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フランスの試験 その3 [フランスでの学校生活]

 進路選択後、フランス人の生徒は2年生から2年間かけて本格的にバカロレアの準備をします。日本のようにAO入試、推薦、二次試験というものが存在せず、バカロレアの結果一発勝負です(この制度を変えた方がよい、という議論も最近出てきています)。この試験で高校を終了するか(「卒業」という概念がフランスには存在しません)だけでなく、大学に進学出来るかが決まるので、フランス人にとってバカロレアは人生の中での大きな岐路の1つだそうです。しかし、日本のようにマークシート方式ではないので、一筋縄ではいきません。結論から言うと、日本同様、早くから準備(受験勉強)した人が有利、というわけです。

 3年生にこのバカロレアを受験するのですが、フランス語(国語)だけは別です。2年生の終わりに受験します。「どの学問もまずはフランス語から」という意識が強いフランス、どのコースに在籍する生徒でもフランス語は必須。実際に試験問題を見てみると、どの科目でも、エッセー方式が取られています。例えば、理科の試験。理科の試験というと、計算式が多いイメージですが「本当にこれ、理科の試験?」というような感じです。文章が数文書かれていて、この数文を元に理科の知識に関するエッセーを書く、という感じです。つまり、フランス語のクラスでどのようにエッセーを書いていくか、文書の分析のやり方などを習っていくというわけです。

 ただし、フランス語(国語)はコースによってcoefficient(配点指数)というのが変わってきます。Lなら最終的な点数(20点満点で点数がつけられます)を3倍、他のコースは2倍といった具合です。フランス語の授業時間、使う教科書も異なるので、コースによって受験します。しかし、どのコースであっても4時間という長時間であることに変わりはありません。日本だと考えられないような試験時間ですが、フランス式の試験内容だと、あっという間です。私は歴史の最終試験をパリ政治で受験しましたが、これも4時間。本当に、あっという間でした。1時間内でテーマ(2つ提示される)を選び、どんな構成にするか考え、後の3時間かけてひたすら書く、という感じです。

 3年生のバカロレアが先なので、まだ2年生が受験するフランス語(国語)の試験は始まっていません。一体どんなテーマが問題として出されるのでしょうか。

 次回はいよいよバカロレアを象徴すると言っても良い科目、哲学についてです。
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