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2014年春学期の授業:Politique Extérieure de la Suisse [スイスでの学生生活]

 今学期必須となっているのは卒論だけ。が、せっかくジュネーブに残っているのだからといくつか授業を取っています。スイス人の友人に誘われて一緒に取っているのが、このPolitique Extérieure de la Suisse(スイスの外交政策)です。講義式の授業で、2003年~2011年までスイスの外務大臣(厳密に言うと連邦参事で連邦外務省で働いた)を務めた人が教えています。彼女自身の任期中の経験なども紹介しながら授業が進んでいくので、とても面白いです。そして、なんと言っても、世界でも少し特別なスイスの外交を知ることが出来るので、とても興味深いです。一応、様々な角度からスイスの外交政策を見ていっているのですが、キーワードはやはり「直接民主主義」と「中立主義」です。EUとの関係、秘密口座の調査、リビアでの人質事件(これについては詳しく後日別の記事で書いていこうと思います)など、様々なテーマをこれまでに見てきましたが、その時に必ずと言ってよいほど出てくるのが先ほど紹介した2つのキーワードです。どれほど、隣国との関係が大切になってきているといっても、小国のスイス、存在感を保つにはこの国を象徴する「中立主義」をどこまで主張するか、ということが重要のようです。「中立主義」というテーマで、授業が数週間後に行われるので、今から楽しみです。

 またこの教授がよく授業中に言うのが、「スイスは外交というテーマにおいて、自国の見解を表明しない傾向がある」です。テレビは見ないので、どういった報道がされているのか分かりません。が、新聞を読む限り、何か国際的な問題があっても、「スイスは○○の姿勢を支持/反対」という記事はあまり出てきません。少し例外的に、今議論になっているクリミアに対するロシアの行動においては、「スイスはどういった姿勢をとるべきか」という記事が出ていましたが。しかし、通常はアメリカ、フランス、EUなど大国の見解を紹介するに留まっています。もちろん、これはスイスの中立主義に大きく由来しているからだと思いますが、スイスの姿勢がはっきりしないということに不満を持っている人も多くいるのも現実です。個人的な印象としては、そもそもスイス人自体が外交にあまり興味がないというのも、新聞に大きな記事が出ない理由だと思います。周りのスイス人を見ても、「スイスがこうするべきだ」という発言する人はほとんど居ません。国内問題になると、皆熱く「政府が○○するべきだ」とか「○○の国民提案議案を出すべきだ」(こういった発言が出るところはさすが直接民主主義の国だと思います)と語り始めます。が、外交問題になるとそういう話はぐっと減ります。県が大きな権力を持っていて、各州異なるシステムを持っている以上、国の見解や姿勢ということは少し遠い話なのかもしれません。

 中立や直接民主主義というキーワード以外に、毎回話題となるのがやはり2月9日の投票結果(新聞ではすでに「9 février」と名詞になっています)。EUとの関係に影響が出るので、何度も話題に出てきます。特に、周りのスイス人が考えていることとこの授業での内容がかぶる事も多いため、その比較も面白いです。
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次女

私の大学はあんまり女の先生っていないけど、(国内の他の大学もわからないけど)スイスとかはどうなのかな?

最近、集団的自衛権で色々とニュースになってるけど、スイスは永世中立国だからって結構出てくる!
by 次女 (2014-05-07 10:28) 

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