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The Usual Suspects (1995) [映画]

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 「良い映画」の定義は人によってもちろん異なります。私の中では、良い脚本というのが大きな基準です。だから、私は凝った映像技術がなくても、脚本が良ければ映画を楽しめる、という人です。そのためか、舞台が元になった映画なども好きです。食卓やリビングで登場人物が2時間話しているという作品でもじっくり見てしまいます。

 前置きが少し長くなりましたが、今回見た作品、 脚本が良かったのはもちろん、撮り方も良かったです。父に勧められてDVDを借りてきたのですが、あらすじなどを事前の読まないほうが良いとのことだったので、予告編なども見ずに鑑賞しました。映画を見終えた今考えるとまさにその通り。予備知識など全く無いまま見るのが、この映画を一番楽しめる方法だと思います。普段、感想をこのブログに書くときもなるべくネタバレはしないように書いているのですが、たまに作品の大筋などに触れることもあります。今回はそれさえも無い方が良いと思える作品だったので、今、感想を書くのに若干苦労しています。

 父が良かったと言っていた映画だったので、何か理由があるはずだと思い、最初5分は撮影方法などにも気を遣って見ていました。しっかり見ていたので分かってくる部分というのは後々出てくるのですが、10分ぐらいすると、話を追うのに必死で撮影方法までには気がまわらなくなってしまいました。本編を見た翌日に、製作者コメント(本編をバックに、製作陣のコメント解説が入る)を聞きながら本編をまた見てみました。ストーリーは分かっているので、2回目には少し余裕が出てきて、色々なヒントの部分に気づきながら鑑賞することが出来ました。そのような細かい部分が理解出来ると、最初に見た時以上に「良い映画だったなあ」と思ってしまいました。コメントを聞いていると、登場人物の設定背景にもついて触れられていて、それを知ると、更に「凝っているなあ」と思えます。

 どんな映画か分からずに鑑賞していたせいか、「なんだかよく分からない映画だなあ」と思って見ていました。洒落た台詞は何ヶ所か出てきていましたが、それほど印象に残るわけでもありませんでした。実際に計測したわけではないのですが、私の感覚でラスト20分の感想は「えー、なんだー」という感じでした。「そこまででもないなあ」とまで正直思ってしまいました。ただラスト10分は、「あっ、おー!」という感じ、そして色々なセリフにも納得してしまいます。他の映画だったらそこまで印象に残るシーンではないのに、最後の方のシーンはかっこいいとまで思ってしまいました。
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Star Wars : The Force Awakens (2015) [映画]

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 2年前に公開された作品ですが、私にとっては久々のスター・ウォーズでした。最後の作品(エピソード3)が公開されてから10年以上経つこともあり、私の周りでも結構盛り上がっていました。評価もきれいに分かれていたので、(全作品を見ているファンとして)どんなものかずっと気になっていました。先日、図書館でDVDを借りることが出来たので、早速見てみました。

 当たり前と言えばそうなのかもしれませんが、色々な意味で「時間が経った」ということを感じされる映画でした。最初の作品が作られてから40年近く経っているので当たり前ではありますが、過去の作品から引き続き出ている人達はもちろん年を重ね、今の社会を映し出したストーリーになっていた気がします。

 キャラクターだけでなく、初めてスター・ウォーズを見た時からも私も年を重ねました。確か、映画館でエピソードIを見たのが初めてだったと思うので、18年前。当時は英語もよく分からず、あの印象的なオープニングの文章も理解出来ませんでした。吹き替えか字幕で見たのですが、ストーリーもよく分かっていなかったので、多分日本語でも理解していなかったと思います。ただ、「流れるように画面に映し出される文章が理解できるようになれればなあ」と思ったことは、結構覚えています。今作品は無事、その文章が理解出来ました。エピソードIではその文章がすごく長く感じましたが、今回はストーリー説明が結構短くて若干拍子抜けもしてしまいました。

 内容に関しては、新旧、両方のファンのための演出がいくつかあったたので、これに関しては賛否両論あるだろうなあと思ってしまいました。私はストーリーをどころどころ忘れていたので、ちょうど良かったです。ただ、(Lucas Filmを買収した会社の影響か)過去の作品に比べると、若干ストーリーが簡単すぎたような気がします。私の好きなR2-D2の出番が少なかったのが少し残念でしたが、次回作に期待します。
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Le sens de la fête (2017) [映画]

