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ジュニア選考会プラス広報 [日本での日常]

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 2月上旬にデビスカップの、記者会見のお手伝いをし、その関連で、今度は、ジュニア選考会前夜のパーティーを手伝ってほしいというお話が来ました。今回も案の定、どういった団体が、どういう関係で、パーティーを開催しているのか、よく分からないまま参加でした。結果的に、特にこれと言った仕事は無かったのですが、不思議なパーティーを経験することが出来ました。

 どういうパーティーか、分からないというのも若干不安ではあったのですが、ドレスコードもユニークでした。ビジネスカジュアルに、何かしらのオレンジを身につける、とのこと。オレンジの洋服をそもそも持っていないし、普段着るような色ではないので、どうコーディネートしたら良いか迷いました。最初はオレンジのスカーフでも買おうかと思ったのですが、意外に売っていませんでした。オレンジに近い茶色が入ったスカーフは見かけたのですが。最終的に、オレンジ色のピアスを購入しました。近くの丸井今井に入っていたお店で唯一のオレンジ色のピアス。迷うことなく購入しました。

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(料理もおいしかった)
 そもそも、ローラン・ギャロスで行われる世界ジュニア大会の日本予選のパーティーというのがメイン。ジュニア大会の国内予選で、なぜこんなに豪華なパーティーなんだ、と最初思ってしまいました。日本の国内予選のため、わざわざフランスのテニス連盟トップの人達が来ていて、ますます謎が深まりました。しかし、パーティーが始まる内に、もう一つのイベントと組み合わさっていることに気づきました。それは、2024年のパリオリンピック招致。どおりで、テニス関係外のフランス大使館の人が挨拶をしているわけでした。

 と、前回同様、色々な団体の考えが、色々なところで出ているパーティーでした。そこで私が感じた点は2つ。
1.フランス人のプライド
 これは、前回も、テニス協会の人から説明してもらって思ったのですが、フランス人が全仏オープンが行われるクレーコートにすごい誇りを持っています。テニス関係者(と言っても、フランス人と日本人しか知りませんが)に話を聞くと、フランスのテニス関係者はクレーコートへの思い入れが強いという話をよく聞きます。蛇足になりますが、ボールの落ちた場所がクレーコートだとはっきり分かるということで、チャレンジシステム(ビデオ判定)がないのも、四大大会で全仏オープンのみ。それも結構、誇りみたいです。

 全仏オープン関連でいうと、試合のアナウンスがフランス語だけ、というのもこの試合の特徴。ドイツ、アメリカ、フランスで行われた試合をテレビで見たことがあるのですが、ドイツでは英語の後にドイツ語のアナウンスがあったと記憶しています。しかし全仏オープンは、フランス語のみ。

 テニス用語というテクニカルなものだから、英語もフランス語も単語が同じだと最初は思っていたのですが、全仏オープンの試合を見てびっくり。もちろん、同じものもあるのですが、全く異なる単語もあります。良い例が、「love」です。0点の時(例えば0-15)に、「love – 15」と英語(そして日本語)で言います。が、フランス語では単純に「0」と表現します。確かに、言われてみると、なぜわざわざゼロを「ラブ」というのか、不思議です。というように、フランス語でのアナウンスは、私にとっては良い勉強になったのですが、英語が主流なテニス界では異質の大会だと思います。

2.「パッケージ」にするのが上手なフランス人
 よく、アメリカ文化の広がりの批判として、「世界中どこに行ってもスターバックスやマクドナルドがある」という例が挙がります。(国の政策かどうかは別として)ハリウッド映画も、世界中で広がっています。アメリカの文化を広める戦略として、単体での進出が多い気がします。フランスは、単品というよりかは、色々なものをまとめたパッケージで他国に進出というのが多い印象です。

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(大使館のパティシエが作ったケーキ)
 例えば、今回のパーティー。メインはジュニア世界大会出場権をかけた国内の予選会前のパーティー。しかし、その中にしっかり2024年オリンピック立候補のメッセージが出ていたし、「フランス文化」ということで、大使館専属のパティシエが作ったケーキが登場していました。「上手いなあ、やられた」と私は思ってしまいました。

 また、「フランス文化、フランス語発信拠点」として、世界中にアリアンス・フランセーズ/日仏学院と呼ばれる組織があります。私の知る限り、中国語(孔子学院)、ドイツ語(ゲーテ学院)、スペイン語(セルバンテス文化センター)、英語(British Council/イギリス)が似たような組織を持っています。私はゲーテ学院とアリアンス・フランセーズへしか行ったことがないので、2つの組織の比較しかできませんが、総合的な(文化や言語の)発信という点においては、アリアンス・フランセーズの方が上手です。もちろん、ゲーテ学院は、ドイツ語学習拠点だけでなく、ドイツ語の図書館があったり、ドイツ語映画の上映会をやったりしています。しかし、個人的な私の印象では、どうしてもドイツ語学習拠点がメインになってしまっているような気がします。色々やり過ぎず、ドイツ語学習という目標に向かってコツコツやっていく辺りは、ドイツらしいなあと思います。他方、アリアンス・フランセーズは、フランス語学習に留まらず、色々なことを各施設でやっていて、「文化パッケージ発信」が上手だなあと思ってしまいます。一極集中の政治形態であるフランス、文化省から全世界のアリアンス・フランセーズに指示などを出しやすいのかな(ドイツは逆に各州の力が強い)とも思ってしまいます。

(お土産までもらってきました。Lacosteのマグカップ)
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(このパーティーのメインスポンサーであるLonginesのペンもお土産にもらいました)
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コメント 3

tommy88

すごいですね。
時給を貰ってただ食い、土産付き。
通訳の役得ですね。
ダバディに感謝です。

by tommy88 (2017-03-05 10:44) 

Mi

上海も、至る所にスタバ。KFCも至る所にあったけれど、最近はマックの方が人気だとか。
by Mi (2017-03-06 21:51) 

次女

オレンジ色のピアス!
周りの人がどんなオレンジ色を取り入れてくるのかも、気になるね。

ケーキもすごい!
すてきなパーティーですね。
色々なことも学べそうで。
by 次女 (2017-04-10 21:00) 

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