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どこの国の人が一番悲観主義? [言葉の勉強]

 ドイツ語の先生がある日「ドイツ語話者は悲観主義」という話をしていました。彼女の説は、「値段を聞くときも時間を聞くときも、悲観的な表現しかしないから」ということでした。確かに、ドイツ語で「何時ですか?」と時間を聞く表現は、Wie spät ist ie ? となります。この表現、直訳すると「どれくらい遅いですか?(How late is it ?)」となります。この表現だと、たとえ何時であっても遅い、という感じです。こういう表現が存在しているのも、ドイツ語圏の人は時間に几帳面と言われる所以でしょうか。私の周りのドイツ人やドイツ語圏出身は確かに、他のヨーロッパ人に比べると、時間通りに集合場所へやってきます。

 そして値段を聞く時は、Wie viel kostet es ?となります。これは直訳すると「どれくらいの費用がかかりますか?(How much does it cost ?)」になります。「これはいくら?」ではなく、あえて、「費用がかかる」という動詞を使っているところが、「何にでもお金がかかる、高い」という印象を与えるため、「悲観的」と言われているのでしょうか。が、似たような表現は英語、フランス語、スペイン語にも存在するので、ドイツ語話者のみが悲観的、とは言えないと思います。

 費用の面で言えば、個人的にはフランス語話者が一番悲観的・否定的なような気がします。なぜならフランス語に「安い」という表現が存在しないからです。安い物は存在しない、という考えからなのか、よく分かりませんが、「安い」という単語がありません。「安い」と言いたい時は「pas cher(高くない)」や「bon marché(有利な取引)」という表現をします。また、質が良くないという意味の「チープ」も存在せず「mauvaise qualité(悪い質)」と言います(ドイツ語には存在します)。フランス語に「安い」という言葉が存在しないと知った時は、とてもびっくりしました。思わず先生に「フランス語話者はセールなどで『安い』って感じたことないの?」と聞いてしまいました。「『高くない』っていうぐらい」と先生は答えてくれましたが、個人的に「高くない」と「安い」は微妙にニュアンスが異なるような気がします。この感覚、ラテン語から来ているのかと思いきや、そうでもありません。なぜなら同じラテン語系のスペイン語には「barato(安い)」という単語がしっかり存在するからです。他のラテン語系の言葉がどうなっているのかは分かりませんが、少なくともフランス語話者の頭の中に「安い」という概念は存在しないようです。
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次女

面白いけど、なかなか難しいね!
by 次女 (2014-05-07 10:52) 

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