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 久々のフランス映画でした。パリで日曜の朝に見に行ったのですが、ご年配の人がたくさん見に来ていました。年配の人が好む映画なのかな、と思ってしまいましたが、そうでもなさそうでした。

 この映画に出ているこの俳優さんは、スイスのホストファミリーが好きでよく彼が出ている映画は見ていました。元パートナーの女優と組んで出ている映画はどれも結構面白くて私も好きでした。彼らが出る映画は、どの家庭にもありそうな「家族のちょっとしたもめ事」を描く作品が多い気がします。今回も(元パートナーは出ていませんが)期待してしまいました。まあまあ面白い映画ではあったのですが、「すごく面白い」と言えるものではありませんでした。軽い笑いの映画、と言ったらよいのでしょうか。

 主人公はブライダルプランナー/コーディネーター。彼がコーディネートする、とある結婚式の日を追う、という話です。日本同様、フランスの結婚式も色々な人の思惑が絡まり合い、「色々ある」行事のようです。まさにタイトルが意味するように「祝い事の意味」を考えさせられます。

 数えるほどしか結婚式には行ったことがありませんが、友達の結婚式はブライダルコーディネーターなどおらず、簡単なものが多かった気がします(学生婚が多いからでしょうか)。そのため、コーディネーターの仕事ぶりというのを間近で見たことがありません。この映画を見て、やっぱり華やかな場の裏で色々あるんだなあと思ってしまいました。調整力がかなり問われる職業だと思います。

 もちろん映画なので、結婚式の一日を追っただけでは話になりません。このコーディネーター自身、そして彼を取り巻くのも「色々ある」人達ばかり。もちろん誇張はしていると思いますが、フランスが舞台だからか、実際に居そうな人達ばかりでした。これがもし日本、ドイツ、アメリカなど違う国が舞台だったら、現実味がある登場人物ではなかったです。「ちょっと大げさだけど、フランスだったらこういう人居そう」とか、「こういう状況ありそう」と映画を見ながら思ってしまいました。
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Newsroom (2012) [映画]

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 日本でこのドラマのDVDが発売されていなかった(いない)ので、ヨーロッパに来た際、購入しました(ヨーロッパと日本のDVDのリージョンコードが一緒)。2012年に第3シーズンを最後にこのドラマは残念ながら終了してしまいました。

 2012年ということで、約5年前に作られたドラマを今見ているのですが、現在のアメリカの政治状況を見ると、このドラマのすごさが分かります。ニュースの現場が舞台のこのドラマに、「おかしなことを言っている政治家/活動家」というのが何人も登場しますが、今では、そういった人達が現在のアメリカの政治の中心になってしまいました。また、医療保険制度、債務上限(debt ceiling)引き上げ等、今でもアメリカのメディアで大きく議論されていることが、取り上げられています。そう考えると、製作陣はかなり先見の明がある人達なのか、と思います。製作者/脚本家が、私の好きなアーロン・ソーキンなので、納得でもあります。

 彼のドラマの特徴として、登場人物同士の速いやりとりというのがあります。英語字幕をつけて見ていたのですが、その字幕のスピードに追いつけないことも何度かありました。テンポ良く、また現実にあった出来事(2012年アメリカ大統領選等)を取り扱っているので、実際に記者達がどう対応したのか(理想的にどう対応したかったのか)というのをこのドラマで追うことができます。DVDには製作陣のコメント/解説付きエピソードというのも入っているので、現実にあった出来事とドラマをどう組み合わせたのかという裏話も聞けます。アメリカで実際に起こった出来事だけでなく、同じ日に世界ではどういうことがあったのか、ということを上手に組み合わせているということが、コメントを聞いているとよく分かります。例えば、実際に話題には上らなくても、当時の映像を、オフィスのモニターに映し出したりしていました。こういった部分は、指摘されないと気づかないぐらい細かい部分。そして、製作兼脚本家がほぼ、どの解説にも、登場するのですが、自身が書く脚本同様、彼の話すスピードも速いです。1つのエピソードで2度楽しめる、DVDならではの醍醐味です。
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Beauty and the Beast(2017) [映画]

