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夏と言えば [読書’15]

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(余市の海です)
 夏休みも本格的に始まり、テレビでも夏休み特集が組まれています。少し前まで、夏と言えば海水浴、だったようですが、私は夏の海水浴と無縁の夏休みを過ごしてきました。毎年色々な夏休みイベントがあったけれど、共通して長年あったのは、水泳の朝練・夕方練習(=夕練)です。そのため、水泳を辞めてもう5年以上経つけれど、夏休みというと、どうしても「水泳の朝練・夕練、合宿」のイメージです。

 さて、他にも夏と言えば、私の好きなアイスはもちろん、ここ数年は村上春樹の本も欠かせなくなってきました。ここ数年(特に日本に居る時)、夏にどんな本を読んだのか思い出してみると、必ず村上春樹の本を読んでいます。私は村上春樹のエッセーが好きなのですが、小説も読みます。

 今年の夏に読んだ彼のエッセーは、「遠い太鼓」です。ギリシャやイタリアでの生活を描いたエッセーです。1986年から89年の3年間の生活なので、「ちょっと昔」の話かもしれません。ユーロという通貨ももちろん出回っていなくて、私が知らないヨーロッパという感じでした。ギリシャ人とのやりとりも登場しますが、国民性というかギリシャ人の性格を垣間見ることが出来ました。この本を読んだ時、ちょうどギリシャのEU財政緊縮策に対する国民投票が行われていました。作者の見たギリシャ人の性格と、今日の財政緊縮策に対するギリシャ人の反応を見ていると、変わっていない部分も多くあるのだ、と感じました。私はギリシャ人の知り合いが居ないので、本当のところは分かりませんが。

 そして、イタリア編で印象に残っているのは車!教習所に通っている間に読んだ本であるせいか、車の印象が強いのかもしれません。イタリアの都市は(フランスと同じように)駐車スペースがないので、どれだけ上手に縦列駐車を出来るかが結構重要なようです。確かに、これは今でも変わっていないかもしれません。縦列駐車かどうかは分かりませんが、イタリアではほとんど隙間なくずらっと車が路駐されていました。車道の運転は結構乱暴というか、走っている車を見てもいまいちルールが分からないので、歩行者としては結構怖い思いをしました。

 また、「像の消滅(L’éléphant s’évapore))という短編集も読みました。本のタイトルとなった作品は、個人的に面白いとは思いませんでした。一番面白かったのは「パン屋再襲撃(La seconde attaque de boulangerie)」でした。タイトルにまず惹かれました。また、内容も、ちょっとコメディ映画っぽく、笑ってしまいました。ファンタジーではないけれど、あり得ない設定が多く、笑えました。

 また、一番怖かったのは「踊る小人(La nain qui danse)」という作品です。これは日本語でも読んだことがあったのですが、読んだ日は眠れませんでした。怖い映画やテレビを見て、または怖い話を聞いて寝られないということは以前にもあったのですが、怖い本を読んで寝られないということはこの作品が初めてでした。それぐらい怖かったのですが、不思議なことに話の内容はほとんど忘れてしまっていました。が、今回タイトルを見て「夜に寝られなかったあの作品だ」とすぐに思い出しました。フランス語で読んでも怖さは変わりませんでした。ただ、どこの部分が怖いのか、と聞かれても困ります。話を要約するとそれほど怖い話ではないのです。あくまでも、「読んだら怖い」作品です。
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