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オリンピックにちなんで(札幌) [外から見た日本]

 さて、先日から日本で期待の女子フィギュアスケートが始まったようです。オリンピックにちなんで、札幌オリンピックについての話を書きたいと思います。

 小学校から高校まではずっと札幌で育ってきたので、北海道のありがたさはあまり感じていませんでした。が、大学から東京へ行ってから、ようやく北海道の良さみたいなものを少しずつ感じるようになってきました。例えば、スーパーで見たイクラの値段(同時に北海道で食べるイクラの質の高さ)を見て、とても驚きました。そして、大学では地方や別の国から来た人達が多くいましたが、北海道出身の人は私の学部にあまり居ませんでした。そこで、自己紹介をする度、他県の人から聞かれるのは「冬、学校へはスキーで行くって本当?」ということでした。北海道から離れた県に住んでいる人ほど、こういう質問をする傾向が強かった気がします。一体どういう情報源だろう、と思ってしまいましたが。「県民ショー」を日常生活で体験することになりました。

 北海道に対して変わったイメージを持っている人が多く居るにせよ、日本で観光客も多く、知られた県です。が、ヨーロッパに来るとHokkaidoを知っている人はあまり居ません。首都の東京、大都市の大阪、伝統の街京都などを知っている人は居ますが、Hokkaidoを知っているのは日本通、という感じでした。

 が、スイスに来てからはそういうことがほとんど無くなりました。自己紹介をして、私が日本出身だと分かると相手は「あー、遠いね。日本についてはほとんど知らないけれど、どこの街から来たの?」と聞いてきます。札幌、と答えると、「1972年にオリンピックがあった年だね」という返事が返ってきます。1972年時点では生まれていなかった私のような世代でも、(日本について全く知らなくても)札幌の名前は知っていて、最初はちょっとびっくりしました。オリンピックに関心を持っていないと、何年にどこの都市(国)で、オリンピックが行われたのかということはほとんど覚えていないと思います。私も1998年の長野オリンピック以前の冬季オリンピック開催地は結構あやふやです。そして、個人的な印象ですが、スイスと日本を比べると、日本の方がオリンピック熱、というのは強いと思います。それなのに、なぜ札幌オリンピックだけ知られているのか、とずっと謎に思っていました。

 そこで今回ソチオリンピックが行われているのを機に、なぜ1972年の札幌オリンピックがこれほど有名なのか、調べてみました。幸い冬季オリンピックは歴史が夏に比べると短いので、簡単に第一回目からメダル数を調べることが出来ました。まずスイスがこの年に獲得したメダルの数は10個、少なくはありませんが、特に多い、というわけではありません。他の年でも10個を取ったことがあるし、1988年のカルガリーオリンピックでは15個獲得しています。金メダルの数は、4個、これも特に多いというわけではありません。前回のバンクーバーでは6個、そして今回も既に6個獲得しています。

 そこで、1972年前後のメダル数を比較してみました。そしてようやく、1972年のオリンピックがスイス人にとって印象深いのかが分かりました。簡単に言うと、1972年で、冬季スポーツ(大)国スイス、を印象づけたからです。

 札幌オリンピック前の1968年グルノーブル大会、スイスは金メダル0、その前の1964年インスブルックはメダル0とスイスの「冬季スポーツ低迷時期」だったようです。1972年まで、メダル2桁を獲得したのは1948年自国開催のサンモリッツのみ。1960年代、スイスのスポーツ政策がどう変化したのかよく分かりませんが、1972年にようやく、冬季スポーツ国スイスが復活/誕生した、と言えるのかもしれません(この年のメダル獲得数ランキング3位)

 更に、1972年にスイスが獲得した金メダル4つの内、2つがMarie-Theres Nadigという当時17歳のスキーの選手。当時を知っているスイス人は「若い人が金メダルを取った大会」という印象が強かったみたいです。滑降と大回転という種目でメダルを取ったようです。ちなみに大回転の競技は手稲山で行われたようです。この山にあるスキー場、学校のスキー授業でよく行きました。「聖火台コース」というコースもあって、初めて行った時は「ずいぶんと変わった名前のコースだ」と思っていました。が、スキーの先生に札幌オリンピックが行われた場所だと言われて、納得した思い出があります。
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