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 さて、私がベトナムの映画館で見た映画というのは、Beauty and the Beastの実写版でした。小さい頃から見ていたディズニー映画の中で、「美女と野獣」は私の好きな作品の一つでした。そのため、あのシーンやこのシーンがどのように実写化されているのが楽しみでした。

 感想から言うと、色々な意味で、現代化された映画だと思いました。キャラクターのアレンジや登場人物、映像技術、様々な部分が現代的でした。小さい頃に見ていた映画でしたが、歌はしっかりと記憶に残っていて、とても懐かしい感じがしました。また、小さい頃は、歌詞の意味など全く理解せずに見ていました。いざ歌詞をしっかり聞いてみると、素晴らしい歌だな、と思い、この映画に登場する曲のすばらしさを再認識したりもしました。

 この映画に登場するガストンは、私が一番嫌いなVillains(ビランズ/悪役)の一人なのですが、実写版ではそれ以上に嫌なキャラクターでした。つまりこの役を演じている役者さんの力量だと思いますが、相変わらず嫌なキャラクターでした。

 ベトナムの映画館で見たので、普段であれば字幕を目で追います。が、今回は音声が英語、字幕がベトナム語。字幕はもちろん見ても全く分からないので、音声に頼り切るという不思議な映画鑑賞でした。

La La Land (2016) [映画]

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 映画を多く見ると決めた、2017年。早速見たかった映画の試写会が当たりました。アメリカの映画賞で数々の賞を獲得して、話題となっている映画です。話題になっている作品だけあって、試写会にはたくさんの人が来ていました。いつもは、開映15分ぐらい前に行くのですが(一人席はいくらでも空いているので)、今回は建物の外(一橋ホール、800人収容)まで列が出来ていて、入れないんじゃないかと思ったほどでした。この列のせいで、開映時間が20分ほど遅れたほどでした。

 感想はというと、最初から最後まで良かったです。特にオープニングの歌、ダンスは印象的で、「さすがエンターテイメントの地、ハリウッドだな」と思ってしまいました。その後も、その勢いを失うことなく、最後まで楽しめました。ストーリー、というか、撮り方や脚色が良かったと言った方が良いかもしれません。傾向としては、数年前に話題になったフランス映画「The Artist」に似ているかもしれません。古き良き時代のハリウッド、のようなものが所々に出てきていた気がします。ミュージカルなので、場面切り替えがはっきりしていて、最初、ミュージカルが元になった映画かと思ったほどです。私は、劇を元にした映画(例えば場所が全く移動せず、リビングで1時間30分ぐらい台詞の言い回しがあるような映画)も結構好きなので、この映画の話の進め方も好きでした。配色や背景、ファッション、どれを取っても私好みでした。

 ミュージカルと言っても、エンディングは色々考えさせられる終わり方でした。終わった瞬間は「えっ、なんでこの終わり方?!」とがっかりしてしまいました。しかし、後からこの映画のテーマが何であったのかをしっかり考えてみると、納得で、「なかなか良いエンディングだったな」と思い直してしまいました。

About Time (2013) [映画]

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 2016年の初めに立てた目標が、「去年以上に映画を見る」でした。ちなみに2015年に見た映画の数は24作品。平均1ヶ月2作品と考えると、まあまあかもしれませんが、年末3ヶ月はほとんど映画を見なかったので、ちょっと物足りない気がしました。そこで、市内の図書館へ会員登録しました。学生だと一年間8€でDVDや本を借りることができます。会員登録した頃、父のブログでこの作品が紹介されていて、見たいなあと思っていました。ちょうど市内の図書館にあったので、借りてきました。

 タイムトラベルが出来る主人公の話なので、もちろん現実ではあり得ない話です。が、登場人物は現実味のある人達ばかり。色々な性格の登場人物が描かれていますが、誰もが自分の周りに必ず一人は居そうな人達。また、主人公が恋人と出会うきっかけとなる不思議なバー/レストランもロンドンに実在していそうな気がします。上手く説明出来ないのですが、パリでもなく、ベルリンでもなく、東京でもなく、ロンドンだからこそありそうなバーだと個人的に思ってしまいました。 「現実には絶対あり得ないよね」という感想を持たないまま、(ストーリーが良くない、ファンタジー/SF映画を見ると私はたまにこういう感想を抱いてしまいます)あっという間に映画は終わってしまいました。

