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夏の読書 最終回 [読書’13]

 先日から新学期が始まり、夏の読書も最終回となりました。本は読み続けますが、この企画夏休みに読んだ本、というテーマで始めたので区切りをつけておこうと思います。そこで、夏休み中に読んだ16冊から自分のベスト3を作ってみました。3冊選ぶのに苦労したので、3冊内の順位はありません。

 1. ”Les Derniers Jours de Nos Pères” by Joël Dicker
 フランスで大きな賞をもらった「La vérité sur L’Affaire Harry Quebert」を最初に読み、とても興味を持ちました。この小説がとても気に入り、これを超えるのは難しいだろうと勝手に思い込んでいました。今のところ、この著者の出版作品は2冊だけですが、個人的には最初に書かれた”Les Derniers Jours de Nos Pères”の方が気に入っています。第二次世界大戦中、と時代、そしてテーマ自体も重く決して笑えるような話ではありません。が、「究極の選択」というテーマが作品中何度も出てきて、色々考えさせられます。自分ならこの状況で何を犠牲にして、どちらを選ぶのかということを読みながら、何度も考えました。次回どんな作品を書いてくれるのか、今からワクワクしています。次回作が存在するかどうかさえもまだ分かりませんが、この2作品で終わらないことを大きく期待しています。

2. ”Saga” by Tonio Benacquista
 彼の作品はいくつか読みましたが、この「Saga」がずば抜けて面白いと思います。あり得ない結末だけれど、テレビ業界を面白く(皮肉を込めて)描いていました。笑えるシーンでも「よく考えてみたら、結構深刻なことかも」と思わされてしまいました。

 最近では、色々な小説が映画化されています。が、これは脚本家という職業をテーマにしているので、いつか映画が作られたとしても、小説バージョンが一番楽しめると確信しています。

3. ”La Valse aux Adieux” by Milan Kundera
 感想の記事でも書きましたが、登場人物の心理描写が面白かったです。プラハのある地区が舞台となっているのですが、プラハの旅行を少し思い出して懐かしくもありました。

 この本の感想を書いた記事では紹介しなかったフレーズがあるので、ここで紹介したいと思います。人生の予測不可能性について、です。「….Je veux dire par là qu’accepter la vie telle qu’elle nous est donnée, c’est accepter l’imprévisible. Et un enfant, c’est la quintessence de l’imprévisible. Un enfant, c’est l’imprévisibilité. Vous ne savez pas ce qu’il deviendra, ce qu’il vous apportera, et c’est justement pour cela qu’il faut l’accepter.(…自分がここで言いたいのは、人生を与えられたように受け入れるというのは、予測できないということを受け入れること。そして、子供というのは、予測不可能の本質。子供こそが予測不可能。その子供が何になるのか、何をあなたにもたらすのか、分からない。だからこそ、その予測不可能を受け入れなくてはならない)」とても深い文章だと思います。不意打ちを避けるため、予測不可能はなるべく避けたいものですが、人生で予測不可能な出来事は多いと思います。
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