験について書いていきたいと思います。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0