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She Said(2022) [映画’21-]

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 「2022年の映画」記事にも書いた作品ですが、昨年見た作品です。これは予告編を見てから、気になっていた作品でした。数年前に起こった映画監督/プロデューサーセクハラ告発記事を書いた、New York Times(女性)記者2人の話。1970年代、(当時)地方紙の一つであったWashington Postがベトナム戦争関連の記事をすっぱ抜き、それを率いた女性編集者の映画「The Post」に続いて、女性記者の作品と言えるかもしれません。告発記事が出たのは、2017年なので、5年近く前ではありますが、当時、記事を追っていた私には興味深い作品でした。ただ、この記事を書いた記者が更に本を書いていたことは知らなかったので、是非読んでみたいと思います。

 セクハラをした本人の姿をほとんど全く見せない、という演出は不気味さがあるし、記者と告白者の話だ、というメッセージがはっきり読み取れます。そして、何よりこのプロデューサー本人だけでなく、映画業界、システムがそういった人達を守るように出来てしまっている、ということが上手く説明されていた作品でした。

 なかなか被害者の実名を記事に載せる、ということに同意してもらえる事は難しいので、どうやって説得していくか、また、そもそも被害者をどうやって探し出すか、という「声」を探す話でした。正直、「そのインタビュー、ちょっと焦りすぎじゃない?」と思う場面もありましたが、時間のプレッシャーもある新聞なら仕方がないのかな、とも考えさせられました。

 また、この記事を書いた女性記者二人の話でもあるので、仕事(キャリア)と子育ての両立、という永遠のテーマも描かれていました。仕事以外のテーマにも焦点を当てることで、より現実的な作品になっていた気がします。私は当てはまらないけれど、周り、というかすぐ近くでこの両立に苦労している人達が居るので、本当にまだまだ難しいんだなあと思います。小さい子どもが居る人と初めて仕事をしてみて、小さい子どもがこんだけ風邪を引いたり、病気になったりするということを実感し、予定調整が大変だろうなあ、と他人事ながら思ってしまいました。もちろん、頭で子どもは風邪をひきやすいと理解していましたが、当事者と仕事をしてみて改めて実感したのでした。
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tommy88

これは予告編で見ていて早くWOWOWに来ないかと思っております。
難しい問題を丁寧に描いていると捉えています。
告発ものは既に加害者が死んでもなお裁判にする米国、強し。

女性の「立場」復権を言い騒ぐ連中の脳みその硬さが気になります。
育休が取りやすい環境作りって、取りやすいかどうかではなく、取れ。
子育て支援の「支援」って上から目線だし。
妻が「子育てが終わるまで感傷などなかった」と多忙さを述懐。
もう頭が上がらず、頭を抱えてしまいます。
世の中の仕組みが少しでも良くなって、続く世代が生きやすいように。
そう願うのは、娘を持つ父の、悲哀。

by tommy88 (2023-01-10 15:43) 

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