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フランスの試験 その1 [フランスでの学校生活]

 ただいまフランス時間13時47分、バカロレアの最初の科目、Philosophie(哲学)が終了して約2時間経ちました。そう、今フランスでは全国規模の試験の真っ最中です。医学部の入試(他の学部に「入試」はないのですが、医学部は別)、教員採用試験、など学期が終了した今、試験のシーズンです。そしてフランスで、人生で最初に手にできる学位と考えられているバカロレア(高校卒業試験)が今日から始まりました。この試験がどんな物であるのかの説明の前に、今回はフランスの高校について少し書いていきたいと思います。

 このバカロレアさえ持っていれば、国立の大学、どこでも入ることが出来ます。もちろん、パリにあるソルボンヌなどの人気はたいへん高いので、別の試験が用意されていますが、通常日本のような入試はありません。大学によって、どの学部が「強い」(どの研究に力を入れているか)というのは存在します。例えば、Bordeaux大学は語学で有名、フランスの中心にあるClermont-Ferrand(高校の時、留学していた場所の近く)は数理学者のパスカル出身地として知られているため、理系が強いようです。それ以外は、大差ないため、自分の家から近い大学を選ぶ人が多いようです。

 日本のセンター試験のように、全国各地でこのバカロレアが行われます。そのため、メディアも本屋も数週間前からこのバカロレアの話題で持ちきりです。バカロレア用の対策本が出たりして、この辺は日本と少し雰囲気が似ています。日本のような予備校は存在しませんが、家庭教師は日本同様、学生のアルバイトとして人気です。

 このバカロレア、フランス人でも完璧にシステムを知り尽くしている人は居ません。なぜなら日本で言う「専門学校」に通う人達もバカロレアを受けるので、受験科目が色々だからです。一般的には、S(理系)、L(文系)、ES(経済系)と3つに分かれています。高校2年生に進級するとき、どの分野に行くのか選ぶのですが、面白いことに多くの生徒がS(理系)を選びます。S(理系)を選ぶと、たいていどの大学にも進学出来、仕事も見つけやすいというのが理由のようです。何をしたいかよく決まっていなく、とりあえず数学が苦手ではない生徒はみなS(理系)に進みます。そして、数学が出来ない生徒は強制的にL(文系)です。面白いことに、数学が出来ない学生は多くの場合、フランス語(国語)が好きなので、L(文系)に進むとなってもあまり落ち込む人は居ません。最後に、数学は苦手ではないけれど、かと言って、L(文系)に行きたくもない、という人達はES(経済系)を選びます。もちろん、経済系に興味があって、このESのコースを選ぶ人も居ます。

 さて、このコースはどうやって選択されるのか?それについては次回。
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