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フランクフルトで展覧会 シャガール展 [2023年ドイツ]

 今回の冬学期(昨年秋)からフランクフルトへ出張で行く機会が多く、かなり慣れ親しみのある都市になってきました。私が住む州は異なる「ヘッセン州」というところにフランクフルトはあるので、ちょっとした小旅行のような気分です。これまでは、ほとんどデュッセルドルフからフランクフルト(大学)を往復するだけでした。が、さすがEU金融の中心地、欧州中央銀行があるフランクフルト、私が住むデュッセルドルフよりは大都市、という感じです。そのため、展示会、メッセ、絵画の展覧会、オペラ、等も規模の大きな物が多く開催されています。

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 今回行ってきたのはシャガール展でした。フランクフルトのSchirnという美術館で開催されていたので、今回出張の帰りに行ってきました。この美術館は初めてでしたが、不思議というか、今までに無い形の美術館でした。よく見かける美術館だと、常設展があって、定期的にテーマが替わる特別展、というイメージです。が、この美術館は特別展のみが行われます。Schirn美術館という「箱」だけがあって、特別展が常時開催されている感じです。

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(青があまり無いけれど、今回の展示会で一番気に入った作品)
 今回のシャガール展は私の街でもポスターで宣伝されており、「出張のついでに行ってみよう」と思っていました。さすが人気の画家ということもあって、入館制限有りでした。事前にチケットをネットで購入すると、時間がある程度選べて、その時間にならないと入館できないという仕組みでした。この時間制限によって、人数制限もしているようだけれど、それでもたくさんの人でした。平日でしたが、こんなに人が多い展示会は久々でした。

 なんとなく名前の響きが私にとってはフランス語っぽかったので、フランスに帰化した画家なのかなと勝手に思っていましたが、元々は帝政ロシア(現ベラルーシ)出身の画家のようです。中学校の美術の教科書で見たベラ(奥さん)の絵とパリ・オペラ座の天井画のイメージしかありませんでした。ただ、今回は初期のスケッチ等の作品(ユダヤ教/キリスト教の宗教画)が展示されていて、あの印象的な青や牛は、当初そこまで強調されていなかったことがよく分かります。私は青色が好きなので、後期の作品の方が好きです。淡い優しい色が印象的だけれど、よくよく見るとちょっと不気味な感じがするのも好きな理由です。

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(今回多かった「Private Collection」)
 シャガール展といえど、初期の作品が多く、後期の有名どころは残念ながらあまり展示されていませんでした。アメリカとフランスに常備展として展示されている作品が多いようです。ただ、シャガールの作品全体リストを見ると、そのほとんどが個人所有(Private Collection)。今回の展示会でも出品元を見ると、ほとんどがPrivate Collection。美術界隈では、このPrivate Collectionのデータベース(誰がどの絵画を持っているか)が存在していると思いますが、どんな金持ちの家に絵が飾られているのかなあと想像が膨らみます。個人所有の絵画は、展示会で名前を出さない、というのがルールの気がします。が、(ノブレス・オブリージュをあまり理解していない)名前を出したがる人は居るのかなあ、とか、どういう値段設定で貸し出しているのかな、と色々裏側が気になってしまう、Private Collection多めのシャガール展でした。
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tommy88

ニューヨーク近代美術館で見た「I and the Village 1911」が、シャガールの作品の中ではいちばん好きです。あの有名な、空飛ぶ恋人などよりはずっとずっと好きになった「I and the Village 1911」です。牛と思われる動物と、農夫と思われる村人が見つめ合ってる大胆な構図と色使い、いちばん好きだなぁ。日本で見ると混雑しすぎて観客の後頭部だけだから、海外で見るのが、楽でイイや。

by tommy88 (2023-02-25 21:29) 

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