SSブログ

北海道近代美術館「尾張徳川家の至宝」展へ [芸術]

1038.jpg
 札幌に居る間、近代美術館でやっている「尾張徳川家の至宝」という展覧会へ行ってきました。フランス人の友人が来ている間「浮世絵美人」の展覧会をやっていたので見に行くことにしました。が、「次の展示会準備」ということで臨時休館。その準備というのが、この尾張徳川展示会だった、というわけです。

 私はまだ(一応)学生なので、学生料金で行ってきました。感想はというと正直に言うとがっかりでした。展示自体は興味深かったのですが、展示室が小さく「これだけ?」と思ってしまいました。平日に行ったのですが、たくさんの人が来ていて、流れ作業のように見ていく、という感じでした。

 美術館へ行くようになったのは、東京に来てから。大学の生協で前売り券を買えば結構安くなるし(1000円ぐらいで映画館へ行くより安い)、とにかく美術館の数が多いので、自分の興味ある展覧会があれば上野へ行きました。また、懸賞得意の妹が東京で行われる展覧会のチケットを当ててくれたりして、行く機会も多くありました。そのため、私の中には「東京の特別展示会規模」がスタンダードになってしまっている気がします。ヨーロッパは大抵、東京の美術館より規模が大きかったり、値段もかなり手頃なので、「ヨーロッパはさすが本場だなあ」と思ったりしていました。が、今回この近代美術館へ行って、「東京の展覧会もすごかったのだなあ」と思ってしまいました。

 ヨーロッパの美術館、施設は一流でも、個人的に訪れる人の興味・関心は、断然日本人の方が高い気がします。展示リストを手に持って、食い入るように展示品を見ている姿は日本でしか見たことがありません。東京でも札幌でもたくさんの人が展示会に来ていて、毎回「すごい人だなあ」と思います。が、ヨーロッパの美術館へ行くと、現地の人はほとんどおらず、観光客が大半を占めています。美術館、時期によっては、誰も居ない、ということもあります。学芸員らしき人もゲームをしたり、クロスワードをしていて、他人事ながら、「美術館の運営は大丈夫なのかな?」と思ってしまいます。北海道の近代美術館でも、美術に対する日本人の関心の高さを再認識しました。

 少しがっかりした展示会でしたが、自分のあまり知らない尾張徳川家の宝を見ることが出来ました。本家(徳川家康など)とどういう繋がりがあるのだろう、とずっと気になっていました。私のような人のために家系図が描かれていましたが、相当込み入っていて、よく分かりませんでした。ただ一つ言えるのは、ヨーロッパ王家同様、幼い時に政略結婚(3歳、5歳)、生活の全てが儀式化していたのだ、ということです。もちろん、装飾はヨーロッパと比べると全く異なりますが。

 この展示会で得た知識と言えば、北海道の木彫りについて。アイヌの人たちが始めた、と勝手に想像していたのですが、スイスからのお土産をヒントにしていたそうです。尾張徳川の人が、スイスへ行ってベルン(熊が州のシンボル)の木彫りをお土産に買ってきたそうです。尾張と北海道、どういう関係が?と思ったのですが、旧尾張藩士が八雲に住んでいたので、彼らへのお土産。冬の北海道、農家の収入源は少ないため、木彫りを副収入としたらどうか、ということで始まったそうです。今では全道に広まったお土産ですが、元はスイスだと全く知りませんでした。果たしてスイス人はそのことを知っているのでしょうか?
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0