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2月9日の投票 最終回 [政治]

 この結果を受けて慌てたのはEU諸国。読んでいる新聞がフランスのものだけですが、フランスももちろんこの話題が新聞にたくさん出ていました。投票前はほとんど報道がなされていなかったのですが、10日から一気にこの話題が新聞に載っていました。理由はもちろん、EUとの条約見直し。

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 スイスはEUに加盟していませんが、その条約の一つ、シェンゲン協定に入っています。この協定の特徴は、libre circulation(自由な移動)、つまりこの協定に入っている国の間は、パスポートなし、税関なしで自由に行き来することが出来ます。そして、こういった協定に触れるであろう人の例が、ジュネーブでfrontalier(越境者)と呼ばれる人達。これは主に、フランスに住んで、ジュネーブで働く人のことを指しています。渋滞の原因や税金の問題などで、あまり歓迎されていないfrontalier(越境者)ですが、かれらがジュネーブの労働人口の多くを占めているのも事実。例えば、夏に私が大学の事務所でアルバイトした時も、事務で働いていた人達全員がフランス人でした。そして、この投票結果によって、こういったフランス国籍を持つfrontalier(越境者)にも大きな影響が出るのではないか、とフランスは心配しているわけです。

 また、私は全く考えてもいなかったのですが、この投票、交換留学協定にも影響が出るようです。ヨーロッパには「エラスムス」という留学制度があります。学費を受け入れ大学に払わなくて良い、などという点において、日本の交換留学の制度に似ています。シェンゲン協定の見直しとなれば、このエラスムスにも制限がかかるのではないか、と大学関係者は心配しているようです。イタリア、ドイツ、フランスなどの国と隣接しているスイス、EUとの条約を見直しさせてはならない、とEUは対応を色々考えているようですが、どうなるのでしょうか。

 投票から約1週間経ちましたが、今でも新聞でこの投票結果についての記事を見かけます。スイスがどう制限を設けるのか、どうEUと「うまく」やっていくのか、興味深いところです。
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