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日本語は石、フランス語/ドイツ語は橋 [言葉の勉強]

 少し前の話になってしまいますが、11月上旬、私の住んでいる州で連休がありました。火曜(10月31日)、水曜(11月1日)との連休だったので、多くの人が月曜(10月30日)、さらには金曜(10月27日)に休みをとって、1週間近い休暇になっていました。同じアパートに住む子供連れの家族は金曜の夜、キャンプに出かけていきました。大学の事務は、ほとんど月曜と金曜閉まっているので、事務の方々は木曜(11月2日)も休みを取って、2週間弱のお休みとなっていました。

 このように、実際の祝日の間にある、休日ではない日を休みにするのが定番(日本も振替休日になったりすることがありますね)。フランス語ではこれを、faire le pont(橋をかける)と表現します。休日/祝日Aと祝日Cの間にあるBという平日を休みにするのを、橋に例えているというわけです。面白いことに、ドイツ語もフランス語と同じ。ただ、何でも名詞にしてしまう傾向がある言語なので、Brückentag(橋の日)という表現になります。英語でも一応調べてみたのですが、これに匹敵する表現はありませんでした。日本語で何というのか気になったので、これも調べてみましたが、「飛石連休」という表現が出てきました。日本語だと石、フランス語/ドイツ語だと橋、と例える物が少し変わるのも面白いです。

 土日と変わらない「橋の日」であるドイツですが(スーパー、ほとんどのレストランは閉まっている)、なぜか土日以外の休日は街が静まりかえります。普段の週末は、パンを買いに行く人や、散歩をする人達などが通りにはいるのですが、祝日となると、その通りから人が消えます。

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(誰も居ない通り)
 このような通りを見かけると、私はいつもある映画のシーンを思い出します。「バイオ・ハザード」シリーズの映画です。このシリーズの作品は、どれも見たことがありません。どの作品か分かりませんが、ある日、テレビであるシーンを見かけたことがありました。平凡な住宅地の中を主人公の女性が歩いて、とある家に入っていくシーンです。街はゾンビに襲われた後なのか、誰もおらず、静まりかえっています。とは言っても、家が破壊されたりしているわけではないので、静けさ以外は「普通」の状態です。それがかえって、違和感を持たせるわけですが。これに似た変な「静けさ」がドイツの休日にはあり、不思議な感じです。

 蛇足になりますが、「バイオ・ハザード」は邦題、ということをつい最近知りました。友達に、このドイツの休日の静けさに関する話をするため、(このブログと同じように)「バイオ・ハザード」の話をしたのですが、このタイトルでは通じませんでした。英語では、Resident Evil(内なる悪)というようです。話の要約だけから判断すると、珍しく邦題の方が映画のテーマを表しているのではないか、と個人的には思ってしまいます。
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tommy88

トム・クルーズの『宇宙戦争』(War of the Worlds)、あるいは、ウィル・スミスの『アイ・アム・レジェンド』(I Am Legend)でも誰も居ない大都会が出てきて無気味感があります。邦画で無人は新宿を使った物、米映画ではニューヨークの早朝が多いように思います。普段たくさん人がいる場所で誰も居ないことへの違和感。夏の早朝に撮影するのが効率的なようです。

今回の石と橋は着眼が面白いと思います。
個人的に思うことは、「連休」が「Consecutive holidays」だったら、橋への連想の方が近いように思うのです。そして結局は、飛び石も、つなげてしまう。連なる状態にする、ということ。

by tommy88 (2017-11-19 06:37) 

tommy88

飛び石って全く違和感なく使ってたからな。
橋とは面白いねぇ。
バイオハザードにはびっくりだ。
ありそうな名前なのにね。


by tommy88 (2017-12-31 00:53) 

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