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博士論文の審査まで  [ドイツでの学生生活]

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(審査後に同僚からもらった花)
 昨日(7月9日)、博士論文の審査があり、無事終了しました。本物の学位をもらうにはまだ手続きに時間がかかりそうですが、とりあえず学位をもらうだけの条件は全て揃ったという感じです。2月に提出して、今学期(春/夏学期)中に審査を行いたいなあと思っていました。日本と異なり、ドイツはいつまでに提出、という規定が特にありません。6年/12学期以内に終わらさなくては学位がもらえないというざっくりとした規則はありますが、それ以外の日程に関しては、かなり緩い感じです。日本だと、この学期で卒業するには、この日までに提出して、その後に審査が行われ卒業、と、しっかり「締め切り」が決まっている感じがします。その締め切りがあるからこそ、予想外のことが起こった時に融通が利かなく不便という面もありますが(授業料も高いので、そのことも考慮しなくてはならない)、予定が立てやすいという利点もある気がします。

 ただドイツは、提出してからは、審査会の日程にもよるところもあるので、早くて2-3ヶ月、長いと6ヶ月近く待つこともあるようです。私が今学期中にやりたかった理由は、学期が終わると、教授陣の予定が揃いづらいため、審査日程が立てにくくなり、翌学期に持ち越されることが多いからです。学期中であれば、授業があるので、週に何度かは審査会の教授も大学に居るからです。数年前まではSkypeでやるという手段もあったのですが、去年ぐらいから規則が変わり、Skypeは禁止になり、審査会の教授はその審査の場に居なくてはならないという風になりました。

 6月頃になっても審査日程の予定が来ないので、「次の学期か・・・」と思っていました。すると6月中旬にいきなり教授からメールが来て、審査の予定も決まりました。論文のコメントが来て、その2週間後に審査を行うという一応のルールがあるということもこの際知りました。うちの大学の授業期間の最終週(7月第二週)という本当にギリギリの時期に行われることになったのでした。

 審査というと、自分の研究のプレゼンをして、質疑応答というイメージですが、うちの学部はちょっと不思議な方法で行われます。テーマ(自分の論説)を4つ考え、それを元に質疑応答が行われます。最初の2つは自分の研究を元に(自分の研究結果から導き出される説)、最後の2つは自分の研究とは必ずしも同じではないテーマを選ぶ、という形です。後者は広く知識を持つ、という意図なのだと思いますが、なかなかくせものでした。自分がなんとなく話せるテーマでないといけないし、かと言って、自分の研究と直接リンクしてはいけない、最後まで頭を悩ませた部分でした。

 この4つのテーマ/論説は、審査10日ほど前に提出しなくてはなりません。その後は練習。同じ研究室の人、似たようなテーマを研究している人、と4人ほどに付き合ってもらって練習しました。当たり前と言えば当たり前ですが、予想しない質問が色々出て、それに対する答えをノートに書いて練習しました。受験の面接のような感じでした。

 審査の前の週には、妹に会いにプラハへ行ったのですが、その際もこの予想回答集を持って行きました。1泊2日の旅行でしたが、一人の時間がある時は、カフェで練習していました。
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Mi

イギリスの大学院を出た人も、いくつかのテーマについて質問などをされる審査だったらしいと聞きました。ヨーロッパではそういうところも多いのでしょうか。
自分の研究とは異なるテーマとはどのようなものを選んだのかな。
そして忙しいときに来てくれてありがとね(^^;)

by Mi (2019-07-11 13:25) 

tommy88

エライ姿勢だと思います。徹底的に準備し、シミュレーションし、修正し、「これだけノート」を用意し、練習を重ねる。これはまさに受験の極意で、正しい姿勢の受験生が必ず成果を出します。だから受験って面白くて、受験校で仕事をするのが一番楽しかった元高校教師です。

by tommy88 (2019-07-12 07:57) 

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