SSブログ

Die göttliche Ordnung (2017) [映画]

1805.jpg
(フランス語圏スイスの人からもらったので、タイトルはフランス語ですが、オリジナルはドイツ語)
 滅多に見ることがない(市場に出る数が少ないというのもあるのですが)スイス映画を先日見ました。クリスマスプレゼントとしてもらいました。スイスドイツ語圏が舞台となっているので、原題はドイツ語で日本語に訳すと「神なる秩序」というような意味になると思います。スイスの女性参政権運動を描いたコメディー映画です。ちなみに、スイスで女性の参政権が認められたのは1971年。

 多分、スイスの事情を知らない人だと、最初の反応は「えっ、スイスって日本より女性の参政権が遅かったの?」だと思います。私もスイスに行くまでは知らず、スイスのホストファミリーからそういう話を聞いて、びっくりしました。直接民主制を取っているスイス、国の重要事項(国民投票をするかどうかも)は全て国民が投票で決めます。1971年にようやく女性の参政権が認められたのですが、国レベルでの国民投票は2回目。1959年の国民投票では、過半数の賛成票が得らなかったわけです。1959年、1971年、両年とも投票したのは、投票権がある人達。もちろん、男性(のみ)。ただ、ここからの道のりも長く、完全にスイス全体で女性が投票出来るようになったのは1990年。アッペンツェル・インナーローデン準州という州は、スイスの中でもかなり保守的な州で、今でも「昔ながらの直接民主主義」を保っている州として有名です。投票は紙ではなく、挙手。この州が最後まで、女性の参政権を認めず、1990年、ついに国から促される形で、参政権が認められたそうです。スイスのホストファミリーから、このような話を聞いてはいたのですが、当時を描いた映画を実際見てみると、「うそでしょー!」と何度も思ってしまいました。そのため、映画ということもあるし、少し大げさな表現も多いかな、というのが映画を見た第一印象でした。しかし、作品鑑賞後に、監督のインタビューを読んだのですが、映画に登場する台詞は全て当時社会で言われていたこと、と書いてあって、かなりびっくりしました。これをシリアスな映画として撮ることも出来たと思いますが、そこをあえてコメディーにしているのは面白いと思いました。当時の滑稽な論調を笑いに変えて、でも強いメッセージのある映画でした。

 スイスの映画ということで、「スイスっぽい風景」がたくさん出てくるのですが、中でも笑えたのが、スイスのドイツ語。スイスドイツ語圏の小さな村が舞台ということになっているので、全編通してドイツ語。ドイツ語勉強中ということもあり、(フランス語)字幕で見たのですが、ほとんど何を言っているのか分かりませんでした。というのも、スイスのドイツ語は、ドイツ人でも「あれはドイツ語ではなくて、別の言葉だ」というぐらい、ドイツで使われているドイツ語と異なります。ドイツ語圏のスイス人もHochdeutsch(標準ドイツ語)、Schweizerdeutsch(スイスドイツ語)と言って区別しているほどです。単語も若干違ったりするのですが、アクセントが異なるというのが私には一番理解しづらいです。フランス語にも、地域によってアクセントの違いがもちろんあります。国境を接しているフランスとスイスでも、アクセントが違います。私も聞いていて、「あー、この人のフランス語はスイスのフランス語だ」となんとなく分かります。ただ、コミュニケーションを取れないほどアクセントが強いということはないので、標準ドイツ語とスイスドイツ語も、それぐらいの差だろうとしか思っていませんでした。しかしこの映画を見て、理解出来たドイツ語は、イタリアからの移民が話す標準ドイツ語でした。スイスドイツ語を聞いた後に、彼女の台詞を聞くと、「なんて分かりやすいんだ」と思ったほどです。
nice!(0)  コメント(2) 

nice! 0

コメント 2

tommy88

青森出身の人と一緒に9ヶ月間を過ごしたことがあって、ほとんど何を言ってるのか分からなかった。標準語で喋れよと言ったら、ズーズーズーズ言って、何やら、ずーっどオラひょうずん語で、はんなすってるだぁ。ナメとんかい! 函館の菅原善直先生も何を言ってるのか分かりづらい。それよりひどい。青森と奄美の人が会話しても、おそらくハタで聞いてても何を喋ってるか理解不能だと思うよ。

by tommy88 (2018-03-07 06:35) 

tommy88

シングリッシュみたいな感じなのかな?!
鹿児島もお年寄りは何を話してるかわからんかったな~


by tommy88 (2019-05-07 17:40) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。