SSブログ

夏の読書 その10 [読書’13]

733.jpg
(本の写真がないので、ローザンヌの風景。電車で通過しただけですが)以前読んだ本に引き続き、今回もスイスで話題になった作家の本を読みました。Max Lobeの「 L'enfant du Miracle」です。ローザンヌ大学で勉強するカメルーン出身の学生、Paulの話です。カメルーンで行われる伝統儀式や生活、ローザンヌ大学での生活が交互に描かれていました。伝統儀式(特に妊娠しづらい女性を「治療する」儀式)は異常なものが多く、読んでいてとても怖かったです。が、ローザンヌ大学での学生生活は自分にも身近なものが多く、読み進めていくのが面白かったです。

 ローザンヌ大学で主人公は学生アパートに住んでいます。各自個室、そして共同キッチンという形になっているようです。ジュネーブ同様、ローザンヌも世界各国から留学生が来ているみたいです。主人公と仲が良いのは台湾から来たEyangoという留学生。彼らのやりとりは、自分も経験したことがあるので「そう、その通り!」と思いながら読んでいました。例えば、Eyango、自己紹介をする時、台湾出身であることを強調します(中国ではなく、と)。が、台湾から遠いカメルーンから来たPaulにとっては大差がありません。私も自己紹介で日本出身、と言っても、ヨーロッパ人からすると「地図の端にある国」というイメージしかないみたいです。日本に興味がある人は別ですが、アジア諸国は遠すぎてよく違いが分からない、という人がヨーロッパには多いみたいです。

 この本を紹介してくれたスイス人も「本の中に変わった日本人の留学生が出てくるから!」と予告してくれました。が、いくら読み進めても、変な日本人学生は登場しません。出てくるのは変な台湾人学生、Eyangoだけ。他にも変わった留学生は登場しますが、アジアっぽいのは彼だけ。読み終わってから「話していた変な学生ってEyangoのこと?」と聞いてみると、私の予感は的中。台湾と日本を混同していたみたいです。

 先ほども書いたように学生生活部分はスラスラと読み進めることが出来ました。が、カメルーンの生活は変わった名前や身近ではない伝統儀式の描写が続き、読み進めるのに苦労しました。200ページ足らずと短い本なのですが、読み終えるのに少し時間がかかりました。読破するのに苦労した、という印象が最後まで残ってしまった作品でした。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0