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2月9日の投票後 その2 [政治]

 2月9日がもたらした「良い」影響といえるのが、このトピックに関連した講演の数が増えた、ということでしょうか。個人的に興味がある話題なので、2月9日後は、いくつかの講演へ行って来ました。そして先日は、ジュネーブ大学が(新聞社Le Temps後援の元)「Quel avenir européen pour la Suisse ?(スイスにとってどのようなヨーロッパの将来か?)」という題の大きな講演会を開きました。「ヨーロッパの将来」とかなり広いテーマになっていますが、もちろん「2月9日の投票結果を経て」という表現がこのテーマの前に付くと思います。この講演会、9時~18時までとかなり長丁場の講演会でした。同じ人が長々と話をするのではなく、細かいテーマに分けてパネリストが招待され、各自コメントを述べる、という方法で進んでいきました。私も興味のあるパネルをいくつか見てきました。

 講演会で一番の見せ場は2月9日の議案を提案した党UDCからのスピーカー。(少なくともジュネーブでは)反対意見が多く占めるので、そういった状況でどういった反論をしていくのか、気になっていました。が、実際に聞いてみると、時間制限のためなのか、作戦なのか、「質問に答えない答え」のような表現が多かった気がします。この講演会、新聞社ホームページで中継されていたため、下手なことをいえない、というのが、本音だったのかもしれません。

 意外にも、一番面白かったのは「Les cantons dans la tourmente(騒ぎの中の県)」でした。ジュネーブ州とヴォ州(Lausanneがある州)の州議会メンバーの講演でした。欲を言えば、投票で「賛成票」を投じた州議会、つまり上記2州とは反対意見の人たちも居たほうが、講演もより面白くなったと思います。

 この講演では、2州が他の州議会の説得にどうあたったのか話をしていました。2月9日以降、フランス語圏の新聞では「L’autre Suisse(もう一つのスイス=賛成した人達)」という言葉が出来ましたが、「もう一つのスイス」の説得を試みたけれど、成功出来ず、という様子が話からはうかがえました。もちろん、どう説得をしていったのかという話題も裏話のような感じで聞いていて面白かったのですが、印象に残っているのはヴォ州のライバル意識。ヴォ州にはLausanneという大きな都市があるとは言え、やはり知名度はジュネーブの方が断然上。経済力などを考えても、ジュネーブの方が上のような気がします。そのせいか、このヴォ州の議員は「ジュネーブ州に比べると、参加率が上だった」や「反対率もジュネーブ州より高かった」という発言をしていました。ジュネーブ州の議員は「ヴォ州のメンバーと協力して」とあくまでも、フランス語圏州の団結を強調していたのに比べると大きく異なり、笑ってしまいました。「スイス」という国より、あくまでも州、そして自分の住む村(市)出身という意識が強いのだなあと思いました。
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