 原題は直訳すると「時間について」となっていますが、映画を見てすぐに感じたのは「選択の結果」、人生の選択でしょうか。人生で色々な選択肢があり、その内の一つを選んだ(=決断した)結果が今に繋がっていると思います。人生に「もし」や「たら」はないけれど、別の選択肢を選んだら、もちろん違う結果/異なる「今」に繋がっていくのだと思います。少し哲学的な話になるかもしれませんが、何をもって「最善の選択」とするのかも難しいと思います。私は次に繋がるような、その時その場所で最善の選択をするようにしていますが、その決断の結果がどんなものであるのか、その時になってみないと分かりません。また「その時」がいつであるのか、見極めるのも難しいです。と、人生の選択肢について色々考えてしまった映画でした。「恋愛もの」としても、もちろん楽しめるけれど、それ以上に考えさせられる映画でした。

Spotlight(2015) [映画]

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 秋学期が終わり、プレゼン、提出物、試験と少し一段落したので数日旅に出ていました。イタリアのボローニャへ行ってきました。この後、この旅について書いていきますが、数日前にアカデミー賞が発表されたので、その話題に合わせ、まず映画の感想を先に書いていこうと思います。

 それほどアカデミー賞を気にしてチェックしているわけではありませんが、やはり自分が良いと思った作品が賞を取ると嬉しいものです。それが、「Spotlight」です。ノミネートされていた他の作品は見ていないので、比較は出来ませんが、納得の作品賞と脚本賞受賞だったと思います。

 ボローニャへ出発の際、イタリアと言えば、かつての映画大国。映画は基本吹き替えというドイツと異なり、字幕の映画があるかもしれない、と勝手に期待して向かいました。行く前に少し調べてみると、宿泊場所からそう遠くないところに小さな映画館があることが分かりました。映画館だと思ったところ、文化事業の一環で建設された映画図書館/資料館のようでした。チェックしてみると、見たかった作品が字幕版で上映されていたので見てきました。

 私が見たかった「Spotlight」は購読している新聞の映画コーナーで見つけた作品でした。なかなか良い評判だったのと興味があるテーマだったので気になっていた映画でした。映画館ではなく、資料館での上映だったこと、そして学割を使用したこともあり、チケットはたったの3€。ただ、見終えた後は、「もっと払っても良かった」と思える作品でした。

 映画は、ボストンの教会スキャンダルを追求、記事を発表した新聞社の実話が元になっています。Boston Globeというボストンの地元新聞社にはSpotlightという、長期にわたる調査報道を行うチームがあります。単語からも分かるように、社会で影になっている出来事についてスポットライトを当てるチームです。昨年見ていた「ニュースルーム」というドラマの影響で(現実のメディアはがっかりされられることが多いけれど)、気になるテーマを描いた作品でした。

 いわゆるハリウッドの大ヒット作という感じではありません。しかし、良い実話に勝る物はなく、十分でした。逆に脚色を加えすぎると、実話の良さが出ないため、シンプルな作り方で良かったと思いました。

 印象に残っているのは、このチームのtenacity(しつこさ/粘り強さ)。時間がかかっても、小さな情報一つ一つを丁寧に繋げていって、より大きなスケールでどのように機能しているのかを明かす行程が印象的でした。私は記者ではないけれど、今は「調べること」が生活の中心となっています。が、この映画を見て自分はまだまだだ粘り強さが足りないなあと思ってしまいました。

海外からのDVDを視聴 [映画]

 以前はレンタルDVDで映画を借りてきてよく見ていましたが、WOWOWを申し込んでからは市販/レンタルDVDをほとんど見なくなりました。しかし、フランス映画はなかなか日本でも公開されなかったりすることもあり、映画好きの友人がたまにフランスのDVDを送ってくれます。そこで、今回は、海外で購入したDVDの視聴について書いていきたいと思います。

 まず、ここで使う「DVD」という単語は、ダビングしたりしたものではなく、あくまで市販されているDVDを指しています。ダビングしたDVDとなると、少しまた事情が複雑になるので別の機会に書いていこうと思います。さて、市販のDVDを日本で購入したDVDデッキで見るには2つの条件が揃わなくてはなりません。リージョンコードと出力方式です。

