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劇の観賞 [芸術]

 残念ながら「ゴドーを待ちながら」はよく分からないまま読み終えてしまったので、いつか劇を見る機会があれば見に行きたいと思っています。日本でもほとんど劇を見た記憶はありませんが(小学校の学芸会や中学校の文化祭ぐらい)、ヨーロッパに来てからは劇を見に行く機会が増えた気がします。ホストマザーは劇を勉強したことがあるので、今一緒に生活しているホストファミリーはよく劇を見に行っています。劇、というと私は劇団四季のような(少し座敷の高い)ものをイメージしてしまうのですが、ヨーロッパでは結構大衆化されている気がします。もちろん、ビッグネームの劇場で上演される作品も多くありますが、アマチュアが演じる作品もジュネーブではたくさん上演されています。そして、私もそういった作品をホストファミリーと見に行ったりすることがたまにあります。劇に関しては素人なので、毎回見に行くたびに「劇ってこんなことが出来るのだ」と感心することばかりです。特にシンプルな舞台装置で、工夫しながら様々なことを表現する点が面白いと思います。時には表現していることが独特すぎて、作品を見終わっても「?今のは何だったのだろう?」と思う作品もあります。

 今まで見た中で印象に残っているのは「12人の恐れる男たち」でした。あの有名な陪審員達が評決を議論する作品です。もちろん、人員関係で12人も登場せず9人(女性も登場)、とオリジナルの作品と異なる部分も多かったですが、そんなことは全く気にならず、作品に引き込まれていきました。特に、せりふでは表現されない役者同士の視線、心理戦が舞台から強く伝わってきました。この緊張感、映画では味わうことが出来ないよなあと思ってしまいました(もちろん、映画には映画ならではの良さがたくさんありますが)。

 そして先日は変わった「舞台作品」を見てきました。作品が上演されたのは劇場ではなく、とあるアパートの一室。20分の作品が4つ、全て異なるアパートの1室で行われました。一作品が終わると、別のアパートに皆でゾロゾロ移動するという、かなり変わった舞台構成になっていました。ジュネーブ市内の古いアパート物件巡りみたいでした。もちろん、舞台となったアパートには人が住んでいるので、生活感であふれていました。自分が学生であるため、なかなかアパートに入ることはありません。友達は皆学生寮(アパート)に住んでいるので、共通のキッチン、洗面所、各自の部屋という作りになっています。そういった建物には何度も入っていますが、普通のアパートには滅多に入る機会がありません。作品以上に、人のアパート内を見て回るのも面白かったです。アパートの作りを全く無視した作品、作りを上手く使った作品などもあって面白かったです。一番印象に残っているは、真っ暗の廊下で聞いた音楽。音楽家がシャワー室で演奏して、それを真っ暗な廊下で聞くという試みは今までに見たことがなかったので、とても新鮮でした。次回はどんな作品を見ることが出来るのか楽しみです。
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次女

アパート巡りしながら、なんて楽しそうだね!

最近は、劇団四季がアリエルかなんかもやっているようで前よりは結構身近になっていると思うよ。
by 次女 (2014-05-07 10:41) 

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