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(赤い丸で囲まれた部分の数字がリージョンコード)
 リージョンコードは大抵、DVDパッケージの裏側に番号が書かれています。アメリカが1で、日本は2となっています。そのため、アメリカでDVDをたくさん購入した際、プレーヤーも一緒に買ってくるという日本の人を私は見かけたことがあります。通常、DVDプレーヤーは読み取るリージョンコードを変更することが出来ます。日本のDVDプレーヤーでアメリカのDVDを見たい場合、プレーヤーのコードを「1」に変更することは可能です。が、この変更には回数制限があり、通常は5回。映画を見る度変更するわけにいかない、というわけで、アメリカでDVDプレーヤーを購入してくる人が多かったのでしょう。日本とアメリカのリージョンコードは異なりますが、幸運にも日本とヨーロッパは同じ「2」。ただ、ヨーロッパのDVDのほとんどを日本のテレビ/プレーヤーで再生することが出来ません。

 その理由は、出力方式が異なるからです。詳しい事は私もよく分からないのですが、画面に映像を映し出す方式が、日本はNTSC、ヨーロッパはPAL方式となっています。そのため、ヨーロッパのDVDの出力方式が日本のものと一致していないということです。ただ、コンピュータはこの出力方式関係なくDVDが再生出来るので、リージョンコードさえ同じであれば問題なく再生出来ます。コンピュータは国境を越えての移動が多いため、DVDの出力方式で視聴制限をかけていたら、不便でしょうがないということなんでしょうか。理由はともあれ、私はフランスから送られてきたDVDをコンピュータで視聴しています。リージョンコードの違いで、アメリカのDVDが見られない経験をしたことがあるので、コンピュータではありますが、フランスの映画は見ることが出来るので満足です。

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(赤い丸の部分がリージョンフリー、青い丸が出力方式のPALを示しています)
 ちなみにリージョンコード、DVDが登場した時から存在しているようです。しかし、制限はあっても、「リージョンフリー」というDVDも出ています。これは、リージョンコード関係なく、視聴可能という事です。私も少し探してみると、フランスのDVDがこの「リージョンフリー」でした。フランスということで、出力方式は日本と異なるものですが、論理上、リージョンコードに関係なく視聴出来るDVDのようです。ただ、作品自体は、フランス語音声・字幕しかない、フランス語話者用の映画だったのですが。

「舞妓はレディ」と「シコふんじゃった」 [映画]

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 夏休みの間、周防正行監督特集のようなものをやっていて、「舞妓はレディ」と「シコふんじゃった」を見ました。彼の作品で有名な「Shall we ダンス?」は、5回ぐらい見ていて好きな作品です。映画好きのフランス語圏の友人にプレゼントしたい映画作品の一つなのですが、なかなかフランス語字幕でDVDが出ません。

 「Shall we ダンス?」を見た時のような、新鮮さはなかったけれど、両作品とも面白かったです。「舞妓はレディ」は予想外のミュージカルで、びっくりしてしまいました。しかし、タイトル、ストーリーラインなどから、ある有名なミュージカルにスタイルが似ていると分かり、納得。ストーリーだけでなく、舞台装置、歌まで似ていてびっくりしました。「舞妓はレディ」の歌を聴いている時は、あまり代わり映えのしない歌詞だと思っていました。しかし、歌詞を聴いていると、その有名なミュージカルにも登場する歌詞をアレンジしたものと分かりました。監督のこだわりが随所に見られていて、そういった部分を映画内で探していくのも面白かったです。

 「シコふんじゃった」は、一般人が持っている相撲に対する間違ったイメージを説き明かしてくれます。今は相撲ブームで、様々な人が相撲観戦に行くようです。私も一度見に行きたいとは思っていますが、よく分からない世界というのが正直なところです。相撲部屋や国技館を描いた映画ではないですが、大学の相撲部という視点から相撲がどんなものであるのか、描かれていて面白かったです。

 「Shall we ダンス?」にも共通するのですが、この監督、映画を通じてあまり知られていない世界を紹介するのがとても上手だと思います。「Shall we ダンス?」では、社交ダンス、「舞妓はレディ」では舞妓、「シコふんじゃった」では相撲と、知っているようでほとんど知られていない、でもなかなか入りづらい世界が描かれていました。私達がそれらの世界に対して持つイメージを上手に作品内に入れ、「実はこうなんだよ」と紹介する映画が多い気がします。ちょっと変わった、でも愛嬌のある登場人物と合わせて、私はこの作風が